①高品質な良い眼鏡(その二)
「丈夫な眼鏡」その二
1、海外製の眼鏡について
(前回同様、丈夫さに重きを置いた品質について)
前回、日本製の眼鏡について書きました。
では今回は海外ブランドについて。
「海外ブランドの品質」
ここで言う海外ブランド=海外製とします。
なぜこの前提条件を作るかというと、海外ブランド=日本製というブランドもあるからです。品質を大事にする海外ブランドは、日本製であることが多いのです。元々デザインの拘りが強かった上に、品質にも拘るので高価格になることが多く4万円~7万円ぐらいします。
「日本製眼鏡と同じ作り方をしているものは、絶対に日本製より劣っています」
「日本製眼鏡と同じ作り方」・・・昔ながらの眼鏡です(下リンク参照)
http://www.masunaga1905.jp/collection/search.html#
長く業界に携わってきましたが、日本製を超えた眼鏡を見たことがありません。絶対に超えられない差があります。そのため海外ブランドだが、製造は日本というブランドが多いのです。 特にアメリカのラグジュアリーブランド
(THOM BROWNE、DITA、BARTON PERREIRA・・・挙げればきりがありません)
アメリカには資本主義、効率化の波に負け眼鏡工場が殆ど残っていません。そのため海外に生産の場を探さなければいけません。そして高品質なものを作れる工場を探すと日本の工場にたどり着くのです。
もしアメリカブランドで日本製でないものを見つけたら品質を疑ってみてください。中国製などの可能性が高いです。また金額が安いのは要注意です。インポートものが安く手に入るだけで怪しいです。
「ここで注意点」
①made in Japanという表記も鵜呑みにしてはいけません!
信じられないかもしれませんが、
最初から最後まで日本製造でなくてもmade in Japanと表記されているメガネはあります!
パーツの製造は海外(中国が多い)で行い→「組み立て」「仕上げ」は日本で行う。それって中国製じゃないかって思うかもしれませんが、最終工程が日本であれば良いようです。凄くグレーな感じですがルール違反ではありません。服飾業界も同様なようですし、魚介類も水揚げ地が産地として記載されるぐらいなので日本では当たり前なのかもしれません。
もちろんこれはイタリア製、フランス製等にも同じことが言えます。全てがイタリア、フランスで行われず組み立てだけが行われている可能性があります。
ここを疑うとキリがないですが、やはり価格は大きな目安になるかと思います。インポートで3万円前後は怪しいです。
また全て日本で製造しているブランドは、「全て日本製造」ということを強調していることが多いです。ただ当たり前ですが全て日本製の海外ブランドは、4万円越えが多いです。
②ラグジュアリーブランドでも眼鏡の質は信じるな!
服・バッグ等のクオリティで有名になったブランドは、眼鏡を自分たちで作っていません。そもそも眼鏡工場を持っているはずがありません。そのため大きく分けて二通りの方法で作られています。
1、イタリアの超大手眼鏡メーカーが旬なものを大量に作っている(ライセンス)
有名ブランドの多く(50ブランド以上)が、限られた大手眼鏡メーカーで作られています(大手眼鏡メーカーと言えるのは4社程度)。
この限られた大手眼鏡メーカーが、旬な時期に旬なモデルを大量に作っています(特にサングラス)。中には凝ったクラフトマンシップ溢れるモデルや、質を重視した眼鏡などもあります。ただ多くのモデルは安価な大量生産品が多いように感じます。この大量生産のモデル(サングラス)は、質が悪いのに価格は高いので、高品質なものをブランドに求めている方は避けた方が良いと思います。
2、人気・有名眼鏡ブランドとコラボレーションして作っている。
ここで言う「人気・有名眼鏡ブランド」と上の「大手眼鏡メーカー」の大きな違いは、オリジナルブランドを持っているかいないかの違いです。「大手眼鏡メーカー」はライセンスのみしか作っておらず、「人気・有名眼鏡ブランド」は自前の人気ブランドを持っています。
