①高品質な良い眼鏡(その五)
海外製の高品質眼鏡
「日本製が一番で、海外はそれ以下」とは限りません。
肩透かしのようで申し訳ございません。
先ほどまで海外製眼鏡の質を酷評してきましたが、全てが悪いわけではありません。
日本製にも劣らない丈夫な眼鏡はあります。
目次
【主なブランド】
具体的なブランドは、LINDBERG、IC!BERLIN、silhouette、MAYKITA、Markus T等です。これ以外にもあるかと思いますが有名どころはこのぐらいです。
〈ic!berlin〉ic! berlin - screwless eyewear
〈silhouette〉シルエットめがね
〈MYKITA〉MYKITA - DESIGNER GLASSES & SUNGLASSES
結構有名なブランドなのでご存知の方も多いかと思います。私もいくつか所有していますが、本当に丈夫な眼鏡です。日本製以上の強度を備えています。そしてなんと言っても軽いです。見た目からもお分かり頂けるかと思います。
【なぜ海外ブランドなのに丈夫で品質が高いのか】
昔ながらの眼鏡は、日本が一番と申し上げました。
日本の眼鏡は、日本人らしい丁寧さと技術力によって作られています。結果品質の高い眼鏡が作られています。
上記海外ブランドは、発明と言っていい革新的な構造により高品質な眼鏡を作り上げました。また新しい構造とは、現在の技術だから作ることができた眼鏡でもあります。
そしてその革新的な構造は、強度、柔軟さ、軽量と全てに秀でたメガネとなっています。
何が革新的なのかと言うと、「溶接無し」「ネジ無し」の2点です。
この二点は、最近よく目にする構造のためご存知の方も多いかと思います。どんなものなのかを整理したいと思います。
「溶接をする眼鏡」と「溶接をしない眼鏡」
通常、眼鏡はパーツとパーツを溶接して作られます。
眼鏡を見て頂ければ、溶接箇所を確認できると思います。この溶接技術が、日本製が飛びぬけて質が素晴らしいです。前回も触れましたが丈夫に(そして綺麗に)溶接されているため、長く愛用できる眼鏡になっています。
では、溶接をしない眼鏡とは。その名の通りパーツの溶接をせずに眼鏡を形成しています。初めて見た方は、驚きの構造をしているかと思います。この革新的な構造は様々な利点を生み出しています。
溶接をしない眼鏡の利点
「眼鏡が壊れる場所はどこか?」
眼鏡が壊れる箇所は、だいたい決まっています。
壊れる箇所で一番多いのは、溶接箇所です。パーツが途中で折れることよりパーツとパーツの接着箇所が取れてしまうことの方が圧倒的に多いのです。
その溶接がないということは弱い箇所が存在しないということになります。
そのため溶接をしていない眼鏡は、大変強いのです。よく上記のブランドを触ると細く薄く作られているために不安がられる方がいます。しかしこの細さは心配する必要はありません。特に上の2ブランド(LINDBERG、ic!berlin)は、折れなくて有名です。右の針金状の細さも驚くほど丈夫なのです。もっと言うと、折ろうとしても中々折れません!!
