眼鏡のある生活

素敵な眼鏡ライフを送るためのブログです。

高品質な眼鏡を買っただけでは足りません

ここまで眼鏡そのものについて解説してきました。
今回から、「眼鏡」そのものではなく「眼鏡店」について書いていきたいと思います。

 

眼鏡だけでは不完全

高品質な眼鏡は、市場に多く出回っています。
様々な眼鏡ブランドを比較検討し、自分が気に入った眼鏡ブランドを見つけることをできるかと思います。

 

ここで問題です。

 

眼鏡を選ぶだけで完結してよいのか?

買っただけで、本当に良い眼鏡を掛けることが出来るのか?

答えは、NOです。

高品質な眼鏡というモノを買っただけでは、不完全です。

なぜなら眼鏡は、調整が必要だからです。
(ここでは、検眼といったレンズといった光学的なことは抜きで考えていきます。)

調整技術次第で眼鏡は別物に

調整というと簡単な行為のように思えてしまいますが、本当は大変重要な行為になります。

洋服屋さんのズボンの裾上げと言ったレベルと違います。

どちらかと言うと「仕立て屋」のクオリティーが必要なのです。
殆どの眼鏡店が調整を無料で行っています。「無料」サービスのため、消費者の方の中には、技術力を要すると思われていないのかもしれません。

 

少し話が脱線します。
眼鏡の調整・クリーニングが無料というサービス。

いつから始まったのか分かりませんが、悪しき習慣のように感じます。その店の顧客に対して行うのは勿論良いと思います。サービスの一環と捉えることが出来ます。

ただ顧客でない方が、当たり前のように無料で行ってもらう・・・こんな方は珍しくなありません。つまり「眼鏡の調整は、無料でやってもらえるもの」という概念は広く認識されている証拠かと思います。
ただこのサービスっておかしいって思います。

というのも靴屋で靴を無料で磨いて貰おうとする人いないと思いますし、洋服屋に無料でアイロン等を掛けてもらおうとする人もいないのではないでしょうか?

 

調整次第で眼鏡の格好良さは大きく変わります。

眼鏡の調整技術を、料理人の腕と置き換えてみてください。

 皆さんご存知の通り、最高級の食材が手に入っても料理人の腕によって味は大きく異なります。それこそ「素人の味」と「一流の料理人の味」では、天と地の差が生まれると思います。料理であれば、皆さん「当たり前でしょ」と思うと思います。

殊に眼鏡に関していうと「調整技術に差がある」と思っていない方が多いようです。もっと言うと眼鏡を調整することを知らない方すらいるのが現実です。

 

ただこの技術が、眼鏡を格好良く・長時間ストレス掛けるのに大変重要な要素なのです。それこそ眼鏡そのものよりも重要かもしれません。

最も高品質(有名ブランド)眼鏡を買うことさえできれば、欲求が満たされるミーハーな方にとっては、どうでも良いかもしれません。
ただ普通の方は、高品質な眼鏡を正しく格好良く掛けることを望んでいるはずです。(私はそう願っています)


では眼鏡の調整技術レベルが低いと何が起きるのか。

① 眼鏡の掛け位置が安定しない。
② 掛け心地が悪いと長く掛けられない
③ 睫毛・頬が眼鏡に当たり掛けることすら出来ない

 

①眼鏡の掛け位置が安定しない

適当な調整になると掛けたい位置で眼鏡が安定しません。これはよく街中で変な位置で眼鏡を掛けている方がいるかと思います。(敢えて下げ目に掛ける方もいるので下がっているのが全て悪いというわけではありません。)
せっかく格好良い眼鏡を掛けているのに、格好良く見えず・安っぽくダサい眼鏡を掛けている人になってしまいます。結果、周りの評判は良いはずがありません。

そうなってしまうと、本人も「良い眼鏡を掛けても・・安い眼鏡を掛けても同じか・・」と考えてしまっても不思議ではありません。

 

② ③長く掛けられない

(似たような項目なので一緒に説明します)


何度も言いますが、眼鏡は調整をしないといけません。調整をしないと長時間かけられない可能性が高いです。痛かったり緩かったりしたら掛け続けることが苦痛になります。

眼鏡の場合、この掛け心地は調整次第でどうにでもなります

恐らく眼鏡並みに「心地」が重要なアイテムがあります。
それは靴だと思います。
靴は、最初から自分の足型にあったモノを選ぶことが大前提になっていると思います。眼鏡にも同じ理論を持ち込む方が多いのです。

眼鏡は店頭の状態から調整をして自分の顔に合わせていきます。


ただ靴と眼鏡を同じと考えている方は本当に多いです。

そのため未調整状態の眼鏡を掛けて、掛け心地が悪い=自分に合っていないと思ってしまう方がいます。そう思う方が多いため、眼鏡ブランド自体が未調整でも掛け心地がある程度良いように眼鏡を作っています。そのこと自体悪いことではないことですが、そんなブランド(モデル)は格好良くないことが多いです。デザイン<売るための機能になっているからです。

眼鏡は調整をします。
店頭に置いてある眼鏡を劇的に変えることも珍しくありません。
仕立屋のオーダー品のように原型がないぐらい変えていきます。

シャツで例えます。
首周りはきつすぎる、袖が長すぎる、丈が短すぎる、胸がパツパツだったとします。殆どの方は、買うのを諦めると思います。
眼鏡は諦めないでください。
九割以上の可能性で掛け心地を良くすることが出来ます。

店頭では掛けることすら出来まかった眼鏡でも、普通に長時間かけ続けることが可能です。

 

低レベルな眼鏡店の悪

ただこの調整の技術は、一朝一夕で身に付くものではありません。
人、店によって大きく差が出る部分であります。
技術力の劣る眼鏡店は多いです。9割以上の眼鏡店が何かしらの問題を抱えていると言って良いと思います。(実際に統計を取ったわけではないので私の感覚的な数字になります)

その技術力のない店舗で購入した方が、眼鏡選びの選択肢を狭めてしまう契機になってしまっているのが悲しい現実です。

 

価格の安い眼鏡を販売している眼鏡店であれば罪は軽いと思います。買う側もそこまで期待していないからです。掛け心地が悪くても安い眼鏡だから致し方ないと思うからです。

罪が重いのは、高品質な眼鏡を販売しているのにレベルが低い眼鏡店です。

そんな店は、高品質な眼鏡を掛け心地が悪く長時間掛けられない眼鏡のまま販売します。結果それを買った方は、眼鏡が調整次第で掛け心地が良くなるという考えは生まれません。最悪なケースは、良い眼鏡も悪いい眼鏡も差がないと考えてしまうことです。

