眼鏡のある生活

素敵な眼鏡ライフを送るためのブログです。

レンズオプションは必要?

 

今回は、もも様の質問に答えていきます。

二か月ほど前に頂いた質問です。一度は目を通していたはずなのですが、スルーしてしまっていました…申し訳ございません。

先日コメントを見直していましたら、核心をつくような質問のように思います。このブログを読んでいる方であれば知りたい情報かもしれませんので今回は「もも」様の質問にお答えします。

 

もも様も思い付くままに質問されたようなので、私の方で質問を整理します。

 

〈レンズについて〉

① 機能・価格等で選ぶポイント。

②A店5.000円、B店は15.000円をどう評価するか。

③レンズの日本製と海外製は違うのか

④どこまでがユーザーのためなのか?

(様々なオプションは意味があるのか?金儲けなのか)

 

〈それ以外について〉

①通販についての見解、注意ポイント

②検眼の見極め( オートクラフトのみ良いのか?)

③フィッティングのレベルをどう見極める?

④他店舗持ち込みでサービスするべきか?

 

全て答えていくとかなりの量になりそうなので少し絞らせてもらいたいと思います。

また何回かに分けて答えていく形になりそうです。

 

レンズの価格差について

 ではレンズについて答えていきたいと思います。

半年以上前にレンズの価格差について書いたことがありましたので、

こちらも参考にしてみてください↓

眼鏡に価格差がある理由(単焦点レンズ編) - 眼鏡のある生活

遠近両用レンズの価格差とは? - 眼鏡のある生活

 

簡単にまとめます。

実際レンズの価格は、大きな差があります。

レンズの価格差が生まれる理由は二つあり、一つは「レンズの品質の差」もう一つは「眼鏡店の質の差」になります。そのため仮に同じレンズを使用していたとしても価格差が生じても不思議ではない。特に遠近両用レンズは、店の質に大きく左右される。

仮に最高級のレンズを使っても店の質が低ければその品質の良さを最大限に生かすことが出来ません。(当ブログでは料理・料理人で例えさせていただきました)

 

オプションには意味がある

 また「どこまでユーザーのためか」ということにはお答えしていないように思いますので私なりの見解を書いていきたいと思います。

 

この質問は、ビジネス抜きに考えても正解を導き出せません。

簡単に言うと

「全て良いものは良い」

です。

全て根拠があってオプションは開発されています。

ただそのコーティングを売りたいため、大袈裟に広告を打ちます。

例えば不安を必要以上に煽るとか・・・

 

効果は人による

 ブルーライトカットレンズについては以前詳しく書いたことがあるので、ご興味のある方はこちらを参考にしてください。

ブルーライトカットレンズとは?① - 眼鏡のある生活

ブルーライトカットレンズとは?② - 眼鏡のある生活

ブルーライトカットレンズとは?③ - 眼鏡のある生活

 

色々書いているので全て読むのには大変かも知れませんので簡単にまとめます。

(今回の内容に近い形で)

  最近このブルーライトカットレンズは、メーカー・小売店から積極的に勧められていると思います。私はこのレンズの売り方が、一番の問題だと思います。一部の眼鏡店は、恐らく故意に誤解を生む広告を打っています。そして不安を煽ってブルーライトカットレンズを買わせていると思います。不誠実な商売だと思います。

 

結局ブルーライトカットレンズは必要か?

申し訳ございませんが、人によるとしか言えません。

実際ブルーライトに困っている、将来の眼病の不安を少しでも取り除きたい方にとっては使用する価値のあるレンズかと思います。ただ効果の程度は何とも言えません。なぜなら眼についてはまだわからないことが多いのです。(例えば紫外線は白内障の原因と言われていますが、詳しく読むと紫外線は白内障の原因の一つと考えられているという書かれ方をされています。つまり紫外線と白内障の因果関係はかなりの方が知っていますがこの常識も絶対とは言えないようなのです)

その分からないことに対して絶対おすすめとは言えません。

ただ眼鏡レンズには副作用はありません。副作用がないのであれば、健康志向な方はオプションとして付けてみるのも良いかと思います。

ここで一つ、書いておきたいことがあります。

もし目の疲れに悩まれているのであれば、安易なブルーライトカットを掛けるだけで終わらないでください。しっかり検眼を行える眼鏡店(眼科)で一度測定をしてもらってください。眼のことを真剣に考えるであれば、眼のことを真剣に考えてくれる眼鏡店に任さなければ根本的な解決には至らないかと思います。

 

他のオプション

「傷が付きにくいコーティング」

これも付けた方が傷に強くなります。当たり前ですが・・

ただ今までオプション無し眼鏡を問題なく(三年程度)使えていた方であれば、わざわざ付ける必要性をそこまで感じません。(もっとも傷は無数に付いています。恐らくご自身が気にしていないだけだと思います)良いコーティングを付けなくても長く使えた実績のある方にとって、それ以上に良いコーティングを付けてもあまり意味がないように思います。元々、綺麗に眼鏡を使えているので・・・

あと傷に強いコーティングを付けても眼鏡を落としたりしたら傷は付きます。そのため凄く扱い方が雑な方も良いコーティングにする意味がないように思います。良いものにしてもレンズを交換をする必要があるであれば、オプション代が勿体ないように思います。

