眼鏡のある生活

素敵な眼鏡ライフを送るためのブログです。

遠近両用レンズと老眼(簡単解説)

 

前回、単焦点の価格差について説明しました。

 

今回は、累進多焦点レンズの価格差について説明していきたいと思います。

 

「累進多焦点レンズ」と言われても「?」な方が多いかと思います。

 

そのため、ここでは「遠近両用レンズ」という一番知れ渡っている呼び方で話を進めていきます。

 

遠近両用の価格差を説明する前に、老眼について説明していきます。

(価格差の秘密は次回にします)

接客をしていると「老眼」について間違った認識を持っている方が思いのほか多いように思います。そのため今回は前提となる部分を簡単に整理しておきたいと思います。

(もっともこのブログを読まれている方に、50代以上の方がいるかわかりません。40代以下の方は、後年の参考にして頂ければ良いかと思います)

 

「老眼とは」

 遠近両用レンズすら知らない方もいるかもしれません。できるだけ簡単に解説します。

遠近両用レンズは、一枚のレンズの中で度数が変化するレンズのことを言います。

レンズの上の方が強い度数が入っていて、下に行くにしたがって度数が弱くなるレンズです。

 

では何故度数が変わるかというと(変わる必要があるかというと)

 老眼のため近くが見えなくなった方に必要なレンズなのです。

 

老眼には全ての方がなる

40代になると老眼が自覚として現れてきます。

皆さん、老眼は聞いたことがあるかと思います。

老眼が進むと近くが見えなくなります。

老眼という字の通り、眼の老いです。

老いという響きのせいで老眼を頑なに認めたがらない方も珍しくありません。

ただ残念ながら老眼は皆さん平等に進みます。

 

筋肉、頭髪、肌…と全て衰えていきます。

中には鍛えているし、ケアを怠らないから若い時と変わらないと強がる方もいるかもしれません。ただ10代の時に今と同レベルのケアは必要なかったと思います。10代の時は何もしなくても、一日寝れば元通りになっていたと思います。

 

ただ筋肉は鍛えることができます。

実際50代の方でも一般的な10代の平均値を上回る方もいるかと思います。

ただ眼は、別問題です。

眼は、鍛えようがありません。(また鍛えているという方も見たことがありません)

こんなにも老眼で困っている方がいるのに、鍛える方法は見つかっていません。サプリやマッサージ等で「疲れ」を回復させる方法はあるようですが、老眼を和らげる根本的治療・鍛錬はありません。私の知らないところであるかもしれませんが、50代の方が10代の平均値を上回ることは絶対にありません。もっというと30代の方でも10代を上回れません。

そのため我々眼鏡士は、年齢が分かると老眼の具合が分かります。(逆に度数が分かると年齢が分かります。)個人差は若干ありますが、大きな差ではありません。

 

眼鏡を外せば見える方は老眼 

50代以上の方でこういう方がいます。

「俺は老眼になっていない。近くを見るのに困っていない」

 

はっきり言います。

「嘘です!」

老眼にならない人はいません。

50代で老眼がない人はいません。

 

「老眼にならない」と言っている人は、

「俺は年を取らない」「俺は死なない」と言っているのと同じです。

少し痛い発言のように思いませんか。

このような妄言を言う方には、いくつかのパターンがあります。

 

    「眼鏡を外せば問題なく見られるから老眼ではない」

これを言う方が思いの外多いですが、全く根拠になっていないのです。

少し冷静になって考えてほしいものです。

すでにこの発言自体が「私は老眼です」と言っているのです。しかも結構進んでいる状態です。

その方に聞きたいです。

「10代20代の時、近くを見るときに眼鏡を外しましたか?」と。

若い時に何もせずに見ることが出来たことが、今は外さなければ見ることが出来ないというのが老眼の証拠なのです。

 

    「眼鏡をしなくても遠くも近くも不自由がない」

こういうことを言う方もいます。

これも半分嘘です。

半分とういうのは、本当は不自由がある見え方なのに本人が気にしていないだけなのです。

例えば遠くがしっかり見えていないのに、その視力を問題ないと思い込んでいる方に多いようです。普通の方は1.0が見えていないと遠くがぼけると感じます。ただ中には0.6ぐらいで問題ないと思っている方がいます。そのような方は、近くがある程度見えているので老眼でないと勘違いしているのです。

 

勿論本人が問題ないのであれば良いのですが、あなたは老眼です。

 

 

ちゃんと眼鏡で視力を矯正している方は、45歳ぐらいで近くが見え辛くなってきます。

 

老眼を自覚した時の対処方法

 では老眼になったらどうすれば良いのか?

    眼鏡の矯正度数を弱くする。視力を悪くする。

1.2程度見えるよう眼鏡を作っている方であれば、できるだけ弱くしてみてください。近くが見えるようになります。

「外せば見ることが出来る」という状態に近づけるのです。

 

日本人は、近視が多いと思います。

 

近視は決してネガティブなモノではない

近視の方は学生時代から「目が悪い」と言われてきたと思います。

ただ近視は遠くを見るのが苦手なだけで、近くを見るのは大得意なのです。

そのため近視の方は、同世代の方と同じ時間近業作業した場合、眼の良い方より疲れにくいのです。近視の方が眼鏡を作成するとき、度数を弱めに作成するのは得意分野を残すのが狙いなのです。

 

 近視を完全に矯正したい方=極力遠くを見たい方は、眼鏡をすると遠くが良く見えます。ただ眼鏡をすることによって近視が消えてしまいます。結果、近視の得意分野が無くなってしまうのです。眼の良い方と同じ状態になります(なってしまうのです)。

そのため眼鏡の矯正を抑えることによって、得意分野を復活させるのです。遠くが今ほど見えなくても良いと言う方にとっては、効果的な方法かと思います。

 

ただこの方法も付け焼刃のような対応です。恐らく5年ぐらいしたら弱めの眼鏡をしても近くが見え辛くなってきます。理由は簡単です。老眼が進行してしまったのです。見辛くなったことによってさらに眼鏡の度数を弱くすると遠くが殆ど見えなくなります。眼鏡を掛ける意味が無くなってしまいます。

 

     遠近両用レンズを掛ける

これが唯一の解決策と言って良いかと思います。

遠近両用レンズって良く聞くけどそもそも何?っ方も実は多いように感じます。

 

遠近両用を掛けると

眼鏡をしたまま遠くも近くも見ることが出来るレンズです。

50代以上の方で眼鏡をしたまま遠くも近くも見ることが出来ている方は、遠近両用を掛けていると思って良いかと思います。

 

遠近両用は、メカニズムを簡単に説明します。

度数が、上から下にかけて5段階から10段階程度変化します。一枚のレンズに複数の度数が入っているのです。

レンズの上の方には、1.2程度見える度数が入っていて、下の方は裸眼に近い度数が入っているのです。(一般的な近視の方で説明しています。)結果、眼鏡をしたままで「眼鏡を外した時の状態」が作られているのです。

 

遠近両用レンズを掛けた方が若々しい

 

遠近両用レンズは大変便利なレンズです。老眼が入っている全ての方にお勧めなレンズなのです。しかし遠近両用レンズに悪いイメージを持たれている方がいます。遠近両用レンズは、「年寄りの眼鏡」「老いを認めた」といったイメージを持っている方がいるのです。確かに45歳を過ぎた方が使用するレンズのため、そのようなイメージを持たれるのも無理はありません。

 

しかし遠近両用眼鏡を掛けないほうが、老いを感じさせることが意外と知られていません。

近視の方で遠近両用眼鏡を掛けないと、書類やスマートフォンを見るとき常に眼鏡を外さなければいけません。また目の良い方は老眼鏡を掛けなければいけません。老眼鏡を掛けると遠くは見えないため、眼鏡をずり下げて使用する方がいます。(東国原元宮崎県知事を思い出してみてください)。

これらの行為は、周りに老いをアピールしているようにしか見えません。遠近両用眼鏡は、外さずに見ることが出来るため、老眼特有の仕草をすることはありません。また遠近両用眼鏡そのものを見て、その眼鏡が遠近両用なのかわかりません。果たしてどちらが年寄り臭いのかお分かりいただけるかと思います。

