眼鏡のある生活

素敵な眼鏡ライフを送るためのブログです。

ファッションと眼鏡(今のレイバンと昔のレイバン)

 

RAY-BANレイバン)の評価

国産ブランドについて書こうと思いましたが、海外ブランドの中に過大評価されているブランドがあります。そのことについて。


雑誌等で良く見かけるブランドがあるかと思います。
ただいくつかのブランドは本当は評価が低いのに雑誌に掲載されています。


まず真っ先に思いつくのは、「RAY-BAN」(レイバン

一番有名なサングラス・ブランドかと思います。

 

RAY-BANの歴史


Ray-Banを生んだボシュロム社の技術力は当時画期的なものでした。その技術力の高さは、アメリカ空軍からサングラス作製を依頼されたことからも頷けます。そして1920年代には、ティアドロップ型サングラスのAVIATORを作り出します。その後、1937年には「光を遮断する」という意味のRay-Banレイバン)という名でブランドとして確立されました。1952年には、Wayfarer/ウェイファーラー。1986年には、CLUBMASTER/クラブマスターといった名作を出し続けています。

 

レイバンを語る上で語る上で、上記の「アメリカ製」「ボシュロム社」「アメリカ空軍」と言ったキーワードが間違いなく用いられます。
レイバンを一言で言うと、「ボシュロム社が作ったアメリカ空軍に供給されていた質実剛健なアメリカ製サングラス」なのです。

しかし今のレイバンは、全く違うものになっています。今のレイバンを一言で言うと「イタリアのルックスオティカ社が作るファッションブランド」なのです。
どう言うことかと言うと1999年にボシュロム社は、レイバンを眼鏡業界世界最大手の「イタリア」のルックスオティカ社に買収されます。

 

ルックスオティカ社とは➡

ルックスオティカ(LUXOTTICA)|メガネ通販(眼鏡・めがね) | Oh My Glasses TOKYO

簡単にいうと世界最大の眼鏡会社です。しかも2位に圧倒的大差を付けてます。

 

レイバンの変化

そこからレイバンは全く違うものに変わります。
一つは、アメリカ製からイタリア製・中国製への変更です。
品質の向上や安定供給を目指した製造国の変更であれば、悪いことではありません。実際、英国の老舗ブランドOLIVER GOLDSMITH(オリバー・ゴールドスミス)は、休止状態だったブランドを15年程前に再始動させた時、英国製から日本製に切り替えました。これは品質の向上と安定供給を念頭に変更が行われました。工場の変化によりオリジナルとは若干の誤差が生じますが、許容の範囲内かと思います。

オリバー・ゴールドスミスの場合は、創業一家が今もブランドにいるため、変化を起こしていない一番の理由です。確かにオリジナル命(イギリス製命)と言った偏愛気味な方もいますが、これは個人的な問題なので一般的な方は気にしなくて良いかと思います。

 


話を戻しますが、レイバンのケースはオリバー・ゴールドスミスのケースとは大きく異なります。レイバンの生産国の変化を見れば想像できるかもしれませんが、レイバンの変化はコストダウンと大量生産です。因みにイタリアというと職人の国というイメージがあるためイタリア製=高品質なものと思っている方も多いかと思います。ただ眼鏡に関していうと、イタリア製≠高品質です。はっきり言って中国製と大差はありません(もちろん粗悪なものは除く)。場合によっては中国製より劣ることもあります。
また中国製に移したもう一つの理由は、スピーディーに大量生産するためです。今のレイバンは、完全にファションブランドです。しかもファストファションの要素も兼ね添えたブランドになっています。そのため今流行りのモデル・カラーをいち早く市場に大量投入する必要があります。

 

今のレイバン(ルクスオティカ社)が優れている点。

「市場が求めているモノをいち早くキャッチし万人にうけるモデル・カラーを商品化する」。そして「スケールメリットを最大限に使い全世界に大量投入する」「広告・雑誌を使い宣伝を効果的に行っていく」
大まかにまとめると商業的に秀でていると言った感じです。

明らかに昔(オリジナル)のレイバンの「ボシュロム社が作ったアメリカ空軍に供給されていた質実剛健のアメリカ製サングラス」とは全く違う性質になっているのです。
少し眼鏡(若しくはファッション)に詳しい方であれば知っている事実です。

昔のレイバンと今のレイバンを同列で語られることが多いため、質もファッションも優れていると感違いしてしまうのです。

 

デザインも昔と違う

レイバンには、名作サングラスがいくつもあります。

「その完成された定番サングラスが欲しい!」または「昔から変わらないオリジナルデザインのが欲しい!」と思うかもしれません。
ただ品質だけではなく、デザインもかわっています。
「えっ?」と思うかもしれませんが、デザインも変わっています。一度でもアメリカ製のボシュロム社のレイバンを見たことがあれば違いに気がつくかと思います。モデルによっては大胆に変更しているモノもあります。

 
今のレイバンは、当時のデザインを忠実に再現したものではなく、当時のデザインを参考にしているだけです。結局ルックスオティカ社のレイバンは、商標を持ち売れるようにデザインし直し、大量生産しているブランドなのです。
このことは眼鏡・ファッションに詳しい方にとっては広く知られています。そのため今のレイバンを掛けることは、恥ずかしいと考えている方は多いです。私もその一人です。「RAY-BAN」というロゴも入っているためライセンスブランドを掛けるようで恥ずかしい気持ちになります。

 

では何を買うか

当時のレイバンブランドのアイデンティティに惚れ、質が優れたデザイン製の高いサングラスを掛けたいのであれば、違うブランドを探すことをお勧めします。
探すと言うと大変そうですが、案外簡単に見つかります。

なぜならレイバンは、多くのブランドに多大な影響を与えているからです。影響を受けたブランド(デザイナー)は、間違いなくオマージュ的なモデルを作っています。その中から自分自身の感性にあったモノを買ってみてください。

 

「いや、それじゃ本物ではない!本物が欲しい!」と言う方は、ヴィンテージのレイバンを探してください。ボシュロム社のレイバンは人気があるため高額ですが、大体のモデルはまだ手に入ります。
状態の良いものを探されるのであれば、ここがお勧めです。

ザ・スペクタクル(the spectacle)|メガネ通販(眼鏡・めがね) | Oh My Glasses TOKYO

 

このことを知った上で今のレイバンを購入するか再検討してみてください。

もし今のレイバンを買ってもファッション・眼鏡に詳しい方には自慢しない方が無難です。

 

ではまた後日。