そもそも「折れる」という問題が多発するのであれば、ブランドも若干太くするはずです。しかし薄く細いままでも問題がないため、この太さを長年続けています。
寧ろ太くすると弊害が生まれます。
弊害というのは、重くなるからではありません。(少し太くしても軽さは損なわれません。というのも元々が凄く軽いから少し太くしても軽さは損なわれません)
弊害というのは、太くすることによって金属の柔軟性が低下してしまうことです。低下することによってフレームが力を逃がすことができません。力を逃せない結果、レンズに力が伝わりレンズの破損に繋がります。またフレームが歪みやすくなってしまいます。
軽くするためだけに細くしたのではなく、丈夫さ今後のことも考えられた太さなのです。
「ネジ無しの利点」
溶接をしないことによって、もう一つの利点「ネジ無し」が可能になります。
ネジを付ける眼鏡は、ネジを入れるためにネジを抑える(受ける)ためのパーツが必要になります。そのパーツは溶接をし付ける必要があります。そして溶接箇所が増えると破損可能性が高くなるのです。
溶接しないブランドは、このネジを使用しないために構造を生み出した言えます。なぜならどのブランドも、通常ネジを使用していた箇所が革新的な構造に進化していることが多いのです。ネジを使用しないことによって、柔軟性が格段に増しています。
あと当たり前のことですが、ネジがないことによってネジが緩みネジが抜け落ちるこちがありません。
今回挙げたブランドによっても差がありますので、次回からはブランド別に良い点悪い点を話ていきたいと思います。
では、また後日。
①高品質な良い眼鏡(その四)
999.9の話で話がそれましたが、元に戻そうかと思います。
「良い眼鏡と安い眼鏡はどう違うの?」
と聞かれることがあります。
良い眼鏡は、丁寧に作られているため品質が高くなります。品質が高い眼鏡は、掛け心地を保ち、仮に崩れても掛け心地を直せる眼鏡です。そして高品質な眼鏡は細部にわたって丁寧に作られています。
では「丁寧に作るとはどういうことなのか」をお教えします。
目次
メタルフレーム編
溶接がしっかりしている
普通のメタルフレームは、パーツパーツを溶接して作られています。その溶接箇所の出来は、品質に大きく関わってきます。見た目では分かりにくいのですが、長く使うためには重要な部分です。
溶接技術は日本製と海外製では大きな差になってきます。(もちろん3プライスショップのものは良くありません)。価格の高い日本製はしっかり溶接されています。逆に価格が高くても外国製の眼鏡の溶接は貧弱です。
溶接が丁寧に行われていなければ、簡単に折れます(厳密に言うと折れるのではなく、ロー離れと言って溶接部分が離れる)。
特にチタン製の差は大きいです。時々、「4万円もしたのに折れた!!」というクレームを聞くことがありますが、海外製では珍しくありません。丈夫だから4万円もしたのではなく、デザインなどの凝り方・インポートだから4万円しているのです。もし仮に店員に「丈夫だから安心してください」と言われたのであれば遠慮なくクレームを言ってください。
色が剥がれにくい
カラーがしっかりしているブランドは、溶接もしっかりしていることが多いです。カラーも溶接も丁寧に時間をかける必要がある工程です。ただ店頭では差が分かりにくい部分です。「外見では分かりにくい部分にも時間を掛ける」いかにも日本人が得意とする工程です。
メタルフレームの場合、色が剥がれると芯がね(シルバー色)が剥き出しになります。カラーフレームの場合、剥がれたところだけシルバーが剥き出しにになるため、かなり汚くなります。最近は、クラシック眼鏡が流行っているため金、銀系のメタルが多いので仮にはがれてもあまり目立ちません。また金銀色は、どのブランドもカラーは比較的強いです。
またカラーは見た目だけではありません。カラーをすることによって金属が剝き出しになりません。金属をコーティングすることによって、金属の劣化を防ぐとともに金属アレルギーなどから守る役割もあります。そのためカラー(メッキ)は、長く使用するという意味で大変重要な役割を担っているのです。
剥がれやすそうなカラーの見極め方として、ペンキで塗ったような厚塗りな感じのものは剥がれやすいことが多いです。またカラフルなフレームも剝がれやすいことが多いです。(一部カラフルでも強いものもありますが、そんなブランドは大変少ないです)
プラスチック編
質の良くないプラスチックは、素材が柔らかい。