 

 

番外:廃れた遠近両用レンズ

遠近商用レンズでいまだに勘違いしている方がいます。

未だに遠近両用レンズのことを、「レンズに線が入っているレンズ」と勘違いしている方がいます。線と言うか半円のようなもの(小玉といいます)のことです。レンズの下部にドラえもんのポケットのようなものが付いているレンズは確かに今もあります。

 

70代以上の方が使用している方が多いと思います。

このレンズは、人によっては便利なモノなのですが・・・

「見栄えが悪い」のと「現代社会に合わない」ため最近は、見かけることが少なくなりました。

 

「見栄えが悪い」

言葉の通りです。70代以上の方が使っているレンズな上に外観ですぐこのレンズだと分かります。おじいちゃん・おばあちゃんのように見えるため普通は敬遠されます。

 

現代社会にあわない」

この小玉が付いたレンズは、2つの度数しか入りません。

(度数が二つ入っているため、バイフォーカルと言われています)

二つしか度数が入らないと弊害が生まれます。

 「遠くを見るための度数」「パソコンを見るための度数」「近くの細かいものを見るための度数」が現代人は必要になります。2つしか入らないと、この大事な3つの全ての場面を網羅することはできません。「遠くは見える」「細かいモノは見える」ように作るとパソコンが見えません。現代社会、パソコンが見えない眼鏡は使い物になりません。

 この二点のせいで60代以下の現役世代でバイフォーカルを掛けることは大変稀になっています。

 

ネガティブなことは何もありません。

遠近両用を皆さん掛けてください!

 

次回は遠近両用のレンズの価格差の真実について書いていきます。

 

ではまた後日

 

眼鏡に価格差がある理由(単焦点レンズ編)

 

なぜ眼鏡に価格差があるのか?

 

「量販店の眼鏡」と「高級眼鏡専門店の眼鏡」は、どこが違うのか?

 

初めて本格的な眼鏡を購入しようと考えるとき、最初に感じる疑問かと思います。

 

眼鏡の価格差の違いを話す前に当たり前のことを書きたいと思います。

 

価格差はどんなものにもある

価格差のないモノはあるのでしょうか?

私は知りません。

洋服、車、家電、家具、カメラ、時計・・・・挙げるときりがありませんが、全て値段はピンキリです。

 

最も皆さん価格差そのものに疑問があるのではなく、

何が価格差を生むのかという原因が知りたいのではないでしょうか。

 

眼鏡に何を求められているかを考えると必然的に答えが出てくるかと思います。

眼鏡の価格差が生まれる理由は、以下の理由が考えられます。

 

価格差を生む主な理由 

    眼鏡が丈夫

    眼鏡のデザイン性が高い

    レンズが丈夫

    快適にストレスなく見ることができる

    眼鏡店が一流か?

 

全ての項目についてこのブログで書いてきました(特に①②について)が、

今回は特に③④⑤の理由について、できるだけ分かりやすく書いていきたいと思います。

 

「眼鏡フレームの価格差」

    ②の項目に当たります。 

「安い眼鏡と高い眼鏡は、どう違うのですか?」と聞かれます。

眼鏡フレームの価格差は、単純です。難しく考える必要はありません。

洋服、靴といったファッションアイテムの価格差と同じです。

 

洋服・靴で高価なモノは、「丈夫」「ファッション性が高い」「凝ったデザイン」「着心地がよい」「輸入品」だと思います。(最も全てを兼ね備えたものは珍しいかもしれませんが)

眼鏡フレームも同じです。同じ理由で高くなります。

以前から説明してきた部分かと思います。ここは簡単に終わりたいと思います。

 

「レンズの価格差」

ここが一番分かりにくい部分かもしれません。

 

眼鏡フレームと同じで眼鏡レンズにも差があります。

少し眼鏡のことを調べていくと眼鏡のレンズに大きな価格差があることに気が付くと思います。

 

単焦点レンズは、3千円(量販店)から8万円(高級店)と大きな差があり、

遠近両用レンズだと5千円(量販店)から20万円(高級店)とさらに大きな差があります。

 

 恐らくテレビCM等で眼鏡の価格を知った方にとっては、

レンズの価格差に大きな驚きを持たれるかもしれません。

 

レンズの価格差はカメラのレンズの世界に近いかと思います。

 

カメラのレンズも凝りだすとかなり高額なレンズが存在すると思います。

 

ただ最初から付属しているカメラレンズを使用するかたから、個人の好み等によって本体よりも高いレンズに交換するかた(もしくは複数所持する方)まで様々です。

(カメラに詳しくないのでネットで調べると100万円を超えるレンズも市販されているようです!!)

 

眼鏡も同じような世界です。

量販店のようにレンズをセット販売しているモノから、レンズだけで20万円程度するものまで様々あるのです。

 

では、本題に入ります。

 

レンズの価格差によって何が変わるのか?

 

まずレンズの種類によっても変わってきますので、種類ごとに説明していきます。

今回は単焦点レンズです。

 

単焦点レンズと累進レンズ(遠近両用レンズ)とは

単焦点って何?」って思う方もいるかもしれませんので、単焦点について簡単に説明します。

 

単焦点は、

通常40歳前後までの方が使うレンズです。(老眼鏡の場合もありますが)

また眼鏡をしたままで近くを見ることに困らない世代の方が、使用するレンズとも言えます。

 

累進レンズは、

40歳以上の方が使用するレンズです。

眼鏡をしたままでは、近くが見え辛い方が使用するレンズです。

テレビ等では遠近両用レンズと言われることが多いレンズです。

 

この二つでは、良いレンズの定義が若干異なりますので、二つに分けて説明していきます。

(あと分かりやすさを追求したいので、厳密にいうと強引な解釈もあるかもしれません。ご理解頂きたいと思います。)

 

国産レンズブランドといっても品質は様々

量販店等のHPを見ると「国産ブランドを使用」というフレーズを見ます。

 

「安売り店も国産ブランドを使用しているのなら安心だな」

と思う方もいるかと思います。

ただ決して国産ブランドのハイグレードレンズな訳ではありません。

日本のレンズメーカーも様々な品質のレンズを製造しています。普通に考えれば分かるかと思います。

 

家電、車、カメラなど日本の大手メーカーも色々な価格帯(品質)の製品を製造しています。

日本の大手レンズメーカーも同じで、高いレンズも安いレンズも製造しています。

 

では、良いレンズと悪いレンズの差は何なのか?

 

これも簡単に書きます。

良いレンズは、「コーティング等が丈夫」「透明度が高く」「商品出荷基準が厳しい」・・・

と言った感じで、レンズの品質は違います。

良いレンズは、「歪みが少なく光学的に優れ」「長期間良い状態をキープ出来る耐久性に優れた」レンズなのです。

 

恐らくここまでは知っている方も多いかもしれません。

調べればすぐ分かりますし、想像もできるかと思います

 

ここで終わってしまっては、このブログの意義がないので少し踏み込みます。

 

レンズの質は「レンズ」と「人」で決まる

ハイスペックレンズは本当に良いのか?

 ここからは、違う観点から書いていきます。

 

そもそも品質をそこまで気にしない・気にならない方もいるかと思います。

最低限のものが備わっていれば良いと思う方も多いかと思います。

これも他のジャンルのものと同じです。「普通に写真が取れれば良い」「車は普通に走れば良い」と思っている方がいるように。

こう言った方には、高品質なレンズはハイスペック過ぎるかもしれません。

 

ちなみに私も高品質なレンズも廉価版のレンズも持っています。

実際に廉価版レンズを掛けても見辛いといった煩わしさを感じたことはありません。

(もちろん品質の差は分かりますが)

こんなことを眼鏡屋の人間が言って良いのか・・・。

もっとも私は眼鏡を沢山所有しているため、一つの眼鏡を長期間に渡って酷使していないというのもあるかもしれません。一つの眼鏡を長期間使う方にとっては、大きな差を感じるかもしれません。

 

本当の差は人

 私がここでレンズ品質だけを考える方が怖いと思います。

 

眼鏡レンズが他の製品と大きく違う部分があります。

先ほどからカメラに例えてきました。

カメラはレンズを購入したら終わりだと思います。

この先の質は、購入した方の撮影技術次第だと思います。

(カメラに詳しくないので間違えていたら申し訳ございません)

 

眼鏡は違います。

 

眼鏡レンズは、どのようにして買うでしょうか?