 

このような眼鏡店は、ファッションとしての眼鏡の可能性を狭めてしまっていると言えます。どうしても若い方をターゲットにしている眼鏡店は、技術レベルが低いことが多いのです。技術レベルの低い眼鏡店で初めて高品質な眼鏡を買った若い方(年は関係ないかも)が、「間違った状態の眼鏡をかけてしまう」「間違った知識を身につけてしまう」…もし最初から正しい知識を身につけることができていれば、その後の眼鏡人生は全く違うものになったことでしょう。

こんな不幸なことはありません。

 

このことは次回もう少し触れていきます。

ではまた後日

 

流行を気にしない眼鏡選び

 

ファッションについて書くことが続きましたので、このままファッションについて書いていきます。できる限りブランドに絡めて書いていきたいと思います。
今回は、少し軽いネタを書こうかと思います。
ただあまり語られることがないことについて。

 

ファッション的に失敗しない眼鏡選び

 流行っている眼鏡は簡単に見つかる

「今流行っている眼鏡は○○」「注目の眼鏡ブランドは○○」「今買うべき眼鏡は・・」と言った特集は定期的に雑誌等で組まれます。実際、気になる方が多い事柄なのだと思います。もし知りたい方がいれば、好きな雑誌等で確認をしてみてください。仮に眼鏡特集が組まれていなくても、流行りの眼鏡は確認できます。スナップ・スタイリング等で眼鏡・サングラスが使われているかと思います。そこで使われている眼鏡・サングラスは旬なモノが使われているからです。

 

流行眼鏡を知る術は簡単に見つかりますので、今回ここで改めて書いてもしょうがないかと思います。(今後書くことはあるかもしれませんが)

 

失敗しない眼鏡選び

そのため今回、
「こんな眼鏡を買っておけば、失敗しない」と言った観点から書いていこうかと思います。

眼鏡を探しで悩んでいる方の悩みで
「せっかく良い眼鏡を買うのであれば、失敗はしたくない」
と考えている方は多いです。

では「失敗したと思う眼鏡選び」とは、どんなケースか
何点か考えられと思います。
似合っていない眼鏡を選ぶというのは言うまでもなく、それ以外にも失敗した眼鏡選びはあります。

① ファッション的に遅れている・ださい眼鏡
② 流行の眼鏡を選んだせいで、流行が終わった時掛けることが恥ずかしい眼鏡

自分が気に入れば良いと思う方も多いかもしれませんが、ファッション(流行)を恐れている方は思いのほか多いです。寧ろ自分さえ良ければ良いと思う方より圧倒的に多いと思います。そんな思考の方が多いため、流行が生まれるのです。

そんな方のために、時代遅れと感じさせない・失敗しない眼鏡選びについても書きたいと思います。
時代遅れ、ファッション的にかけていると恥ずかしい眼鏡は、雑誌には載っていません。(そもそもそんな特集をしてしまうと眼鏡店・ブランドからクレームが来てしまいます)

 

眼鏡流行の変遷


10年ぐらい前から今、今後とどんなものが流行ったのかを整理します。そこを整理すると見えてくるものがあります。

眼鏡は他の身の廻り品に比べて圧倒的にファッションアイテムとして遅れています。
他のファッションアイテムは、定番が何年も前からもあったと思います。
ただ21世紀の自分から考えると定番と思っているかもしれませんが、それが爆発的に流行したとき、それが定番になると思わなかったはずです。

よくファッションは繰り返されると言いますが、眼鏡はやっと一周したところです。そして眼鏡の定番が何なのかわかってきました。

 

流行を気にしない方が良い理由 

今クラシック眼鏡がブームは長い間続いていると言われています。
ただこれは本当にブームなのか?
私はブームを超え定番になったと思います。


「クラシックの眼鏡が流行っていますが、そろそろ終わりそうですか?」と聞いて来るかたは、流行が終わった時その眼鏡を掛けていることが恥ずかしくなるのを恐れているのでしょう。その気持ちはわかります。特に今のファッションは、ベーシックで良いものを長く使いたい方が大変多いです。
ただ眼鏡の場合、気にしない方が良いかと思います。

 

理由は、
① 眼鏡の流行の移り変わりは緩やか
② 人気ブランドの代表的モデルはすたれない
③ クラッシクな眼鏡=定番である。
④ 他の人(一般の人)はわからない。


① 眼鏡のファッションは緩やかな変化です。

そのため今年流行ったモノが、次の年に時代遅れということはありません。また多くのブランドは、売り切れ(廃版)でない限り次の年も手に入ります。実際眼鏡店には、3、4年ぐらい前のモデルも普通に陳列されています。それに気が付く方は中々いません。
(アパレルブランドの服の殆どは、翌シーズン手に入らないと思います。)。

 

② 人気ブランドは流行に左右されない傑作がある(④の項目も含む)

15年ぐらい前、細い眼鏡が本当に流行りました。
天地幅25mm前後の細長い眼鏡です。その当時は、細い方がシャープで若々しいと言われていた気がします。

そして今、細い眼鏡を雑誌等で見かけなくなりました。
ただ雑誌等で見かけなくなりましたが、販売は普通にされています。そして掛けている方も多くいます。
10~15年前から人気が継続しているブランドは、今でも販売していることが多いように思います。
例えば、このブログでも何度か名前が出ていますが、
LINDBERG、IC!BERLIN、OLIVER PEOPLES、999.9、STARCK、ALAIN MIKLI、OAKLEY・・などはその当時天地幅が狭い眼鏡を多く出していました。
流行の変化によりクラッシクな形の眼鏡を多く出していますが、今でも天地幅の狭いものを出しています。

 

確かに今の眼鏡と比べてしまうと古さを少なからず感じてしまいますが、依然と洗練された雰囲気を出してくれます。流行っていないのに現在も販売されているのは、完成された形であるからです。
淘汰されずに時代を生き抜いたという事実は凄いと思います。

 

また同時期、日本ブランドを中心にクラッシクな職人系眼鏡が流行りました。金子眼鏡がうまい打ち出し方をした結果、一気にファッション好きの若者を中心に流行っていったと思います。(当時のクラッシク系眼鏡は比較的天地幅が浅めのものが多かったです。)