通常眼鏡に使われているのはアセテートという素材です。アセテートの中でも硬いものと柔らかいものがあります。柔らかいアセテートを使っていると単純に歪み易く広がり易いです。そのため良い状態をキープすることが難しくなります。
海外ブランドは柔らかいプラスチックを使用していることが多いです。
(特に鮮やかな色のフレーム、ライセンスブランドに使われることが多い)
ブランドも自覚しているため、「バネ蝶番」を使用することがあります。
バネ丁番・・・ネジでつながれている部分が、スプリングによって外側に動く構造。こんな構造です↓
https://www.taiyomegane.com/company/repair/1345/
バネ蝶番の使用により掛け心地(幅の抑えつけ)が押さえつけが弱くなり、楽に感じる方が多いと思います。
ただ一番の理由は、歪み防止・広がり防止です。バネの動きにより力を逃がしてくれるのです。そのため柔らかい素材を使用していても広がりにくくなります。もし柔らかい素材で、バネ丁番なしで作ると簡単にテンプルが広がってしまい、すぐ緩くなってしまいます。
ときどきバネ蝶番は手間が掛かっていると思われますが、むしろ手間をかけないために使用していることが多いのです。
バネ蝶番が仮に素晴らしいパーツであれば、日本のブランドも使うと思います。何故使わないかと言うと、バネ蝶番は故障が起きやすいのです。パーツが増えるため破損する可能性の箇所が増えます。またバネ蝶番には、スプリング等が入ってます。そのスプリングが錆び易いのです。
特に海外ブランドのバネ蝶番は質が良くないものが多いです。またデザインの邪魔にならないように、バネ蝶番を細くしたり交換出来ない構造にする場合もあります。そのためより壊れ易くなっているのに、修理ができない場合もあるのです。
パーツの精度が低い。
特にメタルを使ったパーツの精度が低いです。(プラスチックのメガネでもメタルは使われています)
日本のブランドは一つ一つのパーツの誤差が少ない。
そのため出来上がったパーツをただ組めば完成します。当たり前のことに思われるかもしれませんが、実は当たり前でもないのです。粗悪な海外製はパーツの個体差が大きいため、ただ組んだだけでは綺麗に組み立てられない。いびつなメガネになるため、微調整を行う必要が出てきます。
海外ブランドの中には、酷い場合だと微調整ではすまないこともあります。その場合パーツを大きく削らなければいけません。強度を保つために必要な厚みにしてあるはずのパーツを大きく削る…良いはずがありません。つまり新品のメガネにキズを入れているのです。亀裂を入れられたパーツ・薄くなってしまったパーツ・・・新品なのに既に傷んでいるのです。4、5万円しているブランドで驚愕の品質の悪さなものも見たことがあります。(3プライスより悪い場合も)
見分け方(これで全てが分かるわけではありませんが)。2、3回テンプルを開閉してみてくださいスムーズに開閉できない場合は怪しいです。言葉で伝えにくいのですが、同じ力で開閉しているのに動きが鈍くなるときがあるのが注意です。
またテンプルとフロントをつないでいる丁番の厚みが均等でないものも注意してください。フロントとテンプルの繋ぎ目に使われていてネジが通っているパーツです。
通常3枚~5枚(横から見たときの板の数)使われていますが、この一枚一枚が平行に走っていないものが時々あります。
精度が悪い眼鏡ブランドは、パーツが交換できません(珍しくありません)。なんだかの理由でパーツを交換しなければいけない時、誤差が大きいため交換ができないのです。壊れたら終わりだと思っていた方が良いかと思います。
海外ブランドでも日本に入ってきて10年以上続いているブランドをお勧めします。そういったブランドはある程度の精度は保たれています。(それでも日本製には劣りますが)
その事実を知った上での購入をお勧めします。
ではまた後日
①高品質な良い眼鏡(その三)
そもそも眼鏡の高品質とは何か?
ただその前に勘違いしている方が多い点がありますので整理しておきます。
目次
高品質=掛け心地が良いと勘違いしている方がいます。
高品質=掛け心地が良いと言うのは、半分正解と言った感じです。
高品質なブランドでなくても掛け心地は良くなります。
掛け心地が悪いのは眼鏡のせいではなく、眼鏡販売員の腕が悪いのです。掛け心地が良いか悪いかは販売員の力量に大きく関わってきます。高品質なモノを置いてある眼鏡店は、販売員の技術力が高いことが多いため掛け心地が良いのです。
(もちろん海外ブランドの一部に調整しても掛け心地が悪いものはあるので注意を。このことも後日説明します)
