お勧めできないブランド①AYAME
お勧めできないブランドを書く理由
ここまでお勧めしたいブランドを中心に書いてきましたが、今回はお勧めしたくないブランドを上げたいと思います。
批判することに少々気が引ける部分があります。ただ今回は批判記事を書きたいと思います。眼鏡の批評で称賛する記事を見かけることは多いですが、批判する記事を見かけたことは殆ど見かけません。情報を発信する立場(雑誌、ショップ)の方も嫌いなブランド、評価していないブランドを各自持っています。しかし批判記事を見かけることはありません。それは健全ではないように思います。
その健全でない雰囲気に風穴を少しでも開けたいかと思い書くことにしました。
今回私が書く記事を一つの参考にしていただければ幸いです。そして私の意見を知った結果、信じるか信じないか皆さんの感覚にお任せします。
ここで上げるブランドも完全に私の主観で述べていきたいと思います。
また比較的知名度があるブランド(雑誌での露出が多い)ブランドの中から指摘していきたいと思います。ある意味ここで上げるブランドは、評価が高いと世間的には思われている可能性が高いです。
この項目を上げるにあたって、真っ先に浮かぶブランドがあります。
お勧めできないブランド①
「AYAME」
AYAMEとは➡ayame i wear design
眼鏡業界・ファッション業界の人間で知らない人はいないかと思います。
また一般消費者の方にも良く知られていますし、好きな方も多いかと思います。そして雑誌への掲載も多いため、格好良く、評判が高いように感じているかもしれません。
ただ私の評価は低いです。
また業界の中でも評価していない人間が多いです。
「では何故で雑誌で取り上げられるのか?」
「何故取り扱い店舗が多いのか?」
と疑問を持つ方も多いかと思います。
何度か書いていますが、雑誌のことを鵜呑みするのは危険です。話半分で参考にした方が良いのです。雑誌もビジネスであるということを。
また取扱店も多いです。
小売店は、「ブランドのクオリティの高さを顧客に勧めたいから販売するケース」と、「売れるから販売するケース」の二つに分かれます。
AYAMEは、後者です。
売れるブランドのため、評価してはいない店舗も販売していることが多いです。
売れるから販売することは珍しくありません。このようなことは、どんな業種にも当てはまるかと思います。
現場の評価は低いが販売される代表ブランド「RAY‐BAN」
今のレイバンも評価は高くないが、売れるから取り扱う代表的なブランドです。それこそ一流ブランドを取り使う眼鏡店にとって、レイバンはクオリティの低い眼鏡です。しかし販売を行っているのは売れるからです。また店を知ってもらうための入り口になるために扱うのです。
AYAMEを評価できない理由
オリジナリティがない
何度も書いていますが、ファッションにおいて一番重要な項目はオリジナリティだと思っています。
AYAMEの眼鏡を見て、格好良いと感じるかもしれません。
それはAYAMEが参考にしたブランドが格好よいのです。はっきり言ってAYAMEの眼鏡は、有名ブランドの模倣です。格好良い完成されたオリジナル眼鏡に無駄なディテールを付加するため、美しいデザイン・形は失われます。ショップオリジナルのような眼鏡になります。
YELLOWS PLUSを見るとAYAMEに似ていると思うかもしれません。それもそのはずです。AYAMEのデザイナーは。YELLLOWS PLUSのデザイナーに師事していたのです。他にもAYAMEが影響を受けているブランドはいくつかあります。ドイツブランド「LUNOR」もその一つです。
LUNORとは➡https://lunor.com/
私も全てのモデルを見たことがないので、一概には言えませんがAYAMEのセルフレームを見たとき「LUNORに似ている・・・!?」というある意味衝撃を受けたことを思い出します。
LUNORというブランドを知っている方も多いかと思います。