そしてこのクラッシク系の眼鏡が一気に流行り、海外の老舗ブランドの復刻(もしくはヴィンテージに影響を受けたブランド)が全盛期を迎えます。それは今も続いています。
この10年クラシック眼鏡は流行っていますが、クラッシク眼鏡も少しずつ変化しています。
天地幅が浅いクラッシク眼鏡➡太くて大きい黒縁➡丸みが出てくる➡さらに丸くなりかつ細くなる➡金属パーツをどこかに使用する➡丸くて天地があるメタルフレーム。と言った順に変化してきています。

流行は色々と変化しましたが、どのジャンルのクラッシク眼鏡も今でもいくつかは残っています。(完成された傑作は消えずに販売され続けます)

 

そして残る眼鏡があるように、もちろん消えた眼鏡も多くあります。

 

細い眼鏡・クラッシク眼鏡で消えたもの。

やりすぎたデザインは長続きしないように思います。流行りだすとブランドは差別化を図るため市場にない眼鏡を探します。結果デザインが疎かな眼鏡、埋没しないようなウケを重視した眼鏡が市場に出てきます。

どんな眼鏡が消えたかというと、
「細すぎる眼鏡」「細いうえにレンズがカーブしている眼鏡」「鮮やかなカラーの細い眼鏡」は現在見かけることが本当に少ないです。色々な要素が入っている眼鏡は消えて行きます。

またクラッシク眼鏡で「大きすぎて太すぎたモノ」は消えました。ただこのクラッシク風眼鏡は最初から消える感じはありましたが・・

 

今流行のクラッシク眼鏡の中で消える可能性がある眼鏡

① かなり大きい眼鏡
② メタルとプラスチックのコンビネーション(メタルは艶ありのゴールド)
③ クラシック色が強いフレーム(縦長すぎるもの)

今あげた要素が一つだけなのであれば、今後も使い続けることが出来るでしょう。ただこの要素が複数(すべて)入っている眼鏡は今後急速に消えて行き可能性が高いように感じます。

 

流行遅れを気にしているかたであれば、OLIVER PEOPLESの眼鏡を選んで頂ければ火傷はしないかと思います。復刻モデル(505等)・コラボモデルは注意が必要です。実際、上の黒×金の眼鏡はこのブランドの復刻です)
この眼鏡は王道の眼鏡をシンプルに作るのが大変うまいブランドです。冒険したくない方には本当にお勧めです。

 

眼鏡選びで流行を恐れるな!

ただ眼鏡はそこまで流行を気にしない方が良いかもしれません。
なぜなら眼鏡そのものの寿命は、5年ぐらいだからです。

(毎日同じ眼鏡を使用する場合。5年以上経つと眼鏡そのものが劣化していてみすぼらしいです)

そして前述の通り、眼鏡の流行は劇的に変化しません。そのため5年程度であれば、「流行遅れの眼鏡をしている」と思われることは稀です。
であれば、自分自身が流行っている眼鏡を気に入ったのであれば、臆せずトライして下さい。流行りが終わるかもしれないと思い無難な眼鏡を選び5年掛けるより、良いと思ったものを五年かけた方が有意義だと思います。


時々良い眼鏡を買うのだから10年以上使いたいと思っている方がいますが、毎日使って10年は結構運が良いかたかと思います。(仮に使えたとしても状態はボロボロなのでやめておいた方が良いかと思います。)
眼鏡を10年使い続けられると思い込んでいる方、一度冷静になって見てください。
靴、洋服等全てに言えますが、1つのものを使い続けて10年ちゃんと持つものがあるでしょうか?あるのなら教えて頂きたいです。
普通の大人なら靴は何足か履き替えているかと思います。ちゃんとしている方なら2、3足をローテーションし、休み用にも靴を用意しているはずです。ファッション好きな方なら一週間で一回しか履かないのではないかと思います。それを考えると眼鏡はむしろリーズナブルです。
そもそも眼鏡を一本で済まそうとするのもやめた方が良いかと思います。
どんな眼鏡も壊れます。レンズに傷が付くことも考えられます。壊れてから焦って買うのは、大人としてスマートでないように感じます。是非複数所持をして頂きたいと思います。

 

ではまた後日。 

 

アランミクリの現在位置

 

アランミクリの今

 

たまたま二人の方から同じブランドについて質問を受けたので、予定になかったのですが今回はアランミクリ(alain mikli)について書いていきたいと思います。
アランミクリを知っている方も多いかと思います。90年代か00年代一世風靡した眼鏡ブランドです。ただ最近はあまり聞かれることのないブランドです。

 

このブログを書き始めるとき、アランミクリのことは完全に頭にありませんでした。完全に存在を忘れていたわけではありません。なぜなら東京に直営店が幾つもあるため、度々アランミクリをみかけるからです
今の眼鏡シーンを語ろうとしたとき、アランミクリのことは頭に浮かびませんでした。
しかし眼鏡の「歴史」を語ろうと考えとき、アランミクリは真っ先に思い浮かびます。

 

私の中でアランミクリは、「過去のブランド」だと捉えています。

 

アランミクリが眼鏡における功績は絶大で唯一無二の存在です。「ファッションとしての眼鏡」という新しいステージを切り開いたと言ってよいと思います。アランミクリが眼鏡の可能性を高め、10年いや20年歴史を早めたのです。

 

アランミクリの評価

「小さな魔法使い」様からの質問
フランスのアランミクリというブランドは、どう評価されていますか。 専門家のご意見を伺いたい。(お勧めできる眼鏡?お勧めできない眼鏡?)
(一部抜粋)

 

〈答え〉
簡単に言うと「アランミクリの歴史的評価は絶大だが、今は終わったブランド」というのが私の主観的感想です。

アランミクリの歴史的価値は、「見るため・見られるための眼鏡」というコンセプトのもと革新的で美しい眼鏡を世に送り出し、皆が知らない世界・価値観を提供したのです。それこそゼロの状態から一人で世界を作り上げた。こんな眼鏡ブランド今までありませんでしたし、これからも生まれないかもしれません。
そして革新的で挑戦的な眼鏡が、「ビジネス的にも成功した」ということも驚きです。

 

私の中でアランミクリの評価は何年も前に止まっていました。
そのためアランミクリの今を久しぶりに確認してみました。
感想は、予想以上に残念な今でした。

今のアランミクリに新しさ・驚きは全く感じられず、「昔あったな・・」という感慨深い懐かしさを感じました。復刻モデルが多いように感じました。
もちろんアランミクリが生み出したモデルの復刻なのでパクリではもちろんありません。
ただアランミクリの強みは、クリエーションであったはずです。常に世界を刺激し続けていたアランミクリはいなくなってしまったように感じます。

 