眼鏡は靴と違います。
販売員の力量で掛け心地は、大きな差が生まれます。
どちらかと言うと、仕立て屋さんのような感じです。
もし眼鏡の掛け心地は、店頭に置いてある状態の掛け心地で決まると思いこんでいる方がいましたら、良い眼鏡を掛けているかもしれませんが良い眼鏡屋を利用していないのだと思います。
「高品質=掛け心地が良い」は、言葉足らずで「高品質=掛け心地が良い状態を保ち続ける」と言うのが正しく。また「高品質=歪んでも元の状態に戻せる」のが高品質な眼鏡なのです。(調整できるブランド、歪みを直せるブランドについても後日)
凄いが初心者向けの999.9
日本のブランドに999.9というブランドがあります。
ご存知の方も多いかと思います。日本を代表するブランドの一つです。
このブランドは「掛け心地が良い」とよく言われます。間違いではないかもしれません(実際にそう感じている方がいるので)。ただこれも言葉足らずで「調整をしなくても掛け心地が良い」と言うのが正しいです。
そもそも999.9は「店頭に置いてある状態で掛け心地が良いように」と言うのが一つのコンセプトにあります。
創業者の方(今はブランドから離れています)は、“実際に店頭で掛け心地が良い眼鏡が売れている事実”に気が付きました。
眼鏡店にとって眼鏡は、調整することを前提にしていたため、未調整の状態で掛け心地が悪くてもそこまで気にしていませんでした(恐らく今でも)。
ズボンを買うとき、
殆どの人が裾直しを前提に考えズボンを選択すると思います。そのため、店頭のズボンは長めに設定されているかと思います。これは裾を直せることを知っているから問題がありません。長いから購入をやめるということはしないかと思います。
仮に裾直しができると大半の人が知らないならそうはいきません。皆自分の長さに極力合うものを探すはずです。そしてブランドも日本人の平均値を取り平均的な合いそうなサイズにしていると思います。
眼鏡は残念ながら調整をできることを知らない人が多いです(もしくは知っていても低いレベルの調整技術しか知らない)。
その事実に気付いた創業者は、999.9設立にあたって重視した部分が「未調整でも掛け心地が良い」という部分だったのです。このことは、雑誌のインタビューで本人が実際に語っています。
この戦略がはまり今の999.9を作ったと言っても過言ではありません。
999.9は革新的と言っていい切り口で始まったブランドなのです。999.9は良さは、未調整の状態で7割合っていることです。ただ独特なパーツを使っているため、調整をしっかり行っても100点な掛け心地にはならないことが多い眼鏡です。実際、眼鏡屋が見れば「何故これ?」(使っている理由はわかるけど…)「これじゃ100点にはならないな」ってパーツを使っています。
そのせいか
私の経験上、眼鏡販売員自身が実際に掛けていることは少ないです。本当に掛け心地が良ければ販売員もかけます。特に年配の販売員やファッションに興味ない販売員はかけているはずです。ただかけている販売員は殆ど見たことがありません。
もっと言うと999.9の眼鏡を掛けてるのが恥ずかしい気持ちにもなります。
また昔から眼鏡を掛けている人(特に眼鏡にお金を掛けれる方)の支持は低いように感じます。なぜなら昔からちゃんと調整をしてもらっているため、100点の調整を知っている。そのため自分が見た目で気に入った眼鏡を選んで良いことを知っているのです。
ただ富裕層のかたでも40歳を超えて眼鏡を掛け出した方には、999.9ファンの方は多いように感じます。経験値がないため雑誌の情報・店頭での掛け心地に惹かれるのでしょう。ただそのような方でも眼鏡のことを知り経験値を上げると他ブランドに流れるケースを良く見受けられます。実際、私の顧客様でも数多くいらっしゃいます。
下記の流れに感じです。
客「999.9の眼鏡ある?」
私「無いですが、何故?」
客「掛け心地が良いから!」
私「他のブランドでも掛け心地良くなりますよ」
客「えっ!?…
本当だ。これなら999.9じゃなくて良いや。」
(もちろんもっと段階は踏んでますがこんな感じです)
こんなやりとりは良くあります。多分どの店舗であるのではないかと思います。
もちろん999.9の未調整の状態で7割合うというのは凄いことです。その構造を見つけたことは、大変素晴らしいことかと思います。
今までの既成概念を打ち破ったアプローチ
まとめ