コラボして眼鏡を作るアパレルブランドは、眼鏡に対して拘りが強く、自分たちの服に合うようものを作りたいという気持ちが強いブランドです。そのため技術力があり高品質な眼鏡を作れるメーカーを探しています。そして自分たちの要求に答えてくれる人気眼鏡メーカーとコラボするのです。そのため「どこと提携して作っている」と発表していることが多いです。それだけで質の裏付けとなります。
コラボで作っているアパレルブランド・・THOM BROWNE、MAISON MARGIELA など
2、海外ハンドメイド
ハンドメイドと聞くと高品質なものと想像される方が多いかもしれません。確かに靴、バッグ、時計などは「海外ハンドメイド=高品質」と言っていいのかもしれません。実際、私も海外ハンドメイドアイテムを多く所持しています。
しかし眼鏡に関していうと海外ハンドメイド≠高品質です。むしろ質は低いと思います。
ヨーロッパブランドの場合、イタリア・フランス製のことが多いように思います。ブランドのカタログ・HPを見ると熟練の職人が時間を掛けて作っているといった謳い文句をよく見ます。時間を掛けているのは本当かもしれませんが、はっきり言って質は悪いです。
中には驚くほど質の悪いブランドで、4~5万円の値が付いていることもあります。特に金属フレームの質は驚くほど低いです。
具体名は避けさせて頂きますが、4万円を超える老舗ブランドでも質は国産の1万円台のものより低いんじゃないか!?ってものもあります。(丈夫さって観点で)
その老舗ブランドは、一時休止していて比較的最近(10年前ぐらい)再始動したブランドです。質をうたっていますが、看板に偽りありです。そもそも一度産業が死んだ地域で再始動しているので、質が良いはずがありません。産業は一度死んだら復活は難しい典型のように感じます。
ではなぜそのようなブランドが人気なのか。やはりデザイン力とブランディングです。これにつきます。ただ一つ言わせてください海外製は質が低いです。その低さを知った上での購入をお薦めします。
そもそもヨーロッパの職人と日本の職人のレベルは同じではありません!!ヨーロッパの職人という言葉に騙されないでください。
お店の人に聞いても、恐らく微妙な反応をすると思います。
多分高品質とは答えません。
「昔の雰囲気を大切にしている」「味がある」「高級感がある」丈夫とは言いません。
もし「昔から丈夫で有名です!」と言ってきたら、その店(その販売員)は、無知か悪い人間です。
老舗という言葉で老舗=高品質とミスリードを誘っているのです。海外製眼鏡は、取り敢えず疑ってみてください。
例えばドイツも物作りで有名な国だと思いますが、ドイツには昔ながらの工場は殆どなくなっています。大変有名な(であった)ローデンストックも今はドイツで作っていません。
今のドイツ製眼鏡は、近代的な作りかたをしているブランドだけです。老舗ではなく革新的な作りのブランドです。結局、高品質な昔ながらの眼鏡は、日本技術力に淘汰され残っていないのです。
①高品質な良い眼鏡(その一)
まずこの項目から。
第一に思い浮かぶ大事な項目かと思います。
「高品質な眼鏡」を細分化し説明していきます。
(長くなりそうなので何回かに分けて投稿します)
その一 「丈夫な眼鏡」
簡単に言うと壊れない眼鏡といっていいかもしれません。
(因みに丈夫ではないが良いメガネもあります。「そんなのあるの?」と思うかもしれませんが実際にあります。良いジャンルが違うのです。このことは別の機会で)
品質が良く丈夫なメガネ。
ではどう見極めるか。
これは大変です。
大体のものは、プロが見ればすぐわかります。
(粗悪品なら少し詳しい方なら見分けられます)
ただプロでも気付けない微妙なクオリティのものもあります。
それこそ店で取り扱いをしてから気付くこともあります。
そんなメガネの質を見極めるのに、素人の方にはほぼ不可能です。
なので目利きでなくても見極められるポイントをお教えします。
(経験などによって培うことができる目利きポイントではなく、素人の方でも参考にしやすいポイントに絞りたいと思います)
1、日本製の眼鏡
日本製=高品質。
ほぼ正解かと思います。
これだけでは、ここで書く意味もないのでここからがPOINTです。
日本製でも注意したほうが良いPOINT
低価格なもの。
最近、低価格な店・ブランドでも日本製=高品質を売りにしています。
皆さん本当に高品質だと思いますか?