アランミクリについて調べて驚いたこと。

調べる前に推測していたこと

・日本での人気が熱狂的だった分、その反動で急速に人気が無くなった。

・市場が大きいアメリカ等でのビジネスに注力するために日本市場は軽視した。
・世界では依然と人気があり、ブランドの価値を維持している。

 

ただ調べれば調べるほど残念な事実が分かってきました。

上の推測は、全て裏切られました。

 

まずアランミクリのことを調べることが難しかった・・・
この情報化社会の中、ブランドの情報が手に入りにくいブランドってありますか?程度の差はありますが聞いたことがありません。あえてブランド価値を高めるために情報を制限しているのかな?とも思いましたが、そうでもなさそうでした。

なぜならINSTAGRAMを活用していました。
ただこのINSTAGRAMを見てさらに驚きました。
フォロワーが5508(2017年3月1日現在)。眼鏡ブランドは他のファッションブランドに比べれば影響力は低いですが、5000って少なすぎます。つまり世界のファショニスタは、アランミクリに興味がないのでしょう。一応念のために言いますが、アランミクリはファッションブランドです。通常ファッションブランドは、フォロワーが多いものです。

参考までに、MYKITA・・9万 OLIVER PEOPLES・・14.7万 CUTLER AND GROSS・・4万。

桁が違います

 

今でも人気があるのが日本。

また公式ホームページを見てまた驚きが、直営店が世界に15店舗あるようですが、その半分以上(9店舗)は日本です。
アランミクリの中で日本市場は大きなウェイトを占めています。

この事実から日本以上に世界では、終わったブランドとして認知されているのではないでしょうか?

 

ルックスオティカ買収後のミクリ

「ミクリばかり」様からの質問
ルックスオティカ傘下に入ってからの傾向について興味があります。近年は人気が衰えたせいか、以前より価格が抑えられて買いやすくなったと感じています。商品の殆どがイタリア製に変わっていることによるものなのでしょうか。
(一部抜粋)

 

〈答え〉
ミクリばかり様の指摘があった通りアランミクリは、5年程前にルックスオティカ傘下に入っています。その少し前にはイギリスの投資会社が経営に関わっていたようです。

 ファッションブランドから停滞した高級ブランドへ 

丁度そのころからミクリが変わった記憶があります。

ブランド力を高め、さらなる高級路線へ進んだように思います。

直営店もしくは特約店での販売を重視し始めます。そしてルクスオティカに買収されたあと直営店をさらに増やしていった覚えがあります。百貨店への出店が多かったように思います。
この展開の仕方がミクリの人気低下に拍車がかかったように思います。

百貨店に入ることで箔は付くのかもしれませんが、それがブランド価値・知名度を高めるとはいえません。百貨店の人気は下降線を辿っていた時代です。伊勢丹なら良かったのかもしれませんが、ミクリが入った百貨店は松屋、阪急と決してファッションに強いと言えない百貨店でした。

そもそもミクリは革新的で挑戦的なブランドだったはずです。それが旧来的な百貨店に力を入れるのはブランドが鈍化した証拠のように感じます。

実際、百貨店にあるファッションブランド中には、かつて人気はあったが「今は終わったブランド」が幾つかあると思います。皆さんも何個か思い出せるのではないでしょうか。ファッションを知らない富裕層に支えられているブランドです。

 

ただファッションブランドには、そのような終わった・終わりかけていたブランドが復活したブランドも多いかと思います。
よくあるパターンは、新しいデザイナーを招聘し劇的にブランドを変えることによって復活したブランドは多いかと思います。中には創業デザイナーが健在であっても強引なデザイナー交代を伴うことも珍しくありません。

アランミクリの場合は行われていません。

人気は低迷していてもコアなファンのおかげで売り上げは落ち込んでいないのか、代わりのデザイナーがいないのか、劇的な変更が行われた形跡はありません。変えない理由はわかりませんが、ミクリが過去のブランドとなってしまっているのは間違いがありません。

 

価格が抑えられる理由 

価格を落とした、イタリア製に切り替えたというのは、やはりルクスオティカの傘下に入ったのが大きいと考えるのが普通かと思います。ただ人気が落ちて価格を下げるというより、利益が上がるバランスに価格を設定したと考えています。

コストを下げるために大規模な工場があるイタリアの大規模工場で製造をしたほうがコストをさげれます。(また私の憶測になりますが、中国製も交じっていてもおかしくありません。ルクスオティカは、中国工場のルートは間違いなく持っています。また組み立てさえイタリアで行えばイタリア製と名乗れるので純粋なるイタリア製でないかもしれません)

 

また過去の「売れる」名作の復刻を頻繁に行っています。
眼鏡製造において一番コストが掛かるのは金型作りです。

金型にコストが掛かるため一部のブランド・ショップオリジナルは、新作と言いつつ使用しているパーツは使いまわしの場合が多いです。
ミクリの凝ったデザインも以前の金型コストは既に回収済みのはずです。そのため価格を抑えることは可能だと思います。ただこの復刻モデルを多用する手法もアランミクリの存在意義を失わせる要因の一つかと思います。革新を忘れ安定を求めたファッションブランドが支持されるとは思えません。

 

アランミクリを勧められるか?

改めてアランミクリについて調べての私の結論

やはり昔のミクリには今見ても斬新で革新的な美しい眼鏡が多いです。

ただあくまで昔の作品であり今の眼鏡ではありません。新作を常にチェックした方が良いブランドではないかと思います。

どちらかというと90年代のファションを今のファッションに外しで取り入れる面白さ、古着(ヴィンテージ)をファッションに取り入れる感覚かと思います。ミクリが持つインパクトは、何年経っても色あせない眼鏡です。

 

どんな時代・ファッションになろうともアランミクリの独自性は忘れられないことでしょう。

 

 

ではまた後日

 

 

 

 

 

お勧めできないブランド①AYAME

お勧めできないブランドを書く理由

ここまでお勧めしたいブランドを中心に書いてきましたが、今回はお勧めしたくないブランドを上げたいと思います。

批判することに少々気が引ける部分があります。ただ今回は批判記事を書きたいと思います。眼鏡の批評で称賛する記事を見かけることは多いですが、批判する記事を見かけたことは殆ど見かけません。情報を発信する立場(雑誌、ショップ)の方も嫌いなブランド、評価していないブランドを各自持っています。しかし批判記事を見かけることはありません。それは健全ではないように思います。
その健全でない雰囲気に風穴を少しでも開けたいかと思い書くことにしました。
今回私が書く記事を一つの参考にしていただければ幸いです。そして私の意見を知った結果、信じるか信じないか皆さんの感覚にお任せします。
ここで上げるブランドも完全に私の主観で述べていきたいと思います。
また比較的知名度があるブランド(雑誌での露出が多い)ブランドの中から指摘していきたいと思います。ある意味ここで上げるブランドは、評価が高いと世間的には思われている可能性が高いです。