 

眼鏡レンズを買う際、度数を決めなければいけません。

ではその度数は、どう決めるのか?

凄く当たり前のことなのですが、度数は眼鏡屋(病院)が決めます。

 

度数を決定し眼鏡を調整するのが、眼鏡屋の仕事です。

そこが眼鏡屋の腕の見せ所なのです。

 

強引にカメラに例えるなら、カメラにおける撮影技術が眼鏡屋の領域に属するのです。

影技術が低ければ良い写真は撮れません。

 

つまり良い眼鏡レンズを買っても眼鏡屋のクオリティーが低いと良い眼鏡にならないのです。その逆もあります。品質の低い眼鏡レンズでも、眼鏡屋のクオリティーが高ければ良い眼鏡が完成するのです。

 

眼鏡は購入者の腕は関係ありません。眼鏡屋の腕次第なのです。

 

 低価格なレンズしか置いていない眼鏡屋で良い眼鏡は作れない

 量販店に、高品質なレンズは取り扱っていません。

 

そのこと自体が問題なのではなく。

低品質なレンズしか扱っていない眼鏡屋には、クオリティーの高い販売員がいないというのが問題なのです。

 

先ほどまで、眼鏡レンズをカメラと比較して例えました。

ただ度数決定は、カメラに例えることはできません。

 

例えるなら料理人と言って良いかもしれません。

品質の悪い食材をクオリティーの低い料理人が調理したら・・・答えは酷いことになるのは明白です。ただ品質の悪い食材でも腕の良い料理人が調理したらある程度、旨いモノになるかと思います。しかし良いモノを知っている料理人が、品質の悪い食材を使うとは思えません。品質の良い食材を一流料理人が調理したら、それは素晴らしいモノになるのは皆さん知っているかと思います。

 

クオリティーの低い販売員は、お客様に適した度数を導き出すことが出来ません。

また調整技術も未熟のため、ストレスなく綺麗に眼鏡を掛けさせることも出来ません。

 

私個人の見解としては、レンズの品質よりも販売員の品質の方が問題なのです

「レンズの品質」と「販売員の質」両方が低ければ、目も当てられない眼鏡になるのです。

 

検眼は販売員の質の差が大きく出ます。

量販店の検眼の質は、一流店からだと考えらえないことが起こります。

何故このような数値を導き出すのか?と思うことが多々あります。

なぜ酷い数値が出るかは以下が考えられます。(私の憶測も入ります)

 

    やらなければいけない検査を行わない。

    取る必要のある数値をとらない

    度数決定のマニュアルがない。もしくは間違ったマニュアルを使っている。

④ 経験値が低い

 

この3点が大きな理由のように思います。

    ②は、致命的かと思います。

大げさかもしれませんが、医者が必要な検査をせずに病名を特定するようなものです。その測定を行わないと正しい度数にたどりつかない方もいるのです。確かに簡易検査だけでも正確な度数にたどり着いた可能性が高い方もいます。ただそんなのは結果論です。簡易検査だけではその度数が本当に合っているかはわかりません。詳しく調べて初めて正確な度数にたどり着くのです。

 私はそんな偶然の産物で度数決定することは許せません。

 

はいまいちわからないかと思います。(④とあわせて説明します)

 どの眼鏡屋にも検眼のマニュアルがあります。

 (殆どないという眼鏡店もあるかもしれませんが)

 これは接客におけるマニュアルのようなものではなく。

 光学理論、眼鏡学といった知識に基づいたマニュアルです。

 このことを正確に理解していないと度数決定は不正確なモノになります。検眼は、色々な要素が複雑に絡み合っているので、正確に理解できるようなるまでに多くの時間を要します。料理人の修行のようなものかもしれません。そんな私も15年以上この業界にいますが、いまだに勉強の連続です。

 

  一流店だと入社して3年ぐらいしてやっと検眼を一人で行えるといった感じです。それだけ高いレベルを求められているのです。(3年したら検眼を始めるのではなく、3年の間継続的に様々な知識・技術を身に着けるのです)

  三年で店舗責任者になれてしまうような眼鏡店とは全く違うのです。そもそも量販店に検眼知識を学ぶ時間はありません。そのため知識が浅い販売員でも度数を導きだせるような簡易的なマニュアルのもと度数を決定しているのです。その簡易マニュアルでは対応できない方は、多くいます。その対応が出来ない方にも簡易マニュアルに強引に当てはめるので、大きな間違いが起きてしまうのです。

  その度数で上手くいけば良いのですが、上手くいくかどうかは賭けです。賭けるかどうかは、ご自身の判断にお任せします。

 

次回は多焦点について説明していきます。

 

本日はここまで。

 

 

 

 

検眼で持っていくべきもの

フレームについてのブログが続いていましたので今回は眼鏡作りにおいての注意事項について書きたいと思います。

注意事項というか眼鏡屋からのお願いと言った感じです。

 

眼鏡を作るとき、絶対に眼鏡を持って行くこと

 

皆さん眼鏡を作りに眼鏡屋に行ったとき、眼鏡を必ず持って行ってください。

眼鏡を常に掛けている方は、眼鏡屋に行くときも眼鏡を掛けているはずなので特に問題はありません。

 

眼鏡を持っているのに眼鏡を持ってこない方の多くは、

 「普段コンタクトレンズを使用している」方です。

 

主な眼鏡を持ってこない理由

・家でしか掛けていないため持ってこなかった。

・眼鏡の度数があっていないため持ってこなかった

・普段掛けていないため持ってこなかった

・何年も前に作ったため持ってこなかった

・量販店の眼鏡のため持ってこなかった

・ただ忘れた

  ・

  ・

  ・

色々理由は考えられますが、

コンタクト装用者で眼鏡を持ってこない方は本当に多いのです。

 

ただ理由はどうであれ、眼鏡を持っていかなければいけません。

では持ってこなければいけない理由を書いていきます。

 

恐らく持ってこない方の多くは、持っていく「必要性」を感じていないのだと思います。そのため持ってこなかったのだと思います。

 

本当は必要なのです。

眼鏡を持ってこなくて良い方は一人もいません。

 

眼鏡を持ってこなければいけない理由

 「なんで自分に合っていない度数の眼鏡が必要なの?」

と思うかもしれません。

 

なぜ必要なのかというと、

「度数が合っていない」というデータが必要なのです。

 

今持っている眼鏡の度数が、「弱すぎて合っていないのか」or「強すぎて合っていないのか」まずこのデータが必要です。

「見え辛い=度数が弱い」と思う方も多いかと思います。しかしそうとは限りません。強すぎて見え辛いという方も珍しくありません。(目が悪い方の眼鏡を掛けると見え辛いのと同じです。)

 

お客様の主訴を把握し検眼を行うと、販売員がお勧めしたい度数が決まります。

しかしその「お勧め度数」と「現在使用されている眼鏡の度数」が、大きく違う可能性があります。度数の急激な変化は、慣れられない・掛けられない可能性が高くなります。眼鏡屋としては、掛けられない懸念がある度数をお客様に提案をすることを躊躇します。慣れられそうな度数の中で理想値に近いモノをお客様に提案するのです。

 

お勧めしたい度数が比較的強い度数だとします。

ここではその度数を100とします(00というのはざっくりした数字です。分かりやすく説明するために便宜上の数字と思ってください。決して度数そのものではありません)

 

現在使用している眼鏡が、「弱い10の場合」と「中程度60の場合」ではお勧め度数が全く異なります。家にある眼鏡が「弱い10の場合」、100は掛けられませんので70以下に抑える必要があります。理想より弱めの度数を提案せざるを得ません。逆に60程度のものを掛けているのであれば、理想的な100をお勧めできるのです。

ただこのお勧め度数は、現在使用の眼鏡がないと正確に導き出すのが難しくなります。現在の眼鏡のデータがないと、本来なら理想的な100を難なく掛けられる方にも100を提案することに躊躇してしまうのです。結果80程度の度数を提案し、80に決定する場合が出てきます。

80に決まっても問題は起きないかもしれません。ただ眼鏡を持ってこなかっただけで、妥協の度数になってしまうのは勿体ないと思いませんか?

