安心なブランド・OLIVER PEOPLES④
今回もOLIVER PEOPLESについて書いていきます。
① 定番モデルを作らせたら右に出るものがいない
② ファッション感度の高さ
③ クオリティーの高さ
④ アフター等の安心感
⑤ 今後が不透明
前回③を語ってきました。
今回は③と④を絡めて説明していきます。
お勧めしやすいブランドOLIVER PEOPLES
一販売員としてOLIVER PEOPLESは、お勧めしやすいブランドです。
何故お勧めしやすいのか改めて考えてみました。
その前に、
逆にお勧めできない眼鏡(ブランド)ってどんな眼鏡なのかを考えてみたいと思います。
私に限らず販売員が「お勧めしにくい」「躊躇する」ブランドは間違いなくあると思います。
それは、「販売した後に問題が起きる可能性があるか?」
この問題が起きる可能性が高いブランドは、どうしても販売するのを躊躇します。
日本人は、世界で一番品質にうるさい国民です。
欧米人が全く問題ないという眼鏡でも、日本人には不良と捉えることも珍しくありません。むしろ多いように思います。
その日本人に販売するので売る側としては、神経を使う部分になります。
(実際、海外ブランドを検品すると多くのものを返品することも珍しくありません)
そのため日本製の眼鏡は、お勧めしやすいのです。
ここで日本製は品質が良いのでお勧めしやすいで終わってしまったら、今まで書いてきたことと何ら変わりはないので、今回はもう少し踏み込んだ内容にしたいと思います。
品質が高くても問題は起こる
一流ブランドの日本製眼鏡全てが、品質が良いのか?
一流ブランドの日本製眼鏡は、基本的に品質が高いです。
またモノづくりにプライドを持ち、良いモノを作り出そうという気概があると思います。
しかし品質は高い日本製なのに、問題が起きることも珍しくありません。
「品質が高いのに何故問題が起きるの?」
と思う方も多いかもしれません。
ただ現実は、
「品質が高いブランドでも、問題は起きることは多々あるのです」
どのような問題が起こるか?
それは「構造に無理がある」という問題です。
殆どの場合は、後日に「無理があった」と気が付くことが多いようにも思います。
(中には問題を事前に気付いていることもあるかもしれません)
デザイン性の高い眼鏡の弊害
構造に無理があると言うのは最近多いように感じます。
恐らくファッション性の高い眼鏡(ブランド)が増えたことに起因しています。
ファッション性の高い眼鏡は、デザイン(見た目)先行で眼鏡が企画・デザイン・製造されていると思います。
決してデザイン重視で眼鏡を作ることを否定しません。
私はファッションが大好きなのでデザイン重視で作ること自体、今後も継続して欲しいと思っています。
デザイン・独自性を重視すると言うことは、新しい形を作り出すことになります。
新しいデザインと言うのは、見たことがないほど奇抜なデザインだけではありません。
新しい形と言っても、一見普通のデザインに見えるものもあります。
眼鏡は小さなアイテムです。
1ミリ1度のデザインの違いを追求しなければいけません。
またブランドが初めて使う「素材」「素材の組み合わせ」「フレームの細さ」「溶接方法」「カラー」等と言ったミクロな部分にも拘らないと違いを生み出すことはできません。この部分は一見わかりにくいものです。
一見普通に見えても、そのブランドにとって初めての方法にはリスクを伴います。
新作のリスク(日本製でも)
どんなリスクが考えられるかというと
① プラスチックフレームを細く・薄くしたことによって歪みやすくなる。または壊れる。
② 逆に太くしたことによって、想定外の箇所に必要以上の負荷がかかる。結果壊れやすく歪みを出る。掛け心地が悪い。
③ カラーを凝ったことによって剥がれやすい。もしくは何年か使用した後、汚い状態になってしまう。
④ 素材の相性が悪く、傷が付きやすい。(フレーム同士が擦れることによって等)
③と④は重なる部分があります。
新しい素材を使ったことによってカラーが剥がれやすいこともあります。
今挙げたことはどんなブランドでも起こりうるリスクです。
ただノウハウを持ったブランドは、上記のことが起きにくいのです。
問題が起きにくいブランドで真っ先に思い浮かぶのが、
「OLIVER PEOPLES」なのです。
シンプルに作っているのも大きな要因かも知れませんが、最近は凝ったモデルも作っています。それでもこのブランドは大きな問題を起こすことは稀のように思います。
日本のブランドは品質は総じて高いです。
ただ新しいブランドが出す新モデルは、どうしても問題が発生する恐れがあります。眼鏡づくりのノウハウ・経験が乏しいのだと思います。
(実際流行のクラシック眼鏡でも問題が起きることはあります。普通に見える眼鏡でも問題は起きています)
丁寧に作っていても問題の発生を予見できないのだと思います。
(また日本の眼鏡作りは分業制をとっているため、パーツ毎・工程毎には最高なモノが作れるかもしれません。ただ眼鏡全体を総合的に判断することが出来ていないのかもしれません。)
品質にリスクを取りたくない方へ
眼鏡選びにリスクを極力負いたくない方もいるかと思います。
定番を選ぶ良さに、「流行に左右されないデザイン」があるかと思います。
それに加えてフレームに問題が起きにくい良さもあります。
新しい構造は、問題が起きる可能性があると言いましたが、逆に定番モデルは、長い間作り続けているため、リスクが低いのです。その眼鏡(構造)を発表した頃、仮に問題が起きたとしても改良を行っています。