この項目を上げるにあたって、真っ先に浮かぶブランドがあります。

 

お勧めできないブランド①

「AYAME」

AYAMEとは➡ayame i wear design

眼鏡業界・ファッション業界の人間で知らない人はいないかと思います。
また一般消費者の方にも良く知られていますし、好きな方も多いかと思います。そして雑誌への掲載も多いため、格好良く、評判が高いように感じているかもしれません。


ただ私の評価は低いです。
また業界の中でも評価していない人間が多いです。

 

「では何故で雑誌で取り上げられるのか?」
「何故取り扱い店舗が多いのか?」
と疑問を持つ方も多いかと思います。

何度か書いていますが、雑誌のことを鵜呑みするのは危険です。話半分で参考にした方が良いのです。雑誌もビジネスであるということを。

また取扱店も多いです。
小売店は、「ブランドのクオリティの高さを顧客に勧めたいから販売するケース」と、「売れるから販売するケース」の二つに分かれます。

AYAMEは、後者です。

売れるブランドのため、評価してはいない店舗も販売していることが多いです。
売れるから販売することは珍しくありません。このようなことは、どんな業種にも当てはまるかと思います。

 

現場の評価は低いが販売される代表ブランド「RAY‐BAN」
今のレイバンも評価は高くないが、売れるから取り扱う代表的なブランドです。それこそ一流ブランドを取り使う眼鏡店にとって、レイバンはクオリティの低い眼鏡です。しかし販売を行っているのは売れるからです。また店を知ってもらうための入り口になるために扱うのです。


AYAMEを評価できない理由

オリジナリティがない
何度も書いていますが、ファッションにおいて一番重要な項目はオリジナリティだと思っています。
AYAMEの眼鏡を見て、格好良いと感じるかもしれません。
それはAYAMEが参考にしたブランドが格好よいのです。はっきり言ってAYAMEの眼鏡は、有名ブランドの模倣です。格好良い完成されたオリジナル眼鏡に無駄なディテールを付加するため、美しいデザイン・形は失われます。ショップオリジナルのような眼鏡になります。

YELLOWS PLUSを見るとAYAMEに似ていると思うかもしれません。それもそのはずです。AYAMEのデザイナーは。YELLLOWS PLUSのデザイナーに師事していたのです。他にもAYAMEが影響を受けているブランドはいくつかあります。ドイツブランド「LUNOR」もその一つです。

LUNORとは➡https://lunor.com/
私も全てのモデルを見たことがないので、一概には言えませんがAYAMEのセルフレームを見たとき「LUNORに似ている・・・!?」というある意味衝撃を受けたことを思い出します。

LUNORというブランドを知っている方も多いかと思います。
眼鏡が好きな方・ファッションが好きな方、クラッシクなものが好きな方にとって物凄く有名なブランドです。ただ一般的な方にとっては聞きなれないブランドかと思います。

LUNORは、業界人の評価が大変高いブランドです。LUNORが似合わなくても、持っていなくても総じて評判が良いブランドです。またファッション好き・本物を求める方にとって憧れのブランドと言ってよい眼鏡なのです。
今クラッシク眼鏡が全盛ですが、LUNORは、そのジャンルの大御所ブランドです。古き良き美しい眼鏡を今の時代にアップデートさせ、世に送り出された眼鏡と言って良いかと思います。このブランドに少なからず影響を受けているブランドは多いかと思います。ただAYAMEのように直接的な影響(模倣)をしてしまうのは、恥ずかしさを感じます。


AYAMEの優れている点。

では何故売れているのか。
もちろん売れるには理由があります。
マーケティングが優れている。時代を読む力がある。
② 雑誌への働きかけ、良いモノに思わせる力がある
③ 眼鏡が、ファッションにおいてマイナーなジャンルである。

国産ブランドの弱点であるファッションとのリンクが、AYAMEは本当に優れています。
ブランド側から発信はもちろんのこと、雑誌を活用・利用することが上手く、ファッション性が高いと思わせることに優れています。
またファッションに対してアンテナを立て時代が求めているモノを世に出すことが出来るのもこのブランドの強みかと思います。この利点が、雑誌側からの受けが良いのも頷けます。

ただ基本、何が流行っているのか・何が格好良いのかをいち早くキャッチし商品化していくブランドです。元がないと成り立たないビジネスモデルなのです。元というのはインスピレーションを受けるといった間接的なモノではなく、現実にある眼鏡の刷り直しなのです。ネタ元を知っている人間から見ると評価が低いのは当たり前です。

 

ただこれが成り立つのも眼鏡業界特有なことかもしれません。
眼鏡はマイナーなジャンルです。

ファッションとして受け止められるようになったのも比較的最近です。そのため眼鏡そのものを知らない人間が、まだまだ多いのです。そのため模倣してばれませんし、消費者も気が付きません。そのためブランド(特に国産ブランド)は、安易な模倣に走るのかもしれません。

 

この眼鏡業界で働きだして改めて気が付いたこと


本当に良いものを探すとき信じられるのは最終的に自分自身だということ。
流行っているものを効率的に素早く取り入れるのであれば、雑誌等の媒体を使った方が良いのは間違いない。自分らしく自分にとって良いものを長く使いたい、もしくは高品質なものを長く使いたいと思ったとき他者の評価は純粋に信じるべきでないと思います。
以前書きましたが、日本製3万円を超えるようなブランドに品質が悪いものはありません(もちろん低価格で品質の悪い日本製眼鏡もありますが)
AYAMEの眼鏡を見て良いものだと感じてもおかしくありません。眼鏡の品質は決して悪くありません。ただ特段優れていることもありません。それは、品質・デザイン全てにおいて。


私の願い


皆さんには価値ある眼鏡を知っていただきたいし、価値ある眼鏡が正当な評価を受けてほしい。
最も拘りが強すぎてビジネスに向かないブランドが多いのも確かです。私が願っていても当事者は今のままで十分なのかもしれません。

ただそのせいで価値ある眼鏡が知られることなく、ビジネス感覚に優れたクオリティの低い眼鏡を掛けることになってしまうのは見るに忍びありません。

本物を知った結果、模倣物が欲しいのであれば問題はないかと思います。実際、本家ブランドのサイズ・デザインが全く似合わず模倣しているブランドのサイズ・デザインが似合う方もいるのも確かです。ただ知らずに掛けるのと、知って掛けるのとでは大きく違うと私は信じています。最も本物を見れば本物の良さに気が付くはずです。