 

今掛けている眼鏡の情報は絶対必要なのです。

 

 

人によって普通は違う

普通の度数とは?

 

殆どの方が自分自身を基準として考えています。

 

眼鏡の場合も同じで、皆さん自分にとっての「普通の見え方」があります。

ただ普通の見え方と言うのは皆さん違います。

視力で言うと、1.2以上見えないと見え辛いと感じる方もいますが、0.7見えれば全く問題ないと言う人もいます。1.2が必要な方にとっては、0.7で十分と言う方のことを信じられません。

その逆も同じです。

 

この差は大変大きいです。度数で言うと3段階から4段階程の差があるかと思います。

 

人によって普通な度数が、こんなにも度数が異なるのです。

 

何を言いたいかと言うと、

眼鏡を持ってきていない状態で、今掛けている眼鏡が合っていないと言われてもどの程度合っていないかがわからないのです。

 

検眼室では判断しにくい

 この話をするとこのように思う方もいるかもしれません。

「検眼している時に判断すれば良い」と思う方もいるかもしれません。

ただこれが意外と難しいモノです。

 

自分の必要な視力を数値として把握している方は稀です。

恐らく皆さんも知らないと思います。

また検眼しているのは、眼鏡店の検眼室(店舗)です。

あなたの知っている場所(職場、自宅、電車・・・)ではありません。普段見ないモノを見て判断するというのは思いの外難しいものです。眼鏡屋ではちゃんと見えていたのに、実生活に戻った時見えにくいということも珍しくありません。

 

 皆さん眼鏡を眼鏡屋に持って行ってください!!

 

 

ではまた後日。 

⑤OLIVER PEOPLESのお薦め出来ない点

 

前回までOLIVER PEOPLESの良い部分のみ書いてきました。

 

今回はOLIVER PEOPLESの問題点について書いていきたいと思います。

ただ問題点と言えないようなこともあるかもしれません。私の主観による見解ですので、私が好きになれない部分を中心に書いていきます。前回まで書いてきた「OLIVER PEOPLESの良い部分」が人によっては、お勧めできない部分になるかもしれません。

 

ファッション性は本当に高いのか? 

 無難なデザイン

OLIVER PEOPLESのファッション性は、そもそも価値あるものなのか?

 

私がこの業界に入った、OLIVER PEOPLESは「憧れのブランド」・「欲しいブランド」の一つであったように思います。ただこの業界に長い間従事しているため、眼鏡を見る力は付いていると自負しています。OLIVER PEOPLESで評価しているモデルもありますが、多くのモデルはマーケティング重視によって生まれたモデルです。そのため無難なデザインの眼鏡が多いのです。そのためファッションに合わせようとしたとき、OLIVER PEOPLESだと物足りないと感じることが多いのです。

 

様々なジャンルの眼鏡を作っているブランドですが、「このモデルでないといけない!」「どうしてもこのモデルが欲しい!」といったことが殆どありません。このジャンルなら「あのブランドの〇〇が良いな・・・」と言ったことが起きてしまうのです。

 

 代えがきくブランド

 OLIVER PEOPLESが欲しいお客様に眼鏡を紹介するときも同じです。

お客様の要望・容姿・趣向を把握できると、OLIVER PEOPLESでないブランドを紹介したくなります。(もちろん要望を聞いた結果、OLIVER PEOPLESが良い場合もありますが)

今までこのブログでお勧めしてきたブランドを紹介したくなります。

OLIVER PEOPLESを求めている方の殆どが、OLIVER PEOPLESでなければいけない方は少ないように感じます。殆どの方が漠然とOLIVER PEOPLESを希望しているようにも思います。

 

信じてはいけない決まり文句 

「友達に薦められた」

「雑誌で見た」

「以前掛けていて気に入っていた」

 

こんな理由の方が多いかと思います。

 

もちろんどれも購入動機として自然なことかと思います。

ただどれも盲目的に信じてはいけません。

「友人に薦められた」

果たして友人は眼鏡に詳しいのでしょうか?

数ある眼鏡からOLIVER PEOPLESを選んでくれたのでしょうか?

甚だ疑問です。それこそファッション関係の方でも眼鏡だけは、トンチンカンな方と言うのも珍しくありません。

 

「雑誌で見て気に入った」

これも大変危険です。

元々探しているデザインが明確にお持ちの方であれば、カタログ感覚で見つけるのは効率的で良いかもしれません。ただ殆どの方は、雑誌に載っていてブランドイメージ、スタイリングなどによっておpを憧れに近い感情を持たれています。でも雑誌によく出るのは当然です。OLIVER PEOPLESは、大きなブランド(会社)なため広告に多大な労力を咲くことができます。そのブランドが発信する「イメージ」という実態のないものを刷り込まれているのだと思います。結果、刷り込まれたイメージと気がつかずに「OLIVER PEOPLESが欲しい!」と思ってしまっているように思います。

 

「以前掛けたことがあって気に入っていた」

これももちろん間違いではありません。

では、あなたは今までにどれだけの眼鏡をかけてきたのでしょうか?

「様々な眼鏡を掛けてきた」「一流店で購入し、調整してもらっている」

この二点とも満たしていないのであれば、その体験による根拠は薄いと言わざるを得ません。薄い根拠のもとの判断が正しいとは言えないことは明白かと思います。もっとあなたに合った良いモノがある可能性を捨てないでください。

 

OLIVER PEOPLESを盲目的に欲しいと思っている方でも、こちらが丁寧に違うブランドをお薦めすると気に入って頂き他ブランドを購入されることが多いです。

 

一度冷静になって眼鏡選びを行ってみてください。

 

 

評価すべきBARTON PERREIRA

前回OLIVER PEOPLESのコストパフォーマンスの良さを指摘するため、バートンペレイラ(BARTON PERREIRA)を比較対象として挙げました。そこだけを見てしまうとバートンペレイラは、OLIVER PEOPLESよりコストパフォーマンスが悪く劣っているように感じてしまうかかもしれません。実際その部分だけを抜き取るとバートンペレイラの方が分が悪いかもしれません。

 

ただ前回も書きましたが、私はバートンペレイラの方を評価しています

では何がバートンペレイラの方が優れているのか?

 

バートンペレイラは、OLIVER PEOPLESよりも上品で、こだわりの「強いデザイン」「作り」をしています。

特に大人の方には圧倒的にバートンペレイラがお勧めなのです。

このブランドが使う生地(プラスチック)は、どれも綺麗で上品です。これはバートンペレイラが特別にオーダーした生地を使っているのです。またプラスチックの質感等にも拘っているため独特な高級感も併せ持っています。

 

またデザインもやり過ぎないが個性も出すという難しい加減が絶妙なのです。

 

アメリカでは、この二つのブランドは差別化が行われています。

バートンペレイラは「ファッショ感度が高い高級ブランド」、OLIVER PEOPLESは、色んなショップで購入できる「エントリーブランド」といった感じのようです。特に海外で販売されているOLIVER PEOPLESは、「日本製でないもの」=「イタリア・中国製」が多く流通しています。(日本に流通しているものは日本製のみです)

日本と海外ではモノが違うことが、原因の一つかもしれません。因みにバートンペレイラは、日本製に対して拘りが強いを持っているため世界中で日本製のものしかありません。

 

ダブルスタンダードなOLIVER PEOPLES?