全てが高品質な訳がありません。
そもそも国産で2万円を切る眼鏡は少し疑った方がよい。
企業努力で抑えているというブランドもあるかと思いますが、殆どはどこかをケチっています。つまり妥協をしているか、下請けをたたいてコストを安くしている可能性があります。そのような企業風土を持つメーカーと良いものを作ろうという理念は水と油です。
広告等にお金を掛けず、安く良いものを作るブランドはあります。
ただ良いものを作ろうとしたとき、ケチられない部分が絶対にあります。その結果、2万円は超えてしまう現実があります。
確かに企業努力により価格はある程度抑えることは可能です。ただ企業努力云々と言っている企業ほど広告にお金を掛けていたりします…「作る」過程に力を向けているとは思えません。
*注意
2万円と設定しましたが、2万円を切っても良い眼鏡はあります。
「ただ条件として約10年以上前から作られているもの」
なぜ10年かというと、眼鏡は10年ぐらい前から値上り続けてます。その安かった時代から作り続けている眼鏡は、安いことが多々あります。もし今、新作としてリリースされたら二万円を超えるような商品なのです。日本企業(特に小さいメーカー)は良心的なのか、そのような10年前の商品を値上げすることも少ないです。
ただ10年前の商品なのでデザインが・・・古いです。その古いデザインが好きな方にはお勧めです。
2、高品質な眼鏡は、どの眼鏡店が扱っているか?
「高品質=壊れない眼鏡」としたとき、このジャンルに一番強いのは老舗(高級)眼鏡店かと思います。そのような眼鏡店は、百貨店にも入っています。百貨店を愛用している方を想像してみてください。「高所得者」「高サービス」「高品質なもの」を知っている、「こだわり(わがまま)が強い」「ブランドものが好き」…こんなところかと思います。
そんな方にすすめる商品に一番必要な要素は、やはり品質です。高品質(高価格)なもの提案しなければいけないというよりは、クレームになりそうな商品はすすめられないからです。そのため老舗眼鏡店の眼鏡は、品質が高いものが多いです。もしくはアフターケア(修理対応)がしっかりしています。また、メーカー・代理店がちゃんとした企業であることが多いです。高品質のものを求める方は、多かれ少なかれ安心を求めている方です。高品質=安心を売っていると言っても良いかもしれません。
ただその弊害として、新しいブランドの仕入れが遅かったり、新しいルート(新規代理店等)を作らなかったりするため商品の鮮度は遅いことが多い。また似通った商品も多くなってしまいます。これは洋服の世界でもいえるかもしれませんが、そのような商品展開に物足りなく感じた消費者は、セレクトショップといった形態の店舗に流れている現状があるかと思います。
もし気に入った商品があった場合、どこで取り扱われているかを確認するのも良い方法かと思います。
3、眼鏡販売員への品質に対しての質問の仕方
良い眼鏡を買う時、皆さんどこで買いますか?
大体の方が実店舗で買うと答えるのではないでしょうか。
(眼鏡は他のフアッションアイテムと違い通販が定着していません)
では眼鏡販売員に
「日本の高品質な眼鏡はどれですか?」
と聞きますか。
絶対にダメです!
販売員はあくまで店側の人間です。あなたの友達ではありません。
店側の都合が入ってきます。その都合のもとに薦められてしまいます。
私のアドバイス(私がこう聞かれたら、適当なことは言えないなと身構えます)
以下のように聞いてください。(もちろん真実の必要はありません)
「前の眼鏡は10年近く使っていたけど、今回もそれぐらい使いたい。そんなのが欲しいのですが?」
〈身構えるPOINT〉
眼鏡は10年持つほうが珍しいのです。
高い眼鏡なのだから10年持つと思っている方がいるのですが、それは期待しすぎです。はっきり言って5年持てば良く使ったと思ってください。
ただ10年持つ可能性も0%ではない・・・
もしお客様に10年持ったと言われてしまうと
店の中でも品質の良い眼鏡を薦めるしかありません。
「仲の良い友人に増永眼鏡の眼鏡を薦められたのだがありますか?品質が良いと聞いたのですが。もしなければ似たものが欲しいです。」
〈身構えるPOINT〉
増永眼鏡株式会社とは、凄く老舗(100年以上)で超有名会社。眼鏡業界で知らない人はいない会社です。
品質の高さも世界で一目置かれ、有名ブランドのOEMも行っているし、自前のブランドも有名。最近ではデザイン面も優秀なものが多く、日本眼鏡業界を引っ張る会社です。
このブランドを薦めてくる友人が近くにいると思うと下手なブランドは薦めにくい。
このお客さんは購入した後、その友人にお披露目するに違いないからです。
「増永眼鏡」のところは違うブランドでも良いが、意外と相応しいブランドは少ない。本当に品質とファッションと知名度のバランスが良い。
仮に品質だけのブランドを挙げてしまうと、凄くダサいものを薦められるかもないので注意。
ではまた後日。
良い眼鏡の見極め方(初めに)
「良い眼鏡とは」
そもそも良い眼鏡ってなんでしょうか?