 

私の感覚がずれているのかもしれません。本当はAYAMEのデザイン性は大変優れているのかもしれません。どのように受け取るかご自身の感覚を皆さん信じてください。

 

ではまた後日

ファッションと眼鏡(それ以外の国産お勧めブランド②)

国産のお勧めブランドをもう少し挙げるつもりでしたが、中々思い付きません。EYEVAN7285、YELLOWS PLUS、ARUMAMIKA、PROPO DESIGNの4つで止まっています・・・。

お勧め国産ブランド(次点)

眼鏡・ファッションに詳しい方の中には、「○○や○○を忘れてない?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。ただ私は現役で眼鏡業界に従事している人間なので、それらのブランドを恐らく忘れていません。知名度ならこれらのブランドに匹敵していても(もしくはもっと有名)、お勧めは大変し辛いです。

少し考えます・・・思い出します。

 

そして思い出したブランドを上げていきます。度忘れしていたり、私があまり詳しくなかったり、若干お勧めするか迷ったりしたブランドは簡単に紹介していきます。

 

度忘れブランド 白山眼鏡

どんなブランドか➡白山眼鏡店 - HAKUSAN MEGANE|HOME

上野発の老舗眼鏡店です。
昔はセレクトをやっていたようですが、今は眼鏡ブランドとして確固たる地位を築いています。卸はやらずに直営のみでの販売になります。白山眼鏡の凄さは、安易なショップオリジナルが多い中、自分たちのデザイン・スタイルを持っていることに尽きると思います。そのためファッション関係者(特にモノを知っている本物な方々)に支持されているイメージを私は持っています。ファッション関係者・雑誌関係者に支持されている○○といったブランドはありますが、その関係者の質はピンキリです。あまり言葉通りに信じない方が良いかと思います。

そんな中、白山眼鏡を支持している方は、本物な方が多いように感じます。それこそ卸をやらない上に、広告もあまり載せないブランドのため、ビジネス関係の義理で購入するケースは比較的少ないはずです。また自店に直接的メリットがないにもかかわらず雑誌で紹介する方もいます。自腹でも購入したいと思わせるブランドって、純粋にクオリティが高いと言って良いのではないでしょうか。

白山眼鏡のデザインは、YELLOWS PLUSと同じようにオリジナリティあるデザインです。白山眼鏡らしいモデルは、普遍的な美しさを持ったものになっています。

余談ですが、ジョン・レノンが掛けていたブランドとしても有名なブランです。

こう考えると忘れてしまっていたのが失礼でした。

 

 

お勧めするか迷ったもの

①NATIVE SONS

Native sonsって➡NATIVE SONS

「男らしい眼鏡」って感じです。

「ラギット」「革ジャン」「ロック」「バイク」「アメリカ」と言った骨太なものを連想させるブランドです。最近少ないテイストの眼鏡なので貴重かと思います。オリジナリティある形・力強さは面白いかなと。このブランドに関わっている人間が、日本在住のアメリカ人による国産ブランドというちょっと変わったブランドです。このアメリカ人は質への拘りは強く、それこそ日本人以上に質への拘りが強くクオリティが大変高いです。

今回この項目での紹介になったのは、私の好みでないというのは完全に主観的な理由です。このブランドに似合う方、好きな方にはたまらないブランドかと思いますし、是非掛けて頂きたいブランドです。

(ということは、お勧めブランドと言って良いのかも)

 

②光輝、GMS

光輝、GMSって➡

COLLECTION | 増永眼鏡株式会社(福井県福井市 眼鏡フレーム製造・販売)

日本を代表する増永眼鏡が作るブランドです。

個人的に凄く格好良い眼鏡だとお世辞抜きに思っています

ただ増永眼鏡は、老舗のため過去の莫大なアーカイブを所持しているはずなのですが、いまいち生かし切れていないブランドかと思います。もっともっと凄いものを作れると思っています。デザイナー、広告など大きなテコ入れがあれば一気に注目されるブランドであり、素晴らしい眼鏡を作れるポテンシャルを持つブランドだと期待しています。

高い期待が、この項目での紹介になりました。

 

凄いと思うが好きでないブランド

JAPONISM

JAPONISMって➡About JAPONISM - BOSTON CLUB

凄いブランドだと思いますが、好きになれないブランドの筆頭のようなブランド。
JAPONISMは、いくつかのシリーズに細分化されています。

その中のJAPONISMらしいものは、独自性が大変強いです。

らしいもの➡JN-592 - BOSTON CLUB立体的なモノが多いです。

眼鏡店の販売員も「JAPONISMが好きそうなお客様だな」と言うと、皆が同じイメージを共有できるほど強いイメージがあります。そしてこのブランドが好きな方も似た雰囲気を持っているので、JAPONISMが好きそうな人と言えばだいたいどんな人か分かるのです。ただ洋服が好きな方・センスがあると言われる方に、このブランドを掛けている方は殆ど見かけません。靴で言うとやたらとつま先がとんがった革靴のイメージです。(ARUMAMIKA、PROPO DESIGNと違い完全に男性的な眼鏡です)

ただ靴と違うのは、安いブランドではなく、むしろ日本の技術の結晶のような高品質ブランドです。

ただ最近は、クラシックなシリーズを出したり、別ブランドになりますがBOSTON CLUBと言ったクラシカルな眼鏡を出したりと以前のイメージとは違うものになっています。(BOSTON CLUBは、JAPONISMを作る会社名でもあります)
完全に主観になりますが、色々やるブランドは好きになれません。ポリシー、コンセプトが定まっていないと感じます。元々のJAPONISMらしい形は好きではないですが、その形を追求してくれた方が、好感は持てました。
ただ最近のクラシカルなモデルも、しっかりJAPONISMフィルターを通しているので、独自性を出せているとは思います。ただそのJAPONISMフィルターが、あまり好きになれません。(主観です)

 

 

ファッションと眼鏡(それ以外の国産お勧めブランド①)

 

前回は、お勧めのファッション性の高い2ブランド(EYEVAN7285とYELLOWS PLUS)の紹介をしました。
今回は、2ブランドほど評価は高くないが、ファッション性が高いと思っているものを簡単に紹介していきます。何回かに分けて紹介できればと思っています。(もちろん私の主観によってのお勧めになります。)