二種類のOLIVER PEOPLESがある 

昔、同じモデルの「アメリカ企画(海外製)のOLIVER PEOPLES」と「日本企画(日本製)のOLIVER PEOPLES」を見比べる機会がありましたが、同じモデルとは思えませんでした。日本企画のモデルの方が凝った作りで高級感もありました。それこそ素人の方が見ても違いがわかるレベルでした。そして驚くことに「日本製の眼鏡の方が安い」のです。それが8年前ぐらいだったと記憶しています。

 

最近のOLIVER PEOPLESにも、中国製・イタリア製が存在しています。日本では流通していませんが、海外では流通しています。もしかしたら日本国内にも組み立てのみ日本で行い、パーツは中国製というモデルもあるかもしれません。ただ品質として問題を感じたことありません。問題がないのであれば、仮に中国製パーツが混ざっていても良いかと思っています。(因みに組み立てのみ日本でも日本製を名乗ることはできます)

 

普通のブランドは世界同一基準

 

様々なファッションブランドが、ブランドのイメージ戦略を重視しています。

その結果、世界同一基準で展開していきます。

同一基準と言うのは、価格・イメージ・展開の仕方全てが同じ基準で展開するのです。その結果、ライセンス商品やそれに近い商品は年々減っています。

(最近では、バーバリー三陽商会から離れたことはニュースになりましたが。これも似たような理由だと記憶しています)

 

眼鏡の社会でも同じことが言えます。

海外の有名眼鏡ブランドの殆どがイメージ戦略に長けていますし、細心の注意を払っています。その結果が、最近の海外ブランドの価格が年々高くなっている原因ともいえます。(以前から眼鏡の価格は、日本市場は安く、海外市場は高いのが実情でした。比較的最近になって、この価格の差異を埋める試みは定期的に行われています)

前々回このことは書きましたが➡

リーズナブルなブランド・OLIVER PEOPLES③ - 眼鏡のある生活

 

この少し捻じれた状態が今後のOLIVER PEOPLESが先行き不透明な部分でもあります。

流通する国によって商品展開をここまで異なるブランドは珍しいかと思います。(通常、アジアで展開するモデル、欧米だけで展開するモデルというのは珍しくありません。ただOLIVER PEOPLESのように品質まで異なるというブランドは、珍しいように思います。)

 

劇的に変わってしまう可能性があるOLIVER PEOPLES

 

OLIVER PEOPLESは、大きな会社です。

というか世界で圧倒的に大きい「イタリアのLUX OTTICA社」傘下のブランドです。傘下に入ったのが10年弱程前です。丁度そのころから中国製、イタリア製のOLIVER PEOPLESが生まれてきたように思います。

 

今後、OLIVER PEOPLESは、どうなっていくのでしょうか?

 

「世界基準」というブランド展開におけるセオリー通り、日本製のモデルが減ってきてしまうのでしょうか。可能性がゼロと言えないようにも思います。世界的ブランドのOLIVER PEOPLESが、日本だけ特別に今のままで行くとも思えません。

 

ただすぐに日本製のモデルがなくなるとも思えません。

 

OLIVER PEOPLESの日本製は、昔からオプテックジャパン(日本の有名メーカー)が手掛けています。ただあくまでOLIVER PEOPLESとオプテックジャパンは別会社ですので、オプテックジャパンとOLIVER PEOPLESの関係が解消される可能性も否定できません。仮にオプテックジャパンとの関係が解消されてしまうと日本製のOLIVER PEOPLESは一気に縮小されてしまうと思います。

 

ここまで日本で成功しているOLIVER PEOPLESですが、大きな舵をきる可能性を否定できないのには理由があります。

LUX OTTICA社は、品質よりもブランドのイメージ戦略の方が売り上げに直結することを誰よりも知っているからです。

 

RAYBANの実例

 

一つの事例から推測できます。

 

それは現在LUX OTTICAの傘下のRAYBANの事例です。

元々品質の高さが売りであったアメリカ製(ボシュロム社製)RAYBANを買収しました。買収後、イタリア製(もしくは中国製)に切り替え品質は明らかに下がりました。しかし過去のブランドとなり廃れたブランドのRAYBANが、ご存知の通り知名度も人気も抜群のブランドに急成長しました。

この事例を見てもLUX OTTICAの判断によって、OLIVER PEOPLESの展開の仕方が急激に大きく変わる可能性は大いにあると思います。最も現在はOLIVER PEOPLESは人気ブランドのため、大きなテコ入れはないかもしれません。しかしこれからも今と変わらないのも疑わしいものです。

そのためオプテックジャパンとの関係が途切れたとき、大きくブランドが刷新されるかと思います。

 

 眼鏡・サングラス市場は、欧米が圧倒的に大きいため日本での事情は考慮されないことも珍しくありせん。そのため日本でのイメージが、そのままグローバルのイメージに直結しないことも珍しくありません。OLIVER PEOPLESもその一つで、日本では高級でファッション性の高いブランドですが、海外だともっとカジュアルなブランドとして考えられています。今後、世界的な流れに会わせていくことも想像できます。

 

以上のことから眼鏡好き、ファッション好きの方からはそこまで評価されていないブランドかなと思います。ただビギナーの方には、お勧めしやすいです。まず最初に買う本格眼鏡としては、大変お勧めなブランドがOLIVER PEOPLESなのだと思います。

ただ今後大人の事情により大きくブランド自体が変わる危険性をはらんでいるのです。

 

では次回。

 

安心なブランド・OLIVER PEOPLES④

 

今回もOLIVER PEOPLESについて書いていきます。

 

    定番モデルを作らせたら右に出るものがいない

    ファッション感度の高さ

    クオリティーの高さ

    アフター等の安心感

    今後が不透明

 

前回③を語ってきました。

今回は③と④を絡めて説明していきます。

 

お勧めしやすいブランドOLIVER PEOPLES

 

 一販売員としてOLIVER PEOPLESは、お勧めしやすいブランドです。

何故お勧めしやすいのか改めて考えてみました。

 

その前に、

逆にお勧めできない眼鏡(ブランド)ってどんな眼鏡なのかを考えてみたいと思います。

 

私に限らず販売員が「お勧めしにくい」「躊躇する」ブランドは間違いなくあると思います。

それは、「販売した後に問題が起きる可能性があるか?」

この問題が起きる可能性が高いブランドは、どうしても販売するのを躊躇します。

 

日本人は、世界で一番品質にうるさい国民です。

欧米人が全く問題ないという眼鏡でも、日本人には不良と捉えることも珍しくありません。むしろ多いように思います。

その日本人に販売するので売る側としては、神経を使う部分になります。

(実際、海外ブランドを検品すると多くのものを返品することも珍しくありません)

 

そのため日本製の眼鏡は、お勧めしやすいのです

 ここで日本製は品質が良いのでお勧めしやすいで終わってしまったら、今まで書いてきたことと何ら変わりはないので、今回はもう少し踏み込んだ内容にしたいと思います。

 

 

品質が高くても問題は起こる

 

一流ブランドの日本製眼鏡全てが、品質が良いのか?

 

一流ブランドの日本製眼鏡は、基本的に品質が高いです。

またモノづくりにプライドを持ち、良いモノを作り出そうという気概があると思います。

 

しかし品質は高い日本製なのに、問題が起きることも珍しくありません。

 

「品質が高いのに何故問題が起きるの?」

 

と思う方も多いかもしれません。

 

ただ現実は、

「品質が高いブランドでも、問題は起きることは多々あるのです」

 

どのような問題が起こるか?

それは「構造に無理がある」という問題です。

殆どの場合は、後日に「無理があった」と気が付くことが多いようにも思います。

(中には問題を事前に気付いていることもあるかもしれません)

 

デザイン性の高い眼鏡の弊害

構造に無理があると言うのは最近多いように感じます。

恐らくファッション性の高い眼鏡(ブランド)が増えたことに起因しています。

ファッション性の高い眼鏡は、デザイン(見た目)先行で眼鏡が企画・デザイン・製造されていると思います。

決してデザイン重視で眼鏡を作ることを否定しません。

私はファッションが大好きなのでデザイン重視で作ること自体、今後も継続して欲しいと思っています。

 

デザイン・独自性を重視すると言うことは、新しい形を作り出すことになります。

新しいデザインと言うのは、見たことがないほど奇抜なデザインだけではありません。

新しい形と言っても、一見普通のデザインに見えるものもあります。

眼鏡は小さなアイテムです。

1ミリ1度のデザインの違いを追求しなければいけません。

またブランドが初めて使う「素材」「素材の組み合わせ」「フレームの細さ」「溶接方法」「カラー」等と言ったミクロな部分にも拘らないと違いを生み出すことはできません。この部分は一見わかりにくいものです。

一見普通に見えても、そのブランドにとって初めての方法にはリスクを伴います。

 

新作のリスク(日本製でも)