話は少々ずれましたが、私が言いたいのは、眼鏡は調整をする前提で作られているということです。一から作るわけではありませんが、仕立て屋さんのような技術が必要なのです。店頭の眼鏡を掛けて掛け心地が悪いと言っているのは、仕立て屋さんで洋服のサンプルを着てサイズが合っていないと文句を言っているようなものなのです。サイズを測り丁寧な調整で仕立てていくのが眼鏡屋の役割なのです。
もっとも情報・技術を提供できている眼鏡屋が少ないため、誤った状態になっているのかもしれません。
中には掛け心地を直せない眼鏡もあります。
そのことはまた後日。
①高品質な良い眼鏡(その二)
「丈夫な眼鏡」その二
1、海外製の眼鏡について
(前回同様、丈夫さに重きを置いた品質について)
前回、日本製の眼鏡について書きました。
では今回は海外ブランドについて。
「海外ブランドの品質」
ここで言う海外ブランド=海外製とします。
なぜこの前提条件を作るかというと、海外ブランド=日本製というブランドもあるからです。品質を大事にする海外ブランドは、日本製であることが多いのです。元々デザインの拘りが強かった上に、品質にも拘るので高価格になることが多く4万円~7万円ぐらいします。
「日本製眼鏡と同じ作り方をしているものは、絶対に日本製より劣っています」
「日本製眼鏡と同じ作り方」・・・昔ながらの眼鏡です(下リンク参照)
http://www.masunaga1905.jp/collection/search.html#
長く業界に携わってきましたが、日本製を超えた眼鏡を見たことがありません。絶対に超えられない差があります。そのため海外ブランドだが、製造は日本というブランドが多いのです。 特にアメリカのラグジュアリーブランド
(THOM BROWNE、DITA、BARTON PERREIRA・・・挙げればきりがありません)
アメリカには資本主義、効率化の波に負け眼鏡工場が殆ど残っていません。そのため海外に生産の場を探さなければいけません。そして高品質なものを作れる工場を探すと日本の工場にたどり着くのです。
もしアメリカブランドで日本製でないものを見つけたら品質を疑ってみてください。中国製などの可能性が高いです。また金額が安いのは要注意です。インポートものが安く手に入るだけで怪しいです。
「ここで注意点」
①made in Japanという表記も鵜呑みにしてはいけません!
信じられないかもしれませんが、
最初から最後まで日本製造でなくてもmade in Japanと表記されているメガネはあります!
パーツの製造は海外(中国が多い)で行い→「組み立て」「仕上げ」は日本で行う。それって中国製じゃないかって思うかもしれませんが、最終工程が日本であれば良いようです。凄くグレーな感じですがルール違反ではありません。服飾業界も同様なようですし、魚介類も水揚げ地が産地として記載されるぐらいなので日本では当たり前なのかもしれません。
もちろんこれはイタリア製、フランス製等にも同じことが言えます。全てがイタリア、フランスで行われず組み立てだけが行われている可能性があります。
ここを疑うとキリがないですが、やはり価格は大きな目安になるかと思います。インポートで3万円前後は怪しいです。
また全て日本で製造しているブランドは、「全て日本製造」ということを強調していることが多いです。ただ当たり前ですが全て日本製の海外ブランドは、4万円越えが多いです。
②ラグジュアリーブランドでも眼鏡の質は信じるな!
服・バッグ等のクオリティで有名になったブランドは、眼鏡を自分たちで作っていません。そもそも眼鏡工場を持っているはずがありません。そのため大きく分けて二通りの方法で作られています。
1、イタリアの超大手眼鏡メーカーが旬なものを大量に作っている(ライセンス)
有名ブランドの多く(50ブランド以上)が、限られた大手眼鏡メーカーで作られています(大手眼鏡メーカーと言えるのは4社程度)。
この限られた大手眼鏡メーカーが、旬な時期に旬なモデルを大量に作っています(特にサングラス)。中には凝ったクラフトマンシップ溢れるモデルや、質を重視した眼鏡などもあります。ただ多くのモデルは安価な大量生産品が多いように感じます。この大量生産のモデル(サングラス)は、質が悪いのに価格は高いので、高品質なものをブランドに求めている方は避けた方が良いと思います。
2、人気・有名眼鏡ブランドとコラボレーションして作っている。
ここで言う「人気・有名眼鏡ブランド」と上の「大手眼鏡メーカー」の大きな違いは、オリジナルブランドを持っているかいないかの違いです。「大手眼鏡メーカー」はライセンスのみしか作っておらず、「人気・有名眼鏡ブランド」は自前の人気ブランドを持っています。
