リーズナブルなブランド・OLIVER PEOPLES③
OLIVER PEOPLESの特徴③
① 定番モデルを作らせたら右に出るものがいない
② ファッション感度の高さ
③ クオリティーの高さ
④ アフター等の安心感
⑤ 今後が不透明
前回から③について書いていましたが、今回はその続きについて書いていきます。
前回に引き続き「眼鏡の品質」に着目しながら「OLIVER PEOPLESの品質の高さ」
につて書いていきたいと思います。
前回プラスチックについて書いていきました。
それ以外の素材、技術力の差について書いていこうかと思いましたが、以前似たような
ことを書いていました・・・
一度こちらも参考にしてみてください。
では、OLIVER PEOPLESの品質はどうなのか?
メタルの溶接、メタルへのメッキ・カラーともにOLIVER PEOPLESは優れています。どちらも大きな問題が起きることが稀です。この技術力はファッションで評価されている海外ブランドのとしては珍しいかと思います。
最近、海外ブランドでも日本製というブランドは年々増えているように思います。
しかしOLIVER PEOPLESは、その中でも貴重で重要なブランドです。
何が貴重かというと。
リーズナブルなOLIVER PEOPLES
OLIVER PEOPLESは、リーズナブルなのです。
眼鏡に詳しくない方だと
「OLIVER PEOPLESがリーズナブル?」
と思うかもしれません。
アメリカブランド市場価格
確かにリーズナブルというと語弊があるかもしれません。
コストパフォーマンスが高いと言った方が良いかもしれません。
日本にある一流アメリカブランドの殆どが高額です。
同じような眼鏡であれば、OLIVER PEOPLESより一万円以上高いかと思います。
OLIVER PEOPLESのシンプルなプラスチックフレームは3万円程度で買うことが出来ます。(もちろんJINS,ZOFFと言った眼鏡に比べれば安いとは言えません。)
では他の一流アメリカブランドのプラスチックフレームの価格は以下の感じです。
BARTON PERREIRAは、4万円~4万5千円。
DITA、THOM BROWNEは、5万円程度します。
最もDITA等は凝ったディテールをしています。ただシンプルなデザインを求めているのであればDITA等は無駄に高いと言っても良いかもしれません。
BARTON PERREIRAは、OLIVER PEOPLESと似たコンセプトを持っているので、BARTON PERREIRAと比較していきたいと思います。
(似ているのは当然で、BARTON PERREIRAのデザイナー等はOLIVER PEOPLES出身の方なのです)
先に断っておきますが、私はBARTON PERREIRAを物凄く評価しています。それこそOLIVER PEOPLESより好きです。
ただ今回はOLIVER PEOPLESの良さについて書いていきたいと思います。
先ほど述べたようにOLIVER PEOPLESとBARTON PERREIRAは、価格の差が大きいです。シンプルなプラスチック枠で、一万円の差があります。ただ品質はどちらが上なのか・・・
答えはOLIVER PEOPLESです。
(ここでの品質は、壊れにくいと言った点です)
実際に二つのブランドを見ていますが、OLIVER PEOPLESの方が壊れにくいように思います。最もBARTON PERREIRAが弱いのではなく、OLIVER PEOPLESが強いのです。
またBARTON PERREIRAが高いのではなく、OLIVER PEOPLESが安いのです。
「一流ブランドのカテゴリー」で考えるとコストパフォーマンスが高いと言えるのです。
では何故OLIVER PEOPLESは安いのか?
(私の憶測も入ってくるので参考程度にしてください)
① 日本の眼鏡メーカーが大きく関わっている
② 日本は眼鏡が安い
③ 数多く流通している
④ シンプルなデザイン
この辺が原因かと思います。
では順に説明していきます。
① 日本の眼鏡メーカーが大きく関わっている
OLIVER PEOPLESは、日本製であると書いてきました。
他の海外ブランドの日本製とOLIVER PEOPLESの日本製は若干意味合いが異なります。日本に流通しているOLIVER PEOPLESは、日本のあるメーカー(オプテックジャパン)が一手に引き受けています。そのためオプテックジャパン=OLIVER PEOPLESと考えて大きな間違いではありません。(実際私がこの業界に入ったとき、オプテックジャパンが親会社で、OLIVER PEOPLESというブランドを傘下に収めていると勘違いしていました)勘違いするぐらい密接な関係のため、殆ど日本のブランドです。
逆に、他ブランドはこんなイメージです。アメリカブランドが、日本のメーカーに外注しているといったイメージです。そのため生産コストがかさむのです。
② 日本は眼鏡が安い
意外かもしれませんが、日本は眼鏡が安いのです。
(量販店・スリープライスと言った安価な眼鏡は含みません)
一流眼鏡は、日本が安いのです!