ファッション性が高い・・・ファッションの観点から格好良いのは当たり前です。その上に「オリジナリティがある」ことを指しています。(このブログ内では、こう定義しています)

 

お勧めブランド① ARUMAMIKA(アルマミカ)

ARUMAMIKA ってこんなブランド➡

Arumamika / アルマミカのメガネ - Continuer 恵比寿 / 正規取扱店

 

変わったブランド


最近眼鏡を知るようになった方には、聞きなれないブランドかもしれません。それはそのはずです。流通量が圧倒的に少ないからです。なぜ少ないかというと、少し変わったブランドなのです。
普通、眼鏡ブランドは年二回の展示会で新作を発表します。そして毎回5~20型ほどの新作を作ります。(型数は、ブランドによって大きく違います)。どの業界でも定期的に新作が発表されるかと思います。
このARUMAMIKAは、驚くことに新作が不定期発表なのです。一年程新作を発表しないことも珍しくありませんし、発表したと思ったら2型だけ・・といった常識を覆すブランドです。ビジネス的観点からあえて希少性を狙い、型数を減らしているわけではなく、単純にデザイナーの感性によって決まっているようです。そのため小売店(バイヤー)の評価が高くても店として全面的にプッシュすることは、難しいブランドなのです。

余談ですが、ブランドを紹介するためにブランド公式HPのリンクを張りたかったのですが、すぐに見つからなかったので小売店のページを張りました。

 

ではARUMAMIKAの素晴らしいところ。


YELLOWS PLUSと似た部分があります。シンプルで美しい形が秀逸です。デザイナーがセンス溢れる女性ということもあるのか、デザイン・フォルム・雰囲気が海外ブランド・日本ブランドどちらにもないものがあります。(特に国産ブランドは、男性デザイナーが圧倒的に多いです。もしくは女性というだけで、センスを感じさせない方も多いかと思います。)

デザインが優れているだけではなく、何と言っても独特の雰囲気がたまりません。

こんな方にお勧め↓
眼鏡にシャープさなどを求めている方にはお勧めできませんが、流行りのノームコア(もう死語かもしれませんが)な服が好きな方。

良く眼鏡選びで「普通な眼鏡が欲しいけど、普通すぎるものは嫌だ」という方。

良く見ると個性的な眼鏡な形のため、掛けると好き嫌いがハッキリ別れる眼鏡です。ただ今までお買い上げ頂いた方をみると、不思議とこのブランドが持つ雰囲気にピッタリな方が選んでいます。掛けてシックリきた方にはお勧めです。またこのブランドが好きになった方は、自分のファッションををしっかり持っている方が多いです。

これらの方には、本当にお勧めです。

 

凄くお勧めブランドで、前回の2ブランドに匹敵するブランドだと思っています。ただ次点として紹介させていただくのは、ちゃんとブランドとして成り立っていないところかと思います。商品供給が不安定なため、どうしてもお勧めしにくいブランドです。


お勧めブランド② PROPO DESIGN

PROPO DESIGNってこんなブランド➡

PROPO DESIGN : プロポデザイン

 

評価が急上昇したPROPO DESIGN

PROPO DESIGNは、昔からあるブランドです。昔はそんなに評価していませんでしたが、ここ1年程で私の中では評価が急上昇したブランドです。

なぜこの一年で評価が変わったのか。
ブランドがコンセプトを明確にし、デザインの幅を絞ったのです。

今までは、シンプルな眼鏡を売りにしていたブランドです。シンプルを売りにするブランドは大変多くあります。あげればキリがありません。それこそシンプルで、長く飽きずに使え、時代に左右されないが、ファッション性が高いブランドって本当にあるのでしょうか?殆どのブランドが埋没して消えて行くのです。
PROPOがその難しいジャンルで、ある程度成功していたのは十分立派であったと思います。ただYELLOWS PLUSの領域までは踏み込めないブランドでした。個人的には、特に良い眼鏡だなと思ったことはありませんでした。

PROPOが重要なブランドになった転機は、シンプルな眼鏡➡シンプルで「女性のため」の眼鏡、にコンセプトを変えたのです

 

日本女性の美しさを引き立てる眼鏡


もちろん女性用眼鏡というジャンルは昔からあります。むしろ昔の方が、紳士物と婦人物ははっきり分かれていました。今も古くからあるブランドは、婦人物を販売し続けています。ただ、ほぼ全てのブランドが古臭くファッション性は皆無です。(私の主観ですが)
簡単に言うと、カラーは赤・紫系を使い、形はオーバル型・フォックス型、そして極めつけは石(七宝)などを入れて装飾を行う・・・
こんな婦人物であれば、評価に値しませんがPROPOのコンセプトは、今のファッションに合う「クラシックでシンプルな女性用枠」なのです。今クラシック眼鏡は主流ですが、年々クラシック色は強くなり、レンズの形・フォルム・カラーは、昔(50年代以上前)のものに近づけています。結果、男性、女性関係なくユニセックスでメンズライクな眼鏡が主流です。
行き過ぎた結果、クラシックなメンズライクな眼鏡に「女性らしさ」を加えた眼鏡は、本当に少ないのです。ただこのジャンルは必要です。洋服の世界でも同じかと思います。クラッシクな男のかっちりしたシャツを着るのも素敵ですが、女性らしさも兼ね備えた白シャツも必要です。

 

実際PROPOのビジュアル写真は、女性らしさ全開の写真を採用しています。(リンクからHPに豚でみてくださ)他のファッションアイテムでは、当たり前すぎることかもしれませんが、殊に眼鏡(特に国産)に関しては、珍しいことでした。
PROPの眼鏡を掛けた女性は、素敵で、ファッション性が高く、女性らしさを出してくれる素晴らしい眼鏡という領域に足を踏み入れたのです。

評価しきれていないポイントとしては、今後5年10年とクオリティをキープできるのか、仮に売り上げが鈍ってきたとき、安易なコンセプト変更を行わないか。今のコンセプトを崩さず成長を続けることが出来れば、本物かと思います。

 

今回挙げた2ブランドは、どちらも女性のための眼鏡でした。

 

ではまた後日。

ファッションと眼鏡(国産お勧め②YELLOWS PLUS)

 

YELLOWS PLUSの凄さ

前回EYEVAN7285について書きましたが、今回はもう一つのブランドYELLOWS PLUSです。知らない方も多いと思うので、

YELLOWS PLUSってこんなブランド➡YELLOWS PLUS | Japan made glasses

 