コラボして眼鏡を作るアパレルブランドは、眼鏡に対して拘りが強く、自分たちの服に合うようものを作りたいという気持ちが強いブランドです。そのため技術力があり高品質な眼鏡を作れるメーカーを探しています。そして自分たちの要求に答えてくれる人気眼鏡メーカーとコラボするのです。そのため「どこと提携して作っている」と発表していることが多いです。それだけで質の裏付けとなります。
コラボで作っているアパレルブランド・・THOM BROWNE、MAISON MARGIELA など
2、海外ハンドメイド
ハンドメイドと聞くと高品質なものと想像される方が多いかもしれません。確かに靴、バッグ、時計などは「海外ハンドメイド=高品質」と言っていいのかもしれません。実際、私も海外ハンドメイドアイテムを多く所持しています。
しかし眼鏡に関していうと海外ハンドメイド≠高品質です。むしろ質は低いと思います。
ヨーロッパブランドの場合、イタリア・フランス製のことが多いように思います。ブランドのカタログ・HPを見ると熟練の職人が時間を掛けて作っているといった謳い文句をよく見ます。時間を掛けているのは本当かもしれませんが、はっきり言って質は悪いです。
中には驚くほど質の悪いブランドで、4~5万円の値が付いていることもあります。特に金属フレームの質は驚くほど低いです。
具体名は避けさせて頂きますが、4万円を超える老舗ブランドでも質は国産の1万円台のものより低いんじゃないか!?ってものもあります。(丈夫さって観点で)
その老舗ブランドは、一時休止していて比較的最近(10年前ぐらい)再始動したブランドです。質をうたっていますが、看板に偽りありです。そもそも一度産業が死んだ地域で再始動しているので、質が良いはずがありません。産業は一度死んだら復活は難しい典型のように感じます。
ではなぜそのようなブランドが人気なのか。やはりデザイン力とブランディングです。これにつきます。ただ一つ言わせてください海外製は質が低いです。その低さを知った上での購入をお薦めします。
そもそもヨーロッパの職人と日本の職人のレベルは同じではありません!!ヨーロッパの職人という言葉に騙されないでください。
お店の人に聞いても、恐らく微妙な反応をすると思います。
多分高品質とは答えません。
「昔の雰囲気を大切にしている」「味がある」「高級感がある」丈夫とは言いません。
もし「昔から丈夫で有名です!」と言ってきたら、その店(その販売員)は、無知か悪い人間です。
老舗という言葉で老舗=高品質とミスリードを誘っているのです。海外製眼鏡は、取り敢えず疑ってみてください。
例えばドイツも物作りで有名な国だと思いますが、ドイツには昔ながらの工場は殆どなくなっています。大変有名な(であった)ローデンストックも今はドイツで作っていません。
今のドイツ製眼鏡は、近代的な作りかたをしているブランドだけです。老舗ではなく革新的な作りのブランドです。結局、高品質な昔ながらの眼鏡は、日本技術力に淘汰され残っていないのです。
①高品質な良い眼鏡(その一)
まずこの項目から。
第一に思い浮かぶ大事な項目かと思います。
「高品質な眼鏡」を細分化し説明していきます。
(長くなりそうなので何回かに分けて投稿します)
その一 「丈夫な眼鏡」
簡単に言うと壊れない眼鏡といっていいかもしれません。
(因みに丈夫ではないが良いメガネもあります。「そんなのあるの?」と思うかもしれませんが実際にあります。良いジャンルが違うのです。このことは別の機会で)
品質が良く丈夫なメガネ。
ではどう見極めるか。
これは大変です。
大体のものは、プロが見ればすぐわかります。
(粗悪品なら少し詳しい方なら見分けられます)
ただプロでも気付けない微妙なクオリティのものもあります。
それこそ店で取り扱いをしてから気付くこともあります。
そんなメガネの質を見極めるのに、素人の方にはほぼ不可能です。
なので目利きでなくても見極められるポイントをお教えします。
(経験などによって培うことができる目利きポイントではなく、素人の方でも参考にしやすいポイントに絞りたいと思います)
1、日本製の眼鏡
日本製=高品質。
ほぼ正解かと思います。
これだけでは、ここで書く意味もないのでここからがPOINTです。
日本製でも注意したほうが良いPOINT
低価格なもの。
最近、低価格な店・ブランドでも日本製=高品質を売りにしています。
皆さん本当に高品質だと思いますか?