まず沢山ある良い眼鏡を整理していきます。
なぜなら眼鏡は医療器具・必需品・ファッションアイテム・ビジネスツールといろんな側面があるため良い眼鏡のジャンルも様々です。
大きく分けると以下のようなジャンルに分かれるかと思います。
(もちろん複数に当てはまる眼鏡もございます)
① 機能性の高い高品質な眼鏡
② ファッション感度が高い眼鏡
③ 意匠(ディテール)にこだわった眼鏡
④ デザイン性の高い眼鏡
⑤ 希少性の高い眼鏡(販売数の少ない眼鏡)
⑥ 貴重な素材を使用している眼鏡
大きく分けても6つに分かれました。
この6つ全てを兼ね備えた眼鏡はありません。
あったとしたらそれは特定ブランドを熱狂的に支持している信者の方の思い込みかと思います。
補足
①、一番イメージしやすいかもしれません。丈夫・軽量・掛け心地の良い眼鏡
②、ファッション誌に出てくることが多い眼鏡。洋服と呼応している眼鏡
③、モノが好きな方に好まれる眼鏡。蘊蓄満載な眼鏡です。
④、②と違い眼鏡そのものが独自性・奇抜さ・インパクトがある眼鏡
⑤、生産数、販売時期等を限定している眼鏡。
⑥、べっ甲、金、バッファローホーン等を使用した高価格な眼鏡。
この6項目を順番に説明していきます。
ではまた後日。
「眼鏡のこと」についてのブログを始めます。
「良い眼鏡を教えて」
眼鏡を探している方は、この答えが知りたいのではないでしょうか。
凄くアバウトな質問ですが、私は良く質問をされます。
私も無知な分野のことを詳しい方に質問するとき、凄くアバウトな聞き方をしてしまいます。例えば、「いいパソコンは?」「よい家電は?」「よいレストランは?」…詳しくないと的確な質問すら出来ません。
こんな質問をされると「えっ」といったリアクションをしてしまうのではないでしょうか?詳しい人は「あなたはどんな時に使うの?」「あなたはどのレベルまで必要なの?」って思っているはずです。
皆さんもアバウトな質問する側、質問される側になったことはあるかと思います。
聞いてきた方が友人等で、趣味趣向・職業などが知ってていれば的確なアドバイスができる自信はあります。ただ何も知らない状態で唐突に聞かれると物凄く困ります。
良い眼鏡って多分日本市場だけでも150ブランド以上あると思います。
結局、『あなたにとって』良いもの見つけるのが凄く難しいのです。
雑誌等で最近は眼鏡指南の特集を組まれることがよくありますが、あれを見ただけで良い眼鏡を見つけられる人は殆どいないでしょう。それで見つけられようなセンスの高い方であれば、その特集を見る必要はなかったかと思います。そもそもそんな方は、特集を参考にしていないかと思います。
そもそも雑誌を盲目に信じることは大変危険です。
雑誌=第三者によるものではありません。
多くの雑誌が広告主がいて初めて成り立つものが殆どです。
(中には部数<広告料で成り立っているのが見え見えな雑誌もあるくらいです)
つまり広告主=「眼鏡ブランド」「販売店」の意向にあった記事が掲載されるのです。
今人気朝ドラ「とと姉ちゃん」に通じるところかもしれません。
広告を載せると自由な記事が書けないのです
その雑誌の内容を信じて眼鏡選びをするのは、大変危険なのです。
しかし雑誌の内容を第一に考えている方が、未だに多いのも事実です。
情報過多・商品量飽和状態の眼鏡業界において眼鏡難民が多く存在しているという現実があります。
そんな眼鏡難民の方に良い眼鏡を見つけられる手伝いができればと思い、今回ブログを始めることにしました。
最後にこのブログの管理人kotonoのプロフィールを少し。
キャリア15年程度の現役眼鏡販売員です。
都内を中心に老舗メガネ店、有名セレクトショップ等でキャリアを積んできました。
匿名でやってますので雑誌、眼鏡店では中々言えないようなことも伝えていきます。
次回からは少しずつ具体的な内容にしていきたいかと思います。