ブルーライトカットレンズとは?③
今回もブルーライトカットレンズについて書いていきます。
今回は、
⑤進化形ブルーライトカットレンズは、必要なのか?
について書いていきます。
3回にわたりましたが、今回で最後です。
因みに今まで2回はこちらです
最近、進化形ブルーライトカットレンズが市場に出てきています。
UV420というレンズです。
ブルーライトカットレンズにはない新しい機能を持ったレンズです。
進化形ブルーライトカットレンズ=UV420
(色々な商品名がありますが、一番わかりやすいこの名称で統一します。)
極力簡単に説明します。
UV420とは、
昔からあるUVカットの進化系です。
今市場の出回っているレンズの殆どが、UVカット(UV400)を標準装備しています。
*380以下が紫外線です。そのため紫外線をケアするだけであればUV400で十分です
ただUV400だと物足りなく、本当は420迄カットした方が健康に良い!
という見解が最近出てきたのです。
それに応える形で出てきたのが、UV420というレンズなのです。
UV420の利点
420以下をカットする最大の利点は、
眼病の予防です。
レンズメーカーのHPを見ると様々な眼病予防に効果があることが書いてあります。
(名称は違いますが、UV420と考えて良いと思います)
(東海光学は有名でないかもしれませんが、一流レンズメーカーです)
しっかりした根拠に基づいているため、納得出来るものではあります。
全ての方に効果があるのか、どの程度効果があるのかはわかりませんが、試す価値はあるのではないかと思います。また眼鏡の場合、薬と違って副作用が出ることは基本ないので、健康に極力気を付けたい方は掛けた方が良いかもしれません。
レンズそのものは、使用する価値があるレンズだと思います。
故意に誤解を生む過剰広告
このレンズも問題があります。
それはレンズそのものではなく。
「広告・売り出し方」が問題なのです。
問題の広告は、過剰・誇大広告なのです。
恐らくその広告を気を付けて読んでも勘違いするような内容です。
その誤解は、大きな問題を生みます。
誤解したままだと、
本来自分にとって「必要な機能が付いていないレンズ」を選んでしまう危険性があるのです。
レンズの効果を大げさに伝えているだけなら、まだ良いのですが…
進化形ブルーライトカットレンズ広告の問題点
ブルーライトカットの拡大解釈が問題の根源です。
1、 UV420とブルーライトカットレンズは比べられない
2、 ブルーライトも色々ある
3、 カット率の拡大解釈
4、 レザーポインターの意味
以上の点に大きな問題があります。
まずUV420とブルーライトカットレンズの違い(目的)を整理します。
・UV420は、紫外線に近い青色光をカットするためのレンズです。
・ブルーライトカットレンズは、PC等の青色光をカットするためのレンズです。
1、 UV420とブルーライトカットレンズは比べられない
青色光というキーワードは同じなのですが、内容は全く違います。
UV420がカットする青色光は、文字通り420㎚以下の青色光です。
PCから出る青色光は、450㎚前後の青色光多いのです。
(PCから420nmは、そんなに発せられていません)
420nmと450nmは、全くの別物です。
広告の問題点①
UV420の広告を見ると、
『ブルーライトカットレンズではカットできない420nm以下の青色光をカットできます!!』という触れ込みを見ます。
そしてきっとこのように思うはずです。
「ブルーライトカットにできないことが、UV420にはできるんだ…UV420は優れたレンズだ」と。
➡この広告だけを見ると、決して嘘はないのです。
確かにブルーライトカットレンズは、420㎚以下の青色光はカットしません。
ただブルーライトカットレンズは、パソコン用のレンズです。
もともと420nm以下をカットすることを目指していません。
そして、この広告には大きな問題があります。
恐らく故意に省略している部分があるのです。
それはブルーライトカットレンズに出来て、
UV420にできないことを省略しているのです。
UV420に出来ないこと。
UV420は、パソコンから発せられているブルーライトはカットできません。
上でも書きましたが、UV420は420㎚以下の青色光をカットします。
つまりPCから発せられている450nmは、カットできないのです。
この凄く大事なところを故意に省略しているのです。
故意と言うのには根拠があります。
なぜならブルーライトカットレンズの広告では、
ちゃんとPCからは450nmが発せられています…というようなことを堂々と書いているのです。
またこのことは常識なことなので知らないは通用しません。
2、 ブルーライトも色々ある 3、 カット率の拡大解釈