全てが高品質な訳がありません。
そもそも国産で2万円を切る眼鏡は少し疑った方がよい。
企業努力で抑えているというブランドもあるかと思いますが、殆どはどこかをケチっています。つまり妥協をしているか、下請けをたたいてコストを安くしている可能性があります。そのような企業風土を持つメーカーと良いものを作ろうという理念は水と油です。
広告等にお金を掛けず、安く良いものを作るブランドはあります。
ただ良いものを作ろうとしたとき、ケチられない部分が絶対にあります。その結果、2万円は超えてしまう現実があります。
確かに企業努力により価格はある程度抑えることは可能です。ただ企業努力云々と言っている企業ほど広告にお金を掛けていたりします…「作る」過程に力を向けているとは思えません。
*注意
2万円と設定しましたが、2万円を切っても良い眼鏡はあります。
「ただ条件として約10年以上前から作られているもの」
なぜ10年かというと、眼鏡は10年ぐらい前から値上り続けてます。その安かった時代から作り続けている眼鏡は、安いことが多々あります。もし今、新作としてリリースされたら二万円を超えるような商品なのです。日本企業(特に小さいメーカー)は良心的なのか、そのような10年前の商品を値上げすることも少ないです。
ただ10年前の商品なのでデザインが・・・古いです。その古いデザインが好きな方にはお勧めです。
2、高品質な眼鏡は、どの眼鏡店が扱っているか?
「高品質=壊れない眼鏡」としたとき、このジャンルに一番強いのは老舗(高級)眼鏡店かと思います。そのような眼鏡店は、百貨店にも入っています。百貨店を愛用している方を想像してみてください。「高所得者」「高サービス」「高品質なもの」を知っている、「こだわり(わがまま)が強い」「ブランドものが好き」…こんなところかと思います。
そんな方にすすめる商品に一番必要な要素は、やはり品質です。高品質(高価格)なもの提案しなければいけないというよりは、クレームになりそうな商品はすすめられないからです。そのため老舗眼鏡店の眼鏡は、品質が高いものが多いです。もしくはアフターケア(修理対応)がしっかりしています。また、メーカー・代理店がちゃんとした企業であることが多いです。高品質のものを求める方は、多かれ少なかれ安心を求めている方です。高品質=安心を売っていると言っても良いかもしれません。
ただその弊害として、新しいブランドの仕入れが遅かったり、新しいルート(新規代理店等)を作らなかったりするため商品の鮮度は遅いことが多い。また似通った商品も多くなってしまいます。これは洋服の世界でもいえるかもしれませんが、そのような商品展開に物足りなく感じた消費者は、セレクトショップといった形態の店舗に流れている現状があるかと思います。
もし気に入った商品があった場合、どこで取り扱われているかを確認するのも良い方法かと思います。
3、眼鏡販売員への品質に対しての質問の仕方
良い眼鏡を買う時、皆さんどこで買いますか?
大体の方が実店舗で買うと答えるのではないでしょうか。
(眼鏡は他のフアッションアイテムと違い通販が定着していません)
では眼鏡販売員に
「日本の高品質な眼鏡はどれですか?」
と聞きますか。
絶対にダメです!
販売員はあくまで店側の人間です。あなたの友達ではありません。
店側の都合が入ってきます。その都合のもとに薦められてしまいます。
私のアドバイス(私がこう聞かれたら、適当なことは言えないなと身構えます)
以下のように聞いてください。(もちろん真実の必要はありません)
「前の眼鏡は10年近く使っていたけど、今回もそれぐらい使いたい。そんなのが欲しいのですが?」
〈身構えるPOINT〉
眼鏡は10年持つほうが珍しいのです。
高い眼鏡なのだから10年持つと思っている方がいるのですが、それは期待しすぎです。はっきり言って5年持てば良く使ったと思ってください。
ただ10年持つ可能性も0%ではない・・・
もしお客様に10年持ったと言われてしまうと
店の中でも品質の良い眼鏡を薦めるしかありません。
「仲の良い友人に増永眼鏡の眼鏡を薦められたのだがありますか?品質が良いと聞いたのですが。もしなければ似たものが欲しいです。」
〈身構えるPOINT〉
増永眼鏡株式会社とは、凄く老舗(100年以上)で超有名会社。眼鏡業界で知らない人はいない会社です。
品質の高さも世界で一目置かれ、有名ブランドのOEMも行っているし、自前のブランドも有名。最近ではデザイン面も優秀なものが多く、日本眼鏡業界を引っ張る会社です。
このブランドを薦めてくる友人が近くにいると思うと下手なブランドは薦めにくい。
このお客さんは購入した後、その友人にお披露目するに違いないからです。
「増永眼鏡」のところは違うブランドでも良いが、意外と相応しいブランドは少ない。本当に品質とファッションと知名度のバランスが良い。
仮に品質だけのブランドを挙げてしまうと、凄くダサいものを薦められるかもないので注意。
ではまた後日。
良い眼鏡の見極め方(初めに)
「良い眼鏡とは」
そもそも良い眼鏡ってなんでしょうか?