どんなリスクが考えられるかというと

 

    プラスチックフレームを細く・薄くしたことによって歪みやすくなる。または壊れる。

    逆に太くしたことによって、想定外の箇所に必要以上の負荷がかかる。結果壊れやすく歪みを出る。掛け心地が悪い。

    カラーを凝ったことによって剥がれやすい。もしくは何年か使用した後、汚い状態になってしまう。

    素材の相性が悪く、傷が付きやすい。(フレーム同士が擦れることによって等)

 

③と④は重なる部分があります。

新しい素材を使ったことによってカラーが剥がれやすいこともあります。

 

今挙げたことはどんなブランドでも起こりうるリスクです。

ただノウハウを持ったブランドは、上記のことが起きにくいのです。

 

問題が起きにくいブランドで真っ先に思い浮かぶのが、

OLIVER PEOPLESなのです。

 シンプルに作っているのも大きな要因かも知れませんが、最近は凝ったモデルも作っています。それでもこのブランドは大きな問題を起こすことは稀のように思います。

 

 日本のブランドは品質は総じて高いです。

 ただ新しいブランドが出す新モデルは、どうしても問題が発生する恐れがあります。眼鏡づくりのノウハウ・経験が乏しいのだと思います。

(実際流行のクラシック眼鏡でも問題が起きることはあります。普通に見える眼鏡でも問題は起きています)

丁寧に作っていても問題の発生を予見できないのだと思います。

(また日本の眼鏡作りは分業制をとっているため、パーツ毎・工程毎には最高なモノが作れるかもしれません。ただ眼鏡全体を総合的に判断することが出来ていないのかもしれません。)

 

品質にリスクを取りたくない方へ

眼鏡選びにリスクを極力負いたくない方もいるかと思います。

定番を選ぶ良さに、「流行に左右されないデザイン」があるかと思います。

それに加えてフレームに問題が起きにくい良さもあります。

新しい構造は、問題が起きる可能性があると言いましたが、逆に定番モデルは、長い間作り続けているため、リスクが低いのです。その眼鏡(構造)を発表した頃、仮に問題が起きたとしても改良を行っています。

また根本的に問題があり改良できないモデルは、ロングセラーになることはありません。問題が起きる日本製眼鏡を日本の小売店が仕入れし続けることはありません。(最も海外のデザインありきのブランドの場合は、改良されずに販売され続けていることも珍しくありません。ただ日本では幅広く流通することはないかと思います)

中には定番モデルばかり作っているブランドもありますが、そのようなブランドの多くはファッション性・デザイン性に劣るものが多いです。結果人気は出ません。そのようなブランドは思い切った新作を作ることはせず、定番を作り続けるのです。

(もちろんそれはそれで存在価値のあるブランドだと思います)

 

OLIVER PEOPLESの凄さをまとめます。

(前回のブログを含めて)

「ファッション性が高い」

「定番モデルも多く」

「品質が高い」

「問題が起きにくい」

そして「コストパフォーマンスが高い」

 

まとめるとこのブランドが絶大なる人気があるのも頷けます。

 

まず最初の一本のOLIVER PEOPLES

 眼鏡初心者の方が、とりあえず「程よく格好良く、品質の良い眼鏡」を探している方には本当にお勧めしたいブランドです。最初は誰もが自分に似合う眼鏡はわからないかと思います。何を買うべきかわからず、微妙な眼鏡を買ってしまう方も多いものです。

 

結果、考えて眼鏡を買ったはずなのに、眼鏡選びの基準は何も見つからないのです。問題は解決せず、振り出しに戻るのです。

 

 このような眼鏡選びに迷子状態の方にこそ「OLIVER PEOPLES」はお勧めなのかもしれません。このブランドは、「王道」です

このブランドを買うと、不思議と自分が「買うべき眼鏡」「欲しい眼鏡」も見つかってくるのです。(もちろん買ったOLIVER PEOPLESが一番気に入る可能性も有ります)

 

また眼鏡をある程度持っている方も、初めて挑戦したい形・ジャンルが生まれる場合もあるかと思います。初めて掛ける形は、誰もが違和感があるものです。その場合も、とりあえずOLIVER PEOPLESを試してみてください。本当に似合うのか、似合わないのかも見えてくるかと思います。

 

試しに買う余裕なんてない!と思う方も勿論多いと思います。

そんな方も是非試してみてください。

試すというのは、買って試すのではなくお店で試着してみてください。試着はタダです。

そこで「似合う」のか「似合わない」のか、「もっと大きい」「もっと小さい」「こんな雰囲気が良い」のが欲しいとか見えてくるかもしれません。そのような感情が生まれたら臆せず店員に相談してみてください。答えが見つかる可能性が高いと思います。

(万能なOLIVER PEOPLESも全員に似合うわけではありません。)

販売員に相談した時、満足いく答えが得られなかったらその店を見限ってください。

その基準となるブランドとしてOLIVER PEOPLESを使うのも良いかもしれません。

 

    アフターの安心感

 安心という項目についても簡単に触れておきたいと思います。

日本のブランドにも言えることかもしれませんが、OLIVER PEOPLESはアフターケアも充実したブランドです。

アフターケアというと、調整・クリーニング等が思い浮かぶかもしれません。この項目は眼鏡店が担うところだと思います。ただメーカー(ブランド)が担う部分ももちろんあります。眼鏡が壊れたときの修理・パーツ交換等です。ただこの必要なブランドのアフターケアもメーカーによってまちまちです。

OLIVER PEOPLESは、壊れにくいという安心がある上に、壊れた時も安心です。よっぽどな状態でなければ修理が行うことが出来ますし、パーツも長期間保管しているブランドと言ったイメージがあります。

 

海外製ブランドのアフターの問題点

因みに海外製の海外ブランドは、修理が出来ない可能性が高いのです。また壊れたパーツを交換することもできない場合があります。

例えば、メタルフレームのカラーが剥がれてしまったとき、日本製のブランドは再メッキ・カラーに対応してくれます。海外製の眼鏡で、再メッキ・カラーを行っているブランドは殆どありません。

では、カラーが剥がれたらどうするのか?

「諦める」「剥がれた部分のパーツのみ交換する」「日本の修理工場で再メッキ・カラーを行う」・・・対応できる方法はこんなところです。

 

ただ全て完璧な方法ではありません。

「諦める」は説明の必要がありません。

「パーツ交換」で解決しない可能性が高いのです。海外ブランドもパーツは保持していますし、パーツ交換の対応はしてくれます。ただ海外製の眼鏡は、品質に難があるため、同じパーツが、同じ形をしていない可能性が高いのです。

海外製の眼鏡は、品質・形にバラツキがあるのです。眼鏡は一ミリ一度ずれただけで、上手く組み立てることは出来ません。(もっとも眼鏡において、一ミリ一度は大きな誤差です。そう考えると日本の技術力の高さに驚かされます。)

海外ブランドパーツを取り寄せ組み立てると、半ば強引に掛けられるように調整していきます。見栄えとしてあまり良いモノではありません。ひどいと掛けること自体できません。

 

パーツ精度が悪いことは広く知られているため、眼鏡屋の方でも率先して受けることを躊躇します。

 

「日本の修理工場で行う」場合はなくはないのですが、お客様自身が希望することも殆どありません。もちろんお勧めしません。なぜなら色味が完全に変わるからです。海外ブランドは、色にも特徴があります。その色に惹かれて購入したはずです。その色が変わるので、この方法を選択するのは稀です。

 

今回もOLIVER PEOPLESの話から脱線しました。

次回はOLIVER PEOPLESの問題点についても書いていきます。

 

ではまた後日。

 

 

 

 

リーズナブルなブランド・OLIVER PEOPLES③

 

OLIVER PEOPLESの特徴③

    定番モデルを作らせたら右に出るものがいない

    ファッション感度の高さ

    クオリティーの高さ

    アフター等の安心感

    今後が不透明

 

前回から③について書いていましたが、今回はその続きについて書いていきます。

 

前回に引き続き「眼鏡の品質」に着目しながら「OLIVER PEOPLESの品質の高さ」

につて書いていきたいと思います。

前回プラスチックについて書いていきました。

それ以外の素材、技術力の差について書いていこうかと思いましたが、以前似たような

ことを書いていました・・・

 

①高品質な良い眼鏡(その四) - 眼鏡のある生活

 

一度こちらも参考にしてみてください。

 

 では、OLIVER PEOPLESの品質はどうなのか?