眼鏡が好きな方・ファッションが好きな方、クラッシクなものが好きな方にとって物凄く有名なブランドです。ただ一般的な方にとっては聞きなれないブランドかと思います。
LUNORは、業界人の評価が大変高いブランドです。LUNORが似合わなくても、持っていなくても総じて評判が良いブランドです。またファッション好き・本物を求める方にとって憧れのブランドと言ってよい眼鏡なのです。
今クラッシク眼鏡が全盛ですが、LUNORは、そのジャンルの大御所ブランドです。古き良き美しい眼鏡を今の時代にアップデートさせ、世に送り出された眼鏡と言って良いかと思います。このブランドに少なからず影響を受けているブランドは多いかと思います。ただAYAMEのように直接的な影響(模倣)をしてしまうのは、恥ずかしさを感じます。
AYAMEの優れている点。
では何故売れているのか。
もちろん売れるには理由があります。
① マーケティングが優れている。時代を読む力がある。
② 雑誌への働きかけ、良いモノに思わせる力がある
③ 眼鏡が、ファッションにおいてマイナーなジャンルである。
国産ブランドの弱点であるファッションとのリンクが、AYAMEは本当に優れています。
ブランド側から発信はもちろんのこと、雑誌を活用・利用することが上手く、ファッション性が高いと思わせることに優れています。
またファッションに対してアンテナを立て時代が求めているモノを世に出すことが出来るのもこのブランドの強みかと思います。この利点が、雑誌側からの受けが良いのも頷けます。
ただ基本、何が流行っているのか・何が格好良いのかをいち早くキャッチし商品化していくブランドです。元がないと成り立たないビジネスモデルなのです。元というのはインスピレーションを受けるといった間接的なモノではなく、現実にある眼鏡の刷り直しなのです。ネタ元を知っている人間から見ると評価が低いのは当たり前です。
ただこれが成り立つのも眼鏡業界特有なことかもしれません。
眼鏡はマイナーなジャンルです。
ファッションとして受け止められるようになったのも比較的最近です。そのため眼鏡そのものを知らない人間が、まだまだ多いのです。そのため模倣してばれませんし、消費者も気が付きません。そのためブランド(特に国産ブランド)は、安易な模倣に走るのかもしれません。
この眼鏡業界で働きだして改めて気が付いたこと
本当に良いものを探すとき信じられるのは最終的に自分自身だということ。
流行っているものを効率的に素早く取り入れるのであれば、雑誌等の媒体を使った方が良いのは間違いない。自分らしく自分にとって良いものを長く使いたい、もしくは高品質なものを長く使いたいと思ったとき他者の評価は純粋に信じるべきでないと思います。
以前書きましたが、日本製3万円を超えるようなブランドに品質が悪いものはありません(もちろん低価格で品質の悪い日本製眼鏡もありますが)
AYAMEの眼鏡を見て良いものだと感じてもおかしくありません。眼鏡の品質は決して悪くありません。ただ特段優れていることもありません。それは、品質・デザイン全てにおいて。
私の願い
皆さんには価値ある眼鏡を知っていただきたいし、価値ある眼鏡が正当な評価を受けてほしい。
最も拘りが強すぎてビジネスに向かないブランドが多いのも確かです。私が願っていても当事者は今のままで十分なのかもしれません。
ただそのせいで価値ある眼鏡が知られることなく、ビジネス感覚に優れたクオリティの低い眼鏡を掛けることになってしまうのは見るに忍びありません。
本物を知った結果、模倣物が欲しいのであれば問題はないかと思います。実際、本家ブランドのサイズ・デザインが全く似合わず模倣しているブランドのサイズ・デザインが似合う方もいるのも確かです。ただ知らずに掛けるのと、知って掛けるのとでは大きく違うと私は信じています。最も本物を見れば本物の良さに気が付くはずです。
私の感覚がずれているのかもしれません。本当はAYAMEのデザイン性は大変優れているのかもしれません。どのように受け取るかご自身の感覚を皆さん信じてください。
ではまた後日