また根本的に問題があり改良できないモデルは、ロングセラーになることはありません。問題が起きる日本製眼鏡を日本の小売店が仕入れし続けることはありません。(最も海外のデザインありきのブランドの場合は、改良されずに販売され続けていることも珍しくありません。ただ日本では幅広く流通することはないかと思います)
中には定番モデルばかり作っているブランドもありますが、そのようなブランドの多くはファッション性・デザイン性に劣るものが多いです。結果人気は出ません。そのようなブランドは思い切った新作を作ることはせず、定番を作り続けるのです。
(もちろんそれはそれで存在価値のあるブランドだと思います)
OLIVER PEOPLESの凄さをまとめます。
(前回のブログを含めて)
「ファッション性が高い」
「定番モデルも多く」
「品質が高い」
「問題が起きにくい」
そして「コストパフォーマンスが高い」
まとめるとこのブランドが絶大なる人気があるのも頷けます。
まず最初の一本のOLIVER PEOPLES
眼鏡初心者の方が、とりあえず「程よく格好良く、品質の良い眼鏡」を探している方には本当にお勧めしたいブランドです。最初は誰もが自分に似合う眼鏡はわからないかと思います。何を買うべきかわからず、微妙な眼鏡を買ってしまう方も多いものです。
結果、考えて眼鏡を買ったはずなのに、眼鏡選びの基準は何も見つからないのです。問題は解決せず、振り出しに戻るのです。
このような眼鏡選びに迷子状態の方にこそ「OLIVER PEOPLES」はお勧めなのかもしれません。このブランドは、「王道」です。
このブランドを買うと、不思議と自分が「買うべき眼鏡」「欲しい眼鏡」も見つかってくるのです。(もちろん買ったOLIVER PEOPLESが一番気に入る可能性も有ります)
また眼鏡をある程度持っている方も、初めて挑戦したい形・ジャンルが生まれる場合もあるかと思います。初めて掛ける形は、誰もが違和感があるものです。その場合も、とりあえずOLIVER PEOPLESを試してみてください。本当に似合うのか、似合わないのかも見えてくるかと思います。
試しに買う余裕なんてない!と思う方も勿論多いと思います。
そんな方も是非試してみてください。
試すというのは、買って試すのではなくお店で試着してみてください。試着はタダです。
そこで「似合う」のか「似合わない」のか、「もっと大きい」「もっと小さい」「こんな雰囲気が良い」のが欲しいとか見えてくるかもしれません。そのような感情が生まれたら臆せず店員に相談してみてください。答えが見つかる可能性が高いと思います。
(万能なOLIVER PEOPLESも全員に似合うわけではありません。)
販売員に相談した時、満足いく答えが得られなかったらその店を見限ってください。
その基準となるブランドとしてOLIVER PEOPLESを使うのも良いかもしれません。
⑤ アフターの安心感
安心という項目についても簡単に触れておきたいと思います。
日本のブランドにも言えることかもしれませんが、OLIVER PEOPLESはアフターケアも充実したブランドです。
アフターケアというと、調整・クリーニング等が思い浮かぶかもしれません。この項目は眼鏡店が担うところだと思います。ただメーカー(ブランド)が担う部分ももちろんあります。眼鏡が壊れたときの修理・パーツ交換等です。ただこの必要なブランドのアフターケアもメーカーによってまちまちです。
OLIVER PEOPLESは、壊れにくいという安心がある上に、壊れた時も安心です。よっぽどな状態でなければ修理が行うことが出来ますし、パーツも長期間保管しているブランドと言ったイメージがあります。
海外製ブランドのアフターの問題点
因みに海外製の海外ブランドは、修理が出来ない可能性が高いのです。また壊れたパーツを交換することもできない場合があります。
例えば、メタルフレームのカラーが剥がれてしまったとき、日本製のブランドは再メッキ・カラーに対応してくれます。海外製の眼鏡で、再メッキ・カラーを行っているブランドは殆どありません。
では、カラーが剥がれたらどうするのか?
「諦める」「剥がれた部分のパーツのみ交換する」「日本の修理工場で再メッキ・カラーを行う」・・・対応できる方法はこんなところです。
ただ全て完璧な方法ではありません。
「諦める」は説明の必要がありません。
「パーツ交換」で解決しない可能性が高いのです。海外ブランドもパーツは保持していますし、パーツ交換の対応はしてくれます。ただ海外製の眼鏡は、品質に難があるため、同じパーツが、同じ形をしていない可能性が高いのです。
海外製の眼鏡は、品質・形にバラツキがあるのです。眼鏡は一ミリ一度ずれただけで、上手く組み立てることは出来ません。(もっとも眼鏡において、一ミリ一度は大きな誤差です。そう考えると日本の技術力の高さに驚かされます。)
海外ブランドパーツを取り寄せ組み立てると、半ば強引に掛けられるように調整していきます。見栄えとしてあまり良いモノではありません。ひどいと掛けること自体できません。
パーツ精度が悪いことは広く知られているため、眼鏡屋の方でも率先して受けることを躊躇します。
「日本の修理工場で行う」場合はなくはないのですが、お客様自身が希望することも殆どありません。もちろんお勧めしません。なぜなら色味が完全に変わるからです。海外ブランドは、色にも特徴があります。その色に惹かれて購入したはずです。その色が変わるので、この方法を選択するのは稀です。
今回もOLIVER PEOPLESの話から脱線しました。
次回はOLIVER PEOPLESの問題点についても書いていきます。
ではまた後日。