海外ブランドが日本に入ってくるとき、この市場に苦労するようです。
なぜ日本は、安いのか。
日本は世界有数の眼鏡産地・鯖江があります。産地が地元にあるため安くできます。また海外ブランドはブランディングなどが巧みのため価値を高めることが得意です。逆に国産ブランドはブランディングが上手くないため品質にふさわしくない安い価格が付いています。
(このようなことは、どのジャンルでもあるかと思います。洋服・靴・キッチン用品など日本の方が、品質が高くても海外ブランドより安いということは多いかと思います。)
そのような安く品質の高い眼鏡が溢れる日本に、品質の低い海外ブランドが自国と同じような高い価格を付けることが出来ないのです。
ただここ何年かで流れが変わってきています。
最近海外ブランドは、年々値上げが行われています。
前述のBARTON PERREIRA、DITAなどは大幅に値上げが行われています。
BARTON PERREIRAが日本に入ってきたときの価格をご存知でしょうか。
答えは「3万円前半」だったのです。
それから7,8年程度で一万円値上がりました。因みにOLIVER PEOPLESは微増です。
ただ値上がりしたBARTON PERREIRAですが、ブランドの本音は「もう少し値上げが必要」なのです。
表向きはコスト高といったことを理由にしていますが、一番の理由はブランディングです。ブランドイメージを大切にしたい一流ブランドは、極力グローバルな視点でブランディングしているため日本だけ安いと言うiことは避けたいのです。そのため定期的に値上げを踏み切っているのです。そのため品質・モデルが同じであっても値段が上がっているのです。結果、OLIVER PEOPLESはよりリーズナブルに感じるのです。
ではOLIVER PEOPLESは、なぜ値上げしないのか?
(ここからは私の推測も入ります)
日本ほどOLIVER PEOPLESはアメリカ本国では高級ブランドとして考えられていないのです。OLIVER PEOPLESは何処でも買える眼鏡と思われているらしいです。(ファッションとは無縁の街の眼鏡屋でも買える眼鏡と言った感じのようです)
日本で流通しているOLIVER PEOPLESは全て日本製になりますが、ただ海外で販売されているOLIVER PEOPLESは、中国製、イタリア製が混じっています。(もちろん偽物という意味ではありません。また日本で流通しているモノにもパーツ製造は、海外製で組み立ては日本製というものもあるかもしれません。)
逆にBARTON PERREIRAは、日本でも海外でも日本製のものしかありません。
逆にBARTON PERREIRAは、高級でファッション感度の高い方が注目するブランドという位置づけです。そのブランドの位置付けも日本での価格に大きく影響しているようにお思います。
また、今の価格に慣れた日本の消費者に急な値上げも難しいのかもしれません。そして今の価格が需要と供給のバランスが取れているのだと思いますし、今の価格でブランド価値を思としていないのも大きいのかと思います。
③ 数多く流通している
これは当たり前かもしれませんが、OLIVER PEOPLESは一流眼鏡としては他を寄せ付けないほど知名度が高いブランドです。(直営店が数多くあることからも想像できるかと思います。他の眼鏡ブランドは、直営店は殆どありません)
それこそ日本では、様々な年齢・性別・マインドの方に人気があります。
数多く作ることが出来れば価格は抑えること出来るのは皆さんご存知かと思います。
④ シンプルなデザイン
これも説明不要な部分かも知れません。
OLIVER PEOPLESはシンプルなデザインが多いです。
そしてシンプルなデザインはコストが掛かりません。
シンプルな眼鏡は、パーツが少ないのです。
モノを作るにおいてパーツが増えるとパーツを作るために型を作る必要があります。その型代がコストに大きく影響してきます。シンプルだとそのコストを抑えることが出来ます。
一つのブランドを見てみると分かりやすいかもしれません。
シンプルなプラスチック枠とコンビネーション枠(もしくはメタル枠)は間違いなく価格に差があります。OLIVER PEOPLESも3万円と4万円と一万円程の差があります。
同一ブランドでの価格に差に疑問を持たれるかもしれませんが、単純にどっちがパーツにお金が掛けているのかなのです。
もっともOLIVER PEOPLESは、型のコストを抑えるためにシンプルにしているわけではないかと思います。OLIVER PEOPLESからシンプルなデザインを取ってしまったら存在価値を失うように思います。
そして③につながりますが、
新しいモデルを作るためにかかった高いコストも数多く作り、かつ売れればコストはすぐに回収できます。そしてOLIVER PEOPLESは、人気が常に高いためどのモデル大変売れています。
規模の小さいブランドだとどの程度売れるかわからないため生産数を制限しなければいけませんし、どの程度売れるかわからないのでリスクを商品の値段に付加せざるを得ません。結果高くなるのです。
また話が長くなりましたので、また後日。
かなり話が脱線したような気がします。