広告の問題点②
「UV420は、ブルーライトも40%カットできる!!」
という広告もあります。
この触れ込みは大きな誤解を生みます。
➡そしてこれも完全な嘘ではないため余計に質が悪い。
どんな誤解かというと、
「UV420もPC用として使えるんだ!」と思ってしまうのです。
(ブルーライト=PC用という認識が広まっているのも原因かと思います)
ただ残念ながらUV420はPC用としては使えません。
確かに広告には、ブルーライト40%カットと書いています。
ただここでのブルーライトは、広範囲のブルーライトを指しているのです。
この広告でのブルーライトは、380nm〜500nmまでを指すようです。
380~500とは、簡単に言うと「青色」全てを意味しています。
これは眼に悪くない青色も含みますし、
パソコンからあまり発っせられていない青色も含まれているのです。
何度も書いていますが、パソコンから多く発せられている青色光は450㎚です。
この450nmをカットしなければ意味がないのですが、この広告には450nmを40%カットするとは書いていないのです。
意味のない青色を含めてカット率の高さを操作しているのです・・・
誤解を生む広告だと思います。
ここまで読んでいて420nm、450nm…って何?と思うかもしれません。
そんなに難しく考える必要はありません。青色にも様々あります。水色、青色、紺色…全て青色ですが、全て違う色であることはわかると思います。この色(光)を数値で表したものが、420、450と言った数字だと思ってください。
ブルーライトという便利な名称を都合の良い解釈を行い、絶妙に嘘は付かずエンドユーザーに間違ったイメージを植え付けているのです。
大手レンズメーカーのHPを見ると、しっかり説明が行われています。
UV420・眼病の予防については詳しく書いていますが、パソコンにも効果的とは決して書いていません。
因みにこんな感じです→ルティーナ : メガネレンズ : 東海光学株式会社
しかし量販店を中心にした眼鏡店が誇大広告を載せているのです。
因みにこんな感じです。
→①メガネの愛眼 aigan_uv420 (アイガンUV420)
(ただこちらの説明分にはPC用とは書いていませんが、普通勘違いすると思います。一言説明を入れるべきだと思います。「PC用には効果が期待できない」と)
→②http://www.j-eye.com/001_014/f10174uv.html
こちらのほうは、本当に酷いように思います。
私が説明してきた内容と大きく異なります。
根拠としている数値が、根拠になっていない場合もあります。
また根拠としている数値も何処から持ってきたのか不明です。
この誤解の最大の問題点は、
本来パソコン用ブルーライトカットが必要な方が、UV420の広告を見て「UV420の方が自分には向いている」と考えてしまう事なのです。
なぜなら仮にUV420を使ってもパソコンのブルーライトはカットできないのです・・・もし適切な広告で紹介されていれば、自分に合ったレンズを選択できるはずです。
レーザーポインターに惑わされない
このUV420のデモンストレーションでレーザーポインターを使うケースも見受けられます。確かにブルーのレーザー光線が、かなり減光されているのがわかります。このこと自体は、事実なので文句のつけようがありません。
ただこのデモンストレーションにも問題があります。
(全ての眼鏡店ではございません。正確にお伝えしている店舗もあります)
このレザーポインターは405nmの青色光なのです。
ここまで読んで頂いた方ならもうおわかり頂けると思います。
そうです。
405nmは、パソコンのディスプレイからは多く発せられていないのです。
デモンストレーションでは、ブルーライトカットレンズとの比較を行い、あたかもブルーライトカットレンズより純粋に優れているかのような誤解を誘っているのです。
まとめ
話が長くなりましたが、まとめます。
UV420は、無色で目の健康を考えたサングラス。
ブルーライトカットは、無色のパソコン用眼鏡。
なのです。
つまり用途が異なることを注意してください。
どちらが優れているかで選ぶのではなく、
どちらが自分に合っているかで選んだください。
広告を疑って下さい。
そもそもオフィス等で1日の大半をパソコンと向き合っている方にとって、
UV420は必要なのでしょうか?
PC等から発せられていない光です。
420nm以下の光を一番浴びるのは、屋外です。
つまりオフィス用での使用を考えている方に、UV420は意味がないように思います。
ブルーライトカットとUV420の使い分けが一番良いのではないでしょうか。
今回、私の見解に誤りがあるようであれば、是非
指摘をお願いします。大きな誤りはないかと思いますが。
ではまた後日。