 

「新しいUVカット

一部のメーカーからUVカット効率が更に高くなったレンズが出ています。ただこれも気にしている方は付ければ良いと思います。そもそもUVカットは、ほぼ全てのレンズについています。それ以上にカットしてくれるのは魅力的かもしれませんが、高まるUVカット効率は10%程です。その比較的少ない量もカットしたいのであれば、付けた方が良いかもしれません(もっとも今後標準装備されるかもしれません)

 

 *知りたくない真実・・・・生涯で浴びる紫外線の半分以上を18歳で浴びるらしいです。そのことを考えるとある40歳を過ぎてから過剰に紫外線を気にしても手遅れなのかもしれません。無駄とは言いませんが。

あと紫外線対策に過敏で日焼け止め、衣服、日傘等で完全防備の方もいるかと思います。そのような方でサングラスも眼鏡もしていない方は、今すぐ掛けた方が良いかと思います。眼からも紫外線は入ってきますよ。

 「非球面、両面非球面・・・」

良い設計はお勧めになります。良い設計であればあるほど歪みは少ないです。ただ歪みを感じやすい方、感じにくい方はいます。問題がないのであれば無理して設計を上げなくてもよいような・・・ただ良い物は良いのも事実です。眼鏡店はビジネスという面から良い設計を勧めます。間違いないです。使うお客様にとっても良い物は良いので、悪いことだとは思いません。

ただ度が弱い方(眼鏡無しでも生活できるような方)は、良い設計である必要はないと思います。

 

全てのオプションに意味がありますが、付ける価値があるのかは

「人による」としか言えません・・・申し訳ございませんがそうとしか言えません。

 

ただ普通で良いのであればオプションはいらないかもしれません。

 

何度かこのブログで書いていますが、いくらスペックの良いレンズを使用してもそれを扱う店舗のクオリティが低ければその良さは最大限には生かせないことは注意してください。

 

「日本製」と「海外製」レンズについて

恐らくこの質問がある時点で品質は、「日本製>海外製(アジア製)」なのではないかという考えが前提にあるのだと思います。

確かに日本メーカーのレンズは品質が優れていると思います。

HOYANIKON、SEIKO…日本には一流レンズメーカーがいくつもあります。

ただ海外製=海外メーカーなのでしょうか?

海外製といっても海外レンズメーカーであることは少ないのです。(もっとも海外メーカーの粗悪品も日本で流通しているかもしれませんが、私は扱ったことがないのでここでは省略いたします。)

では日本に流通しているアジア製のレンズはどこのメーカーが作っているのか?

それは日本の有名レンズメーカーです。

アジア製レンズと日本製レンズの比率はメーカーによって違いますが、どのメーカーもアジア製レンズを製造しています。そのアジア製のレンズであっても大きな問題は起きていません。問題は起きていませんがグレードそのものが違います。レンズメーカーは、いくつかのグレードを持っています。そして高いグレードのモノは国産、低いグレードのモノはアジアと分けているように思います。アジア製が悪いというよりは、アジア製はグレードの低いシリーズを作っているだけなのです。

ただアジア製であっても高品質なレンズは作られています。(作っている一流メーカーはあります)

作ろうと思えばアジア製でも高品質なモノは作れると思います。私見ですが)

レンズは機械によってオートメーションで作られています。

そのため良い機械、環境、プログラミングさえしっかりしていれば何処で作っても品質に大きな差が生まれるとは思えません。(マニュアル等をしっかり守れるかはわかりませんが)

国産に拘るのは、国産の方が消費者にとってイメージが良いというのが大きいように思います。

 

実際私も昔は国産レンズの方が品質は高いと思っていました。

水、空気、工場の清潔さ、従業員がマニュアルを守る・・・といった基本的な部分で差が出ると思っていました。そのため日本メーカーは国産に拘っていると考えていました。日本とアジアでは大きな差があると・・・

 

ただ5年以上前?に起きた事件で考えが変わりました。

タイの国内政情不安で空港が何日も閉鎖されたことがあります。(あと別件で大雨で工場が停止したこともあります。)その時タイに大きな工場を持っていた一流メーカーのHOYAのタイ産レンズの出荷が停止しました。業界では騒然としたことを覚えています。

昔からHOYAのレンズは、品質が高いと思います。眼鏡業界の人間でもHOYAのレンズ品質において悪く言う人は殆どいません。そのHOYAのレンズの多くが(良いグレードのものも)、アジアで作られていたんだと実感しました。そのアジア製レンズでも問題はありませんでしたし、そして今もありません。(その後国産比率を高めているかもしれませんが)

むしろメーカーによっては、国産レンズであっても品質に?が付くレンズもあります。

そのことを考えるとアジア製=品質が悪いと思うのは正しくないように思います。

国産に拘るのにも幾つか理由があるかと思います。「高い品質のレンズが安定して作ることが出来る」ということ、「国産=高品質と消費者が考えている」からというのもあうように思います。

 

レンズについて何が正解というのは難しいかもしれません。恐らくビジネス抜きで考えても販売員の中でも意見が大きく分かれる分野かもしれません。

 

ではまた後日。