まず沢山ある良い眼鏡を整理していきます。
なぜなら眼鏡は医療器具・必需品・ファッションアイテム・ビジネスツールといろんな側面があるため良い眼鏡のジャンルも様々です。
大きく分けると以下のようなジャンルに分かれるかと思います。
(もちろん複数に当てはまる眼鏡もございます)
① 機能性の高い高品質な眼鏡
② ファッション感度が高い眼鏡
③ 意匠(ディテール)にこだわった眼鏡
④ デザイン性の高い眼鏡
⑤ 希少性の高い眼鏡(販売数の少ない眼鏡)
⑥ 貴重な素材を使用している眼鏡
大きく分けても6つに分かれました。
この6つ全てを兼ね備えた眼鏡はありません。
あったとしたらそれは特定ブランドを熱狂的に支持している信者の方の思い込みかと思います。
補足
①、一番イメージしやすいかもしれません。丈夫・軽量・掛け心地の良い眼鏡
②、ファッション誌に出てくることが多い眼鏡。洋服と呼応している眼鏡
③、モノが好きな方に好まれる眼鏡。蘊蓄満載な眼鏡です。
④、②と違い眼鏡そのものが独自性・奇抜さ・インパクトがある眼鏡
⑤、生産数、販売時期等を限定している眼鏡。
⑥、べっ甲、金、バッファローホーン等を使用した高価格な眼鏡。
この6項目を順番に説明していきます。
ではまた後日。
「眼鏡のこと」についてのブログを始めます。
「良い眼鏡を教えて」
眼鏡を探している方は、この答えが知りたいのではないでしょうか。
凄くアバウトな質問ですが、私は良く質問をされます。
私も無知な分野のことを詳しい方に質問するとき、凄くアバウトな聞き方をしてしまいます。例えば、「いいパソコンは?」「よい家電は?」「よいレストランは?」…詳しくないと的確な質問すら出来ません。
こんな質問をされると「えっ」といったリアクションをしてしまうのではないでしょうか?詳しい人は「あなたはどんな時に使うの?」「あなたはどのレベルまで必要なの?」って思っているはずです。
皆さんもアバウトな質問する側、質問される側になったことはあるかと思います。
聞いてきた方が友人等で、趣味趣向・職業などが知ってていれば的確なアドバイスができる自信はあります。ただ何も知らない状態で唐突に聞かれると物凄く困ります。
良い眼鏡って多分日本市場だけでも150ブランド以上あると思います。
結局、『あなたにとって』良いもの見つけるのが凄く難しいのです。
雑誌等で最近は眼鏡指南の特集を組まれることがよくありますが、あれを見ただけで良い眼鏡を見つけられる人は殆どいないでしょう。それで見つけられようなセンスの高い方であれば、その特集を見る必要はなかったかと思います。そもそもそんな方は、特集を参考にしていないかと思います。
そもそも雑誌を盲目に信じることは大変危険です。
雑誌=第三者によるものではありません。
多くの雑誌が広告主がいて初めて成り立つものが殆どです。
(中には部数<広告料で成り立っているのが見え見えな雑誌もあるくらいです)
つまり広告主=「眼鏡ブランド」「販売店」の意向にあった記事が掲載されるのです。
今人気朝ドラ「とと姉ちゃん」に通じるところかもしれません。
広告を載せると自由な記事が書けないのです
その雑誌の内容を信じて眼鏡選びをするのは、大変危険なのです。
しかし雑誌の内容を第一に考えている方が、未だに多いのも事実です。
情報過多・商品量飽和状態の眼鏡業界において眼鏡難民が多く存在しているという現実があります。
そんな眼鏡難民の方に良い眼鏡を見つけられる手伝いができればと思い、今回ブログを始めることにしました。
最後にこのブログの管理人kotonoのプロフィールを少し。
キャリア15年程度の現役眼鏡販売員です。
都内を中心に老舗メガネ店、有名セレクトショップ等でキャリアを積んできました。
匿名でやってますので雑誌、眼鏡店では中々言えないようなことも伝えていきます。
次回からは少しずつ具体的な内容にしていきたいかと思います。