クオリティの高さに反して低い知名度

EYEVAN7285より知名度は劣るかもしれませんが、ご存知の方も多いかと思います。ただ頻繁に掲載する雑誌を見ない方にとっては、初めて聞く名かもしれません。

YELLOWS PLUSの知名度の低さは、クオリティ・デザイン等が劣っていることが原因では決してありません。会社規模・広告力・営業力といった眼鏡とは直接関係ないところが原因です。ただこのブログで何度か書いていますが、今のブランドは会社規模・広告力・営業力といった眼鏡と直接関係ないことが大きなウェイトを占めているのは歴然とした事実です。
しかしこの小さな会社が作る眼鏡は、世界的に評価が大変高いのです。会社規模・広告力・営業力といった能力が低いのに、今のブランドを作り上げたのには大きな理由があります。

YELLOWS PLUSが世界で評価される理由 

「形の美しさ」

日本人が持つ美意識を具現化した眼鏡と言って良いかも知れません。(少し大げさかもしれませんが)その美しい形が世界から評価されているのは間違いありません。

 

美しい形を持たなければ成功しないジャンル

YELLOWS PLUSの眼鏡を見てみてください。
恐らく「プラスチック製の普通の眼鏡だな」
こんな感想を持つかと思います。

YELLOWS PLUS位置するポジションは、強力な競合ブランドが大変多いのです。競合ブランドというのは、日本ブランドだけではありません。世界のブランドと戦っているのです。このジャンルを得意としている世界のブランドは、本当に多いのです。OLIVER PEOPLES、BARTON PERREIRA、MOSCOT、OLIVER GOLDSMITH、CUTLER AND GLOSS、LUNOR…これでもほんの一部です。これらの強力なブランドが溢れる市場に割って入るブランドって、相当優れたデザインクオリティがなくては海外の評価は勝ち取れません。

本当の意味でのデザイン性(美しい形)が評価されなければ戦えない・評価されない市場です。国産ブランドが、世界で評価されているブランドは本当に少ないジャンルです。国産ブランドのデザイン性が劣るというのが、大きな原因です。

 

何故普通に見える眼鏡が評価されるのか?

他の洋服アイテムで考えたほうが分かりやすいかと思います。
例えば、ベーシックな白シャツ・ジーンズって、どれも同じように見えるかと思います(雑誌、ネット等でみると)
ただ実際に触ったときの感触、着たシルエットときの美しさ、着心地等素晴らしブランドの良さ・違いを感じることが出来るかと思います。
シンプルで優れたモノを作れないブランドは、過剰なデザインを施したり、広告を載せたりして何とか差別化を図るのです。結果デザイン性の低いモノが店頭に並んでいるのです。

 

眼鏡にも同じことが言えます。

シンプルな良い眼鏡が作れない眼鏡ブランドは、他のブランドを真似したり、広告、過剰なデザイン、過剰な構造を押し出したりして店頭に並びます。ただその低いデザイン性の眼鏡は、海外では通用しません。中には過剰なデザインがうけて一部の海外に進出していますが、極一部です。

そしてYELLOWS PLUSは世界の高感度ショップからの高評価を勝ち取っているのです。つまり世界のバイヤーからYELLOWS PLUSに代わるブランドはないと思わせたのです。また数は少ないですが、世界の著名人もYELLOWS PLUSを選んでいます。

特に大きな資本を持たないYELLOWS PLUSです。資本の力が働いているわけではなく純粋にクオリティの高さで選ばれているのです。このことは凄いことだと思います。

前回も書きましたがなくなったら困るブランドは本物だと思います。
そのブランドがYELLOWS PLUSなのです。

優れたブランドはすぐわかる

優れたブランドは、シンプルであっても形を見ればどこのブランドかわかります

(ロゴとかそんな単純なものではなく。形や雰囲気などの話です)

極端な話、新作で見たことがないモデルであってもどのブランドか分かります。そのブランド(デザイナー)がもつ雰囲気というものがあるからです。なぜなら一流デザイナーは、「美しいと思う形(デザイン)」というものを明確に持っているのです。そのため流行のデザインであっても、そのブランド(デザイナー)のフィルターを通ってくるので、シンプルなデザインでも明確な違いを持つ眼鏡が完成します。

 

国産ブランドの殆どが、この逆です。ブランドの刻印を見ないと何処のブランドか分かりません。上記の世界の有力ブランドのデザイン、流行っているデザインを安易な模倣によって眼鏡を作ります。よくあるのが有名なデザインを少し変える、少し大きさを変えると言った手法です。完成されたデザインをいじるので、美しくない形になってしまいます。もしくは二流ブランド同士が、互いにパクリあうことも頻繁なので余計似てきます。そして、日本もしくはアジア市場で売れる形にこだわった結果、主体性のない眼鏡が出来上がってくるのです。

無くなっても困らないブランドになってしまいます。

 

YELLOWS PLUSの信念

10年以上流行し続けているのは、クラシック眼鏡です。(流行を超え、定番と言って良いかと思います)そしてこの2,3年特に流行っているのが、「コンビネーション」「メタル」の眼鏡です。

流行していると言えるだけあって、色々なブランドから同じようなものが出ています。国産ブランドは、流行しているという情報をキャッチするとすぐに商品化してきます。この情報キャッチのスピードが、ブランンドの良し悪しの評判に影響しているように思います。そして国産ブランドは真似をし後追いで出してきているのに、「オリジナルです。うちはいち早く出しました!」といったスタンスで商品化しています。そして上手く雑誌等を使い、良いモノのように思わせることに成功した国産ブランドが、過剰な評価を得てしまっているのです。

ただ分かる人にはわかるので、嘲笑の的です。

「ださいな・・ただの真似じゃん・・」

ただ小売店は、売れるブランドは売りたいので、その流れに乗っかってきます。本当は好きではない・評価していないのに店頭に並べ、お勧めしてしまうのです。

 

話をYELLOWS PLUSに戻します。
YELLOWS PLUSは、そんな稚拙な手法は使いません。代表的なコンビネーシのモデルはありますが、市場に出して来たのは本当に早いタイミングでしたし、デザインも唯一無二な完成されたもこでした。

そして今流行りのクラシックメタルのモデルは、未だに出していません。売れるからチャンスは逃すな!早く出せ!ということは、このブランドのポリシーに反するのだと思います。デザイナーが納得できたものが完成して初めて発表されるのではないかと思います。もしクラシックメタルが発表されたら、きっと美しい眼鏡が出来ているのだと思うと楽しみになってきます。
そんなワクワク感を持たせてくれる数少ない国産ブランドの一つがYELLOWS PLUSなのだと思います。

応援したいブランドです。

 

ではまた後日。