 

メタルの溶接、メタルへのメッキ・カラーともにOLIVER PEOPLESは優れています。どちらも大きな問題が起きることが稀です。この技術力はファッションで評価されている海外ブランドのとしては珍しいかと思います。

 

最近、海外ブランドでも日本製というブランドは年々増えているように思います。

しかしOLIVER PEOPLESは、その中でも貴重で重要なブランドです。

何が貴重かというと。

 

リーズナブルなOLIVER PEOPLES

OLIVER PEOPLESは、リーズナブルなのです。

眼鏡に詳しくない方だと

OLIVER PEOPLESがリーズナブル?」

と思うかもしれません。

 

アメリカブランド市場価格 

確かにリーズナブルというと語弊があるかもしれません。

コストパフォーマンスが高いと言った方が良いかもしれません。

日本にある一流アメリカブランドの殆どが高額です。

同じような眼鏡であれば、OLIVER PEOPLESより一万円以上高いかと思います。

OLIVER PEOPLESのシンプルなプラスチックフレームは3万円程度で買うことが出来ます。(もちろんJINS,ZOFFと言った眼鏡に比べれば安いとは言えません。)

では他の一流アメリカブランドのプラスチックフレームの価格は以下の感じです。

 

BARTON PERREIRAは、4万円~4万5千円。

DITATHOM BROWNEは、5万円程度します。

 

最もDITA等は凝ったディテールをしています。ただシンプルなデザインを求めているのであればDITA等は無駄に高いと言っても良いかもしれません。

 

BARTON PERREIRAは、OLIVER PEOPLESと似たコンセプトを持っているので、BARTON PERREIRAと比較していきたいと思います。

(似ているのは当然で、BARTON PERREIRAのデザイナー等はOLIVER PEOPLES出身の方なのです)

先に断っておきますが、私はBARTON PERREIRAを物凄く評価しています。それこそOLIVER PEOPLESより好きです。

ただ今回はOLIVER PEOPLESの良さについて書いていきたいと思います。

 

先ほど述べたようにOLIVER PEOPLESBARTON PERREIRAは、価格の差が大きいです。シンプルなプラスチック枠で、一万円の差があります。ただ品質はどちらが上なのか・・・

 

答えはOLIVER PEOPLESです

(ここでの品質は、壊れにくいと言った点です)

実際に二つのブランドを見ていますが、OLIVER PEOPLESの方が壊れにくいように思います。最もBARTON PERREIRAが弱いのではなく、OLIVER PEOPLESが強いのです。

 

またBARTON PERREIRAが高いのではなく、OLIVER PEOPLESが安いのです。

 

「一流ブランドのカテゴリー」で考えるとコストパフォーマンスが高いと言えるのです。

 

では何故OLIVER PEOPLESは安いのか?

(私の憶測も入ってくるので参考程度にしてください)

 

    日本の眼鏡メーカーが大きく関わっている

    日本は眼鏡が安い

    数多く流通している

    シンプルなデザイン

 

この辺が原因かと思います。

では順に説明していきます。

 

    日本の眼鏡メーカーが大きく関わっている

 

OLIVER PEOPLESは、日本製であると書いてきました。

他の海外ブランドの日本製とOLIVER PEOPLESの日本製は若干意味合いが異なります。日本に流通しているOLIVER PEOPLESは、日本のあるメーカー(オプテックジャパン)が一手に引き受けています。そのためオプテックジャパン=OLIVER PEOPLESと考えて大きな間違いではありません。(実際私がこの業界に入ったとき、オプテックジャパンが親会社で、OLIVER PEOPLESというブランドを傘下に収めていると勘違いしていました)勘違いするぐらい密接な関係のため、殆ど日本のブランドです。

逆に、他ブランドはこんなイメージです。アメリカブランドが、日本のメーカーに外注しているといったイメージです。そのため生産コストがかさむのです。

 

    日本は眼鏡が安い

意外かもしれませんが、日本は眼鏡が安いのです

(量販店・スリープライスと言った安価な眼鏡は含みません)

一流眼鏡は、日本が安いのです!

海外ブランドが日本に入ってくるとき、この市場に苦労するようです。

なぜ日本は、安いのか。

日本は世界有数の眼鏡産地・鯖江があります。産地が地元にあるため安くできます。また海外ブランドはブランディングなどが巧みのため価値を高めることが得意です。逆に国産ブランドはブランディングが上手くないため品質にふさわしくない安い価格が付いています。

(このようなことは、どのジャンルでもあるかと思います。洋服・靴・キッチン用品など日本の方が、品質が高くても海外ブランドより安いということは多いかと思います。)

そのような安く品質の高い眼鏡が溢れる日本に、品質の低い海外ブランドが自国と同じような高い価格を付けることが出来ないのです。

 

 ただここ何年かで流れが変わってきています。

 

 最近海外ブランドは、年々値上げが行われています。

前述のBARTON PERREIRADITAなどは大幅に値上げが行われています。

BARTON PERREIRAが日本に入ってきたときの価格をご存知でしょうか。

答えは「3万円前半」だったのです。

それから7,8年程度で一万円値上がりました。因みにOLIVER PEOPLESは微増です。

ただ値上がりしたBARTON PERREIRAですが、ブランドの本音は「もう少し値上げが必要」なのです。

 

表向きはコスト高といったことを理由にしていますが、一番の理由はブランディングです。ブランドイメージを大切にしたい一流ブランドは、極力グローバルな視点でブランディングしているため日本だけ安いと言うiことは避けたいのです。そのため定期的に値上げを踏み切っているのです。そのため品質・モデルが同じであっても値段が上がっているのです。結果、OLIVER PEOPLESはよりリーズナブルに感じるのです。

 

ではOLIVER PEOPLESは、なぜ値上げしないのか?

(ここからは私の推測も入ります)

 

日本ほどOLIVER PEOPLESはアメリカ本国では高級ブランドとして考えられていないのです。OLIVER PEOPLESは何処でも買える眼鏡と思われているらしいです。(ファッションとは無縁の街の眼鏡屋でも買える眼鏡と言った感じのようです)

日本で流通しているOLIVER PEOPLESは全て日本製になりますが、ただ海外で販売されているOLIVER PEOPLESは、中国製、イタリア製が混じっています。(もちろん偽物という意味ではありません。また日本で流通しているモノにもパーツ製造は、海外製で組み立ては日本製というものもあるかもしれません。)

逆にBARTON PERREIRAは、日本でも海外でも日本製のものしかありません。

 

逆にBARTON PERREIRAは、高級でファッション感度の高い方が注目するブランドという位置づけです。そのブランドの位置付けも日本での価格に大きく影響しているようにお思います。

 

また、今の価格に慣れた日本の消費者に急な値上げも難しいのかもしれません。そして今の価格が需要と供給のバランスが取れているのだと思いますし、今の価格でブランド価値を思としていないのも大きいのかと思います。

 

 

    数多く流通している

これは当たり前かもしれませんが、OLIVER PEOPLESは一流眼鏡としては他を寄せ付けないほど知名度が高いブランドです。(直営店が数多くあることからも想像できるかと思います。他の眼鏡ブランドは、直営店は殆どありません)

それこそ日本では、様々な年齢・性別・マインドの方に人気があります。

数多く作ることが出来れば価格は抑えること出来るのは皆さんご存知かと思います。

 

    シンプルなデザイン

これも説明不要な部分かも知れません。

OLIVER PEOPLESはシンプルなデザインが多いです。

 

そしてシンプルなデザインはコストが掛かりません。

 

シンプルな眼鏡は、パーツが少ないのです。

モノを作るにおいてパーツが増えるとパーツを作るために型を作る必要があります。その型代がコストに大きく影響してきます。シンプルだとそのコストを抑えることが出来ます。

一つのブランドを見てみると分かりやすいかもしれません。

シンプルなプラスチック枠とコンビネーション枠(もしくはメタル枠)は間違いなく価格に差があります。OLIVER PEOPLESも3万円と4万円と一万円程の差があります。

同一ブランドでの価格に差に疑問を持たれるかもしれませんが、単純にどっちがパーツにお金が掛けているのかなのです。

もっともOLIVER PEOPLESは、型のコストを抑えるためにシンプルにしているわけではないかと思います。OLIVER PEOPLESからシンプルなデザインを取ってしまったら存在価値を失うように思います。

 

そして③につながりますが、

新しいモデルを作るためにかかった高いコストも数多く作り、かつ売れればコストはすぐに回収できます。そしてOLIVER PEOPLESは、人気が常に高いためどのモデル大変売れています。

規模の小さいブランドだとどの程度売れるかわからないため生産数を制限しなければいけませんし、どの程度売れるかわからないのでリスクを商品の値段に付加せざるを得ません。結果高くなるのです。

 

また話が長くなりましたので、また後日。

かなり話が脱線したような気がします。

 

 

知っておくべきブランド(OLIVER PEOPLESの質の高さ)②

 OLIVER PEOPLESの特徴②

    定番モデルを作らせたら右に出るものがいない

    ファッション感度の高さ

    クオリティーの高さ

    アフター等の安心感

    今後が不透明

 

 

前回、①②について書いていきました。思いのほか長くなりましたので二回に分けて書いていきます。

 

では早速進めていきます。

 

③クオリティーの高さ

OLIVER PEOPLESが、長年高い人気を維持してきたのにはファッション性と言った見た目の部分だけが理由ではありません。

もう一つの理由は、間違いなく品質の高さです

OLIVER PEOPLESは、日本に流通しているものは、基本日本製になります。

 

品質の高さとして、

1、壊れにくい。

2、調整が行えるようになっている。

3、何年後かに大きな問題が起きることが少ない。

が挙げられます。

 

では詳しく。

1、壊れにくい

当たり前と言えば当たり前のことかもしれませんが、物凄く重要な箇所かと思います。多くの方が一つの眼鏡を長く使用するので当然かと思います。

(もっとも眼鏡屋の立場からすると複数所持をお勧めしますが・・・)

OLIVER PEOPLESが特に優れていると感じるところを書いていきたいと思います。

 

 では語る前に知って頂きたい素材の特性について書いておきたいと思います。恐らく知らない方も多いかと思います。

 

「眼鏡の素材について」(プラスチック編)

眼鏡は大きく分けてメタル枠とプラスチック枠があるかと思います。

(当たり前すぎることを書いて申し訳ありません)

 

今回はプラスチックについてです。

インターネット通販やブランド商品タグには、プラスチックとしか書いていないことが多いように思います。しかし眼鏡を扱う人間からすると、アバウト過ぎる情報です。

眼鏡で使われるプラスチックは、「アセテート」「セルロイド」「インジェクション製法用の素材」があります。個々の素材特性はまた後日にします。

 

今回語りたいのは、アセテート素材についてです。

というのも品質が良い眼鏡に使われる素材として一番ポピュラーな素材だからです。もちろんOLIVER PEOPLESアセテートを使用しています。

ここまでは、少し詳しい方であると知っていることかと思います。

 

ではここからが本題です。

今回知っていただきたいところです。

 

プラスチック(アセテート)にも品質の差があります。

(勿論チタン等メタルにも品質の差があります)

 

靴の革、洋服の綿・ウール・・・他のファッションアイテムでは、皆さん素材の品質の良し悪しがあることを知っていると思います。

ただ眼鏡の素材で使われるプラスチック(アセテート)・チタンは、何故か全て同じ品質と捉えている方が多いのです。冷静に考えると同じのはずがないと分かるとは思います。

 

では、「アセテートの品質の良し悪しとは何なのか?」

眼鏡に必要な要素を考えると答えが見えてくるかと思います。

 

「形が変わらない」

 

他にも答えはあるかもしれませんが、一番重要な要素かと思います。

「形が変わる?」と思うかもしれません。

 

アセテートは形が変わります。

詳しく言うと、

     「縮みやすいモノ」「縮みにくいモノ」があります。

    「硬いモノ」「柔らかいモノ」があります。

 

項目を分けましたが①と②は重なる部分があります。

「縮みやすいモノ」は柔らかく、「縮みにくいモノ」は硬いのです。

皆さん想像付くかと思いますが、硬くて縮まないモノが眼鏡の素材に向いています。硬くて縮まなければ変形を防ぐことが出来ます。またメンテナンスも行いやすく、長期使用に耐えられます。

 

恐らくここまで読んでいただくともう一つ疑問が浮かぶかもしれません。

「では柔らかくて縮みやすいアセテートって何に使われているのか?」

また「どのようにアセテートの質を見極めるの?」

 

気になるのは当然かと思います。

 

ではどう見極めるのかを簡単にレクチャーします。

 

「発色の良いモノ」「綺麗な柄物」「オリジナリティが高いモノ」を使用している眼鏡は総じて柔らかく縮みやすいです。そしてそのような生地を使用するブランドは海外製の眼鏡(イタリア、フランス等)の眼鏡が殆どです。

 

柔らかい生地を使う眼鏡ブランドは、ブランドコンセプトの特性上致し方ない部分でもあります。

 

 *生地・・・洋服と同じようにプラスチックのことを生地と言います。

 

アセテートを眼鏡に使用する際、通常アセテートを寝かしてから使用します。

この寝かす時間が大変重要になります。寝かす時間が短いと生地は柔らかく縮みやすいモノになってしまいます。

であれば寝かせばいいじゃないかと思う方もいるかもしれません。確かに寝かせれば良いのですが、そうできない事情があります。

 

 発色が良いモノを作りたいブランドは、ヨーロッパのブランドに多いのですが、彼らは作った素材をいち早く商品に使いたいのです。ファッションと考えればわかりやすいかもしれません。寝かしている間にその生地が時代遅れの柄(色)になってしまうかもしれないからです。

そのためそういったブランドは、寝かしが甘い生地を使う必要があるのです。

 

ここで一つ補足をしておきます。

柔らかいアセテートを使用する=二流ブランドかと言うと必ずしもそういうわけではありません。発色の良い・綺麗・オリジナリティがある生地を使ったブランドは、個性的で唯一無二なデザイン性を兼ね備えています。そのようなブランドは人気も高く、評価されます。(もちろん眼鏡関係者からも)

デザイン性が一流の眼鏡ブランドが、普通の生地を使用していたら存在価値のない眼鏡に成り下がってしまいます。

 

何を言いたいかと言うと、

「眼鏡に何を求めるかと言う事です」

洋服にも同じことが言えるかと思います。

繊細な生地等を使用することによって、シルエット・デザイン性が高くファッション性の高い洋服が好きなのかor耐久性があり長く着られる普遍的なデザインの服が好きなのか。どちらも本人の好みかと思います。

 

そのため趣味趣向が分からないお客様から

「お勧めの眼鏡ブランドは何ですか?」と聞かれても大変困るのです。

答えは「人によって違う」からです。

 

皆さん一度眼鏡に何を求めるか整理された方が良いかと思います。

 

アセテートの説明が長くなりましたが、OLIVER PEOPLESの話に戻します。

OLIVER PEOPLEの眼鏡は縮みにくく変形しにくいアセテートを使用しています。発色が良いアセテートは殆ど使用しませんが、オリジナリティのある生地は使用しています。そして、それはブランドを代表する生地のため長年使用されています。OLIVER PEOPLESの生地はオリジナリティがありますが、長年使用されているため寝かすことが出来ていると推測できます。

 

 眼鏡に必要なクオリティーの高さは、生地以外の部分に表れています。

 プラスチックの生地以外にも、使われているメタルなどの素材自体の質も高く感じますし、溶接・メッキのクオリティーも高いと思います。日本製らしいブランドであると感じることが多々あります。

 

 それ以外にも品質の良さというか、長年培ってきた経験値の高さを感じるときもあります。このことについても今回のブログで書いていこうかと思いましたが、アセテートのことが思いのほか長くなりましたので、次回に回していきます。

 

二回に分けて説明するつもりでしたが、三回(四回?)に分けることにしました。

 